遠くで断続的に銃声がする。ステーションのロビーのガラスがビリビリと震えた。
この星の玄関であるこの国は、二年前から内戦中だ。ガウディ人とボニタス人が、国会の議席数を巡る討論から始まり、暴動に至り、今は星での生存をかけて争っているのだという。
かつてはステーションの周囲も戦場だったが、交渉の末、今はステーションを中心とした半径3キロメートル圏内は武装禁止の緩衝地帯になっている。しかしそこを出れば市街戦が繰り広げられている。ボロボロになった家屋が、着陸する前から見えた。
アベンチュリンは肩をすくめた。
「ここを介さないとツガンニヤに行けないなんて終わってるね。いや、ツガンニヤに近いからこんな情勢なのかな」
7566