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    えくれあ

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    えくれあ

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    ふる〜てぃ〜ず“べりー”「笑顔良し、髪型も良し、うん、今日も可愛いですっ!」

     鏡越しの笑顔はいつも通り。くるりと丸いルビーの瞳がきらりと潤む。いつも通り割れてしまう前髪をなんとか押さえつけて、高い位置のツインテールに結んでいるくせ毛。前髪はなんとか同じにするけど、後ろ髪はいうこと聞いてくれないなと思いつつも、この髪型の私が一番可愛いとも思うので良しとしている。

    「おはよう、今日も早いねぇ。」
    「あ!おはようございます、お姉様。お姉様の妹たるもの、遅刻は許されませんからね!」
    「元気だねぇ、…ぁふぅ。」

     身支度を全て整えつつもまだ少し眠たげで、欠伸を1つした“お姉様”を見つめているのが今回のヒロイン、赤星べりー。間違えやすいので注意だが、べりーはひらがなだ。べりーがつけるのは高等部の姉、いちごのリボンではなく、中等部の三角タイ。そして1年生の印である緑色だ。この春から中等部へと進学したべりーは、お慕いする……もとい、大好きな姉を護るために日々目を光らせている。

    「べりーちゃん、そんなにくっついたら歩きずらいよ?」
    「ですが、お姉様になにかあったらと思うと……べりーちゃんは不安でたまらないのです。」
    「むぅ、しょうがないなぁ〜。特別だよ?」
    「と、特別……お姉様とべりーちゃんはトクベツな関係に……!?」
    「ん?なにか言った?」
    「いえ、本日もお姉様はとても可愛いです!」
    「べりーちゃんの次にね〜。」
    「いえ!1番ですって!」

     ふんす!と鼻息も荒く反抗するべりー。可愛い……というよりお姉様は美人ですよね、なんて考えていたりするが、姉はそんなことをまくし立てられた暁には名前の通りの苺のような真っ赤な顔へと変身するので言わないでおくことを決めている。
     怖がりで、恥ずかしがり屋で、引っ込み思案で……それでもべりーを護ろうと前に出てくれる姉の事が心から好きだった。本当に憧れで……好きで好きでたまらないくらい。

    「大丈夫。私はべりーちゃんのお姉ちゃんだから。」

     それが小さいからべりーだけに言ってくれる言葉。
     そんな姉が国を背負わされていて、戦っている。

     それを見ているだけで何も出来ない自分が情けなかった。だから、せめてもなにか助けにならないか……。そう考えたべりーはルレギュームの国境付近に近づいた。
     そして。

    「あら?フリュイのお嬢さんかしら?」

    そう背後で聞いてからは記憶が曖昧で、でもグンと引っ張られて……。最後に覚えてるのはお姉様の怖い顔に、

    「べりーちゃんは、お姉ちゃんが護るから。」

    という言葉と……「べりーちゃんが護りたい」という強い想いの後、光に包まれたこと。
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