事後の一コマしなやかなシーツの感触に身体を委ねる。瞼をもう一度あげる気力はない。
今日は降って湧いたような休日だった。本来ならバスケに没頭した身体を休めるためのベッドは、夜のはじまりとともにぐちゃぐちゃになった。
洗ったばかりのシーツは、どちらが出したものかわからない液体で柔らかくなっている。
リョータは湿ったシーツが好きだった。口が裂けても相手には言えないけれど、自分のものではない香水と、好きな男の汗が混じり合った匂いに抱かれて眠る時間は、心がゆるゆると溶けてしまいそうになる。
時間が止まればいいのに。ふたりだけの、ぬるいベッドの中で。
そこまで考えて、リョータは寝返りを打った。隣で身体を休めているのは、日本バスケ界の期待の星――しかも一等星。六等星の自分とは大きな違いだ。彼は事を済ませると、すぐに眠ってしまう。そりゃ、腰をバカスカ動かすのだから当然疲れるはずだ。ドラマで見るピロートークなんてしたこともない。
好きだと言えない相手を、好きになってしまった。