恋愛偏差値「やっぱりさあ、勝負事は駆け引きが重要って話だよな。バスケも駆け引きができないやつは技術磨いてもだめじゃんか」
友人の一言にリョータは苦笑いするしかなかった。お前がそれを俺に言うかって感じだ。
「ガードに向かってでかい口叩くじゃねーか」
やる気ならいつでも付き合ってやんぜ。だが、二人の目の前には大きなピザとポップコーンとナチョスがあって、いつもは飲まないビールもあった。とても今からバスケなんかできる状態ではないのだが。今日はエージが大学4年にリョータが3年に無事に進級できると決まったお祝いだった。ベッドだけでほとんど部屋の半分を占領するような小さな部屋にはチーズの匂いが充満していた。普段は摂取しないアルコールが二人の頭のどこかを鈍らせ、別のどこかを刺激して、悪くない気分なのは二人とも同じだろう。
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