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    eyeaifukamaki

    @aieyeaifukamaki

    今は沢深、仙牧メインに書いてます。たまーに別のも。

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    eyeaifukamaki

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    愛をみつける
    ②と③の間のノアside
    ノアはみんなが尊敬する系のできる男にしたかったので、完璧な紳士を目指しました。
    ちゃんと伝わってるかな?
    ノアみたいな男との深津さんがめちゃくちゃ愛されるモブ深もちょっといいなと、それを阻止するさぁきた君に頑張ってほしい、結局は沢深ww
    誤字脱字確認用で載せてます
    ここに載せると間違いがわかりやすい

    #沢深
    depthsOfAMountainStream

    初めて彼を見たのはインターハイの試合の時だった。日本の高校バスケで日本一の選手がアメリカに行きたがっていると連絡があって、あまり期待はしていなかったが、スカウトマンとして品定めの為に来日した。みんな同じ髪型で誰が誰やらと見極めが難しい中、それでもさすがは名門校。レギュラーを取るだけの選手達はそれなりのプレーをしていた。その中で唯一、目を奪う存在がいた。一番、というわけではない。でも彼の動き一つで周りの選手が光ってくる。的確なパスと、シュート数は少ないが確実に決める正確さに、中からも外からも打てる柔軟さ。でも、目を奪われたのはそこじゃない。人を惹きつける魅力。しなやかな体に汗が光って艶が溢れる。あまり表情を変えないが、だからこそ、一瞬綻ぶ瞬間が堪らない。プレーは派手じゃないのに、目が離せない。気づけば、無我夢中でその子だけを追いかけていた。

    見つけた、この子が欲しい。

    「綺麗だな」

    思わず、独り言のように声に出る。
    隣で部下の「そうですね」という言葉が入ってきて、そう思ったのは自分だけじゃない事を知る。魅力がある人間は誰の目にも惹きつけられてしまう。人生をそれなりに生きてる人間なら、尚更それに気づきやすい。

    権力者が好みそうだな。

    多分、自分もこれが仕事じゃなければ、いろんな手段を使って手に入れるだろう。でも、それをしてしまうと、この子の魅力が無くなってしまう。自然なままの彼がいい。欲しいけど、今回の目的はプレーとして一番の選手。見るべき相手が違う。仕方なく視線を変えるが、やはり片隅で追いかけてしまう。誰か一人の選手に対して期待する事はあるが、“焦がれる”のは初めてかもしれない。欲しいと思いながらも、すぐにそれは諦めて、仕方なく仕事としての責務を果たした。



    次に彼を見たのは、クラブハウスのカフェテリアだった。エージの声がいつもより大きくて、おまけに日本語で話している。他の選手も家族や友人を連れてくるから、いろんな言語が飛び交う場所だが、日本語を聞くのは珍しい。ただの興味本意で振り向けば、目の前に花が咲き乱れた。

    あの子だ。

    目を奪われるのはこれで二度目。
    少し髪が伸びて、大人びた雰囲気がまた彼の良さを引き出していた。どうやらここにはエージが連れてきたらしい。カフェテリアで会うスタッフが興味本位で声をかけていて、その度に嬉しそうに紹介している。誰も彼が日本ではそれなりの名前が通ったプレーヤーという事を知らずに、彼の雰囲気だけで人が寄ってきている。人を惹きつける魅力は学生の時以上に増していて、これは他がほっとかないな、と嫌でも思い知らされる。喋ったこともないのに、他人が寄ってくるのが気に入らない。自分のパートナーだったら、嫉妬で何処かに閉じ込めている。スカウトマンからGMになった今の立場なら、この場で彼を呼び出して誰もいない部屋に連れて行ける。やっぱり無理をしてでも日本で声をかけておけばよかったと、こうやって再び見つめる事ができた今、改めて後悔した。エージが私に気づいて手を振っている。自分のものを紹介したくて仕方がないという感じで、こっちに来いと手招きしている。その招きには喜んで応じよう。彼を近くて見る事ができるのは、今の自分にとっては、ここ最近では味わっていなかった、最高という名に近い喜びかもしれない。向かう足が思ってる以上に速度を増して、浮き足立っているのが分かる。目の前まで行けば、遠くで見ているよりも妖艶で、彼の世界に吸い込まれそうな感覚に陥った。周りに人がいることも忘れて、彼の姿だけが目に映る。少し垂れた瞳が私を見つめて、思わずその目元にキスしたくなった。

    「ノア、この人ね、俺の高校の先輩で深津一成さん」

    エージの声で現実に引き戻されて、夢から覚めた事に少し苛立ちを覚えた。

    「一個上で山王のキャプテンしてた人。三年間レギュラーだったから、試合見てたら見たことあるかも」

    知ってるよ。
    初めて見た瞬間、一瞬で心を奪われたから。

    「深津さん、この人ね、俺をスカウトしてくれたノア・テイラーさん。みんなノアって呼んでる。今はGMになったから、かなり偉い人」
    「初めまして。君の事、試合で見たよ。いいプレーをするよね。エージがいなかったら君が欲しかった」
    「なっ、ちょっと、マジでっ⁈」

    自己紹介をして握手を求めて手を出したのに、エージが私の言葉に反応して喋るから、エージと話してると思われたのか、握り返してくれなかった。

    「…深津一成です」

    それでもずっと出してることで、自分が握手を求められる事に気付いたのか、やっと手を握ってくれて、英語で話しかけたのにちゃんと名前を言ってくれた。綺麗な厚みのある唇に釘付けになって、今度はその唇にキスしたくなった。

    「一成…カズって呼んでもいい?」

    手を握ったまま問いかけると、なんとなく言ってる事が分かったのか「ピョン」と返ってきた。どういう意味なのか分からないけど、響きとか言い方とか全部彼に合っていて、凄く可愛いと思った。

    「いつまで手ェ、握ってんの。もう離してっ!」

    無理矢理エージが腕を掴んで、その手を剥がされる。せっかく触れられたのに残念だ。そのまま指を絡めて手を離さず、何処かに攫ってしまえたらどんなに幸せか。この歳でそんな想像をしてしまえるくらい、彼は魅力に溢れている。エージの態度で恋人なのはなんとなく察しがついたが、もしあと十歳若ければ、無理矢理にでも奪っていたかもしれない。こんな子が恋人なんて、エージも大変だ。でも苦労すればいい。…なんて、大人気ない考えがよぎった。私より年齢が二十以上も離れてるエージに嫉妬してしまうほど、この子の事が欲しかった。
    それからちょくちょく、エージが彼を連れてくるようになった。普段いろいろと飛び回っているのに、偶然そこに居合わせる事ができたのは、運命に近い。彼を見る度、心が躍る。彼が誰かの恋人でも構わない。見るだけでいいから、その姿を近くで見ていたい。そう思うようになったのは、エージがカズをアメリカに呼び寄せる提案をしてきた時だ。一瞬で彼のいる生活を想像すると、私の世界が鮮やかに色づいた。だからエージの提案に乗った。乗ったはいいものの、実際話を進めると交渉は難航した。それは単純にカズの会社の社長が首を縦に振らなかったから。手放したくないのが一目瞭然。やっぱり彼は権力者が好みそうだ。それでも、どうしても手に入れたい。それなりの金額とそれなりの技術とシステムの構築の提供。それで駄目ならやはり人材で。同等の対価を払うなら、それなりのビッグネームが必要だ。最初からエージが話を持ってきてくれてよかった。エージなら十分に交渉材料になる。日本代表のキャプテンでもあるカズの存在は、選手は無論、精神的にも支柱の存在で、NBAプレーヤーにも引けを取らない。それに加えて権力者特有の囲っておきたいという欲求を駆り立てる魅力。両方兼ね備えれば存在としての価値はエージ以上だ。トップに立つ人間はそういう事をよく分かっている。こちらがどこまで譲歩できるか。底を見てこちらの顔色を窺ってくるのは本当に憎らしい。結局、エージとの広告契約が追加されて、やっと二年間の契約まで取り付けた。条件として英語が喋れないカズに、社長の孫であるケイが専属の通訳としてつけられた。娘がアメリカ人と結婚してラストネームが違うから、誰も孫だと気づいていない。カズより一つ下で、エージと立場的には一緒になる事で、カズが気を許せるように仕向けている。例外になくケイもカズのファンらしく、一家でカズを追いかけていて、自分の手から離しはしたが、孫を使いカズの動向を逐一報告させている。厄介な事に、ケイもファンという言葉ではおさまらないほど、カズにご執心だ。カズの横にベッタリとくっついて、全てを見逃すまいという意思が全身から見て取れる。献身的な行動と、日本語が話せる安心感からか、カズはエージの次にケイに気を許していて、あまり遠慮する事なく話をしている。こちらがカズをどんなふうに扱っているのかも全部筒抜けだろう。勿論、会社の大事な社員、何より日本代表でもあるカズを、大事に扱わないなんて事はあり得ないが。それに加えて、カズはあの見た目だ。放っておく人間の方が少ない。誰からも好かれて可愛がられる。だから、手放しても変な虫がつかないように、一番信頼できる身内をカズの側につけた。全て社長の思い通り。見張られているプレッシャーはあるが、ある意味それは都合が良かった。本当にカズに変な虫がつかれては困るのだ。双方が気を張っていれば、トラブルに巻き込まれる事はない。カズに何かあればエージのメンタルにも影響するし、それは私個人にとってもマイナスだ。私はほとんど側にいられないから、スタッフからカズの状況を逐一伝えてもらってるが、カズ自身が隙を見せない行動をしていて、これまでこれといった心配事は起こらなかった。だが、カズが来て一年半が過ぎ、周りとの意思疎通もスムーズになってきて、もうあまり心配する事はないと安心していたが、それは大きな間違いだった。勿論、変な虫はついていない。それに対してはみんな常に目を光らせていた。本質はそこじゃない。私が暫く飛び回っている間に、カズの中で何かがあった。月に何度かは姿を見るようにして、時間がある時は食事にも誘っていたが、忙しさと、クラブハウスにいてもスケジュールの都合で四ヶ月間姿を見る事ができなかった。久々にカズの姿が見れると、年甲斐もなく浮き浮きと心躍らせてコートに向かうと、私の体は一瞬で固まった。待ちに待ったカズの姿は、全くの別人だった。顔は明らかにクマを作り、食事をちゃんと摂っていないと分かるほど痩せていた。なんで、こんなにもやつれているのに、周りは気づかない?あまりのカズの変貌にこれに気づかない周りに怒りが沸き起こったが、それはカズ自身が上手く隠してるんだとすぐに悟った。わざと露出の少ない服で隠して、髪の毛は伸ばしたままで、表情を見えにくくしている。それに加えて態度は気丈に振る舞って、やつれている事を悟らせない。特にエージの前では、いつも以上に視線を熱くして、エージはそれにのぼせ上がって、本当のカズが見えていない。それに唯一気づいているのは通訳のケイくらいだろう。会った時からカズを見つめるケイの視線は、自分と同じものだと気づいていた。だからケイは少し離れたところで、カズの事を見ることができる。今も心配と悔しさを滲ませて見つめている。でも、ケイはカズには何も言わない。本当はどうにかしたいと思ってるんだろうが、自分の立場を分かっているし、祖父から何か言われてるのだろう。私の視線に気づいても、こちらがどう行動に出るかを伺っている。結局、私もケイと一緒だ。その場ではカズには挨拶程度の言葉しかかけなかった。カズが必死に隠しているのに、この場で問い詰めるなんて事はしない。私はいつものように行動し、その後、医師に相談した。案の定、カウンセリングを受けるべきだと言われたが、アメリカ人と日本人の考え方は違う。カズが必死で隠して悟られないようにしているのに、素直にカウンセリングを受けるとは到底思えない。だからこちらもカズに気づかれないように行動する事にした。まず、エージが遠征でいない時に契約の事でとカズをオフィスルームに呼び出し、その時に医師に相談して睡眠効果のあるハーブティーを用意し、それを飲ませてどうにか眠りにつかせた。私はスタッフを呼び、カズについて話し合った。みんな、本当に気付いてなくて、カズがどれだけ上手く隠していたのか、思い知らされた。選手と違い、カズは今、コーチとしてこのチームに入っている。健康面ではされるよりする方の立場だ。それが仇となって、カズの変化を誰も気づく事ができなかった。それにはスタッフもショックが大きかった。カズがこうなった原因はどう考えてもエージだ。カズの変化に誰も気づかなかったという事は、それだけ上手く隠していて、カズ自身がそれを知られたくないという証だ。だから、こちらは何も詮索しない。ただ、カズの体調の管理はちゃんとする。エイジの態度はあからさまだから、スタッフはみんな、カズとエージの関係がパートナーと認識してる者ばかりだ。だから、話は早かった。食事はスタッフと摂らせるようにエージとのスケジュールを調整した。睡眠に関してはカウンセリングを受けるしかない。ただ、もし薬を処方されたとしても、本人がちゃんと飲むかは別問題だ。これはこちら側のケアが必要だろう。なるべく栄養価の高いものを自然な形でカズの口に入るように努力した。ケイの日本側への報告がどういうふうに伝わっているのかは分からないが、もう既にカズの存在はうちのチームには必要不可欠で、誰もこんな事でカズを失いたくはない。だが、結果としては、カズは良くならなかった。一度気づいてしまったら、無理をしているのは見てとれた。体は回復しても、心は違う。できればカズをずっとここに引き留めておきたい。でも、エージといる限り、カズはどんどん弱っていく。私達は話し合った。皆んな同じ考えだった。結果、一度、エージと引き離すという結論を出した。これはかなりの賭けだ。エージには確実に影響が出るが、カズにとっても、それがいいとは限らない。もっと悪くなるかもしれない。どう転ぶか全くもって分からない。でもこのままじゃいけないと思った。だから、私達は決断した。そしてそれに向けて動き出した。
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    eyeaifukamaki

    DONEバレンタインなので、甘々な仙牧です。「いくつもの波を超えて 前編」からの4年後の二人が番になった後のカフェで気持ちを伝え合うお話。後編の内容を含む内容がありますが、そもそもまだ後編を書いてないので、牧さんと仙道との間に色々あって、それを乗り越えて番ったんだなと思いながら読んで下さい。仙道視点です。そのうち、店員視点と、モブ客視点も追加したい。重要では無いですが、時代的に携帯が出始めの頃の話
    甘い告白「牧さんこっち」

    手を引いて、目の前のドアを開ける。開けた途端、コーヒーの香ばしい香りがして、心がワクワクした。「いらっしゃいませ」という声と少し驚いた店員さんの顔。「まだいけますか?」と聞けば「大丈夫ですよ」と返ってきた。こういう所にでかい男が二人で来ることが珍しいんだろう。少し迷ってあまり一目に晒されない奥の席に案内された。こじんまりとしたテーブルは、牧さんと顔を合わせてヒソヒソ話をするには、丁度いい空間だった。ここは駅から牧さんの家に行く途中にある、俺が前から気になってたカフェテリア。本当は今日ここに来る予定は全然なかった。牧さんは大学四回生になり、就活を始めた。プロの道に行くかと思ったが、発情期の事を気にして、プロに行くのをやめた。俺はそんな事を気にせずにやればいいと思ったけど、真面目な牧さんはチームに迷惑がかかる事を良しとしなかった。でもそのお陰で、バスケに左右される事なく、こうやって約束してなくても会える時間が増えた。今日は俺の予定が流れて時間が空きダメもとで誘ってみたら、牧さんの予定も丁度終わったところで誘いに乗ってくれて、閉店ギリギリの時間にここに来る事ができた。俺がここに来たかったのは、牧さんの家に行く道すがら、ここの看板のメニューを見ていたから。だから、俺はメニューを見なくても頼む物は決まってる。だけど席に座ると自然とメニューに手がいってしまう。テーブルの横に立てかけてあったノート型のメニューを取り、中を見ると、手書き風な文字で書かれていて、如何にもカフェといった感じだ。やっぱり、男二人が入るには些か不自然な場所だった。
    5884

    eyeaifukamaki

    PROGRESS沢深 監禁②
    沢北が深津さんに対して恋と自覚する話。
    深津狂の女の子がでてます。
    沢北を死ぬほど嫌ってますが協力者です。
    メインキャラでこれからも出てきます。
    誤字脱字確認用
    SIDE 沢北栄治

    中学になると自然と耳に入ってくる名前が何人かいる。中学で活躍してる選手は沢山知ってるし、合宿に参加して仲良くなった奴もいる。その中でも一際目立つ存在は何人かいた。その一人が深津さんだ。プレーもそうだが、それとは別の不思議な雰囲気を持ってる人。なんだか分からないけど、みんな気になる存在として深津さんを見ていた。高校に入ってその答えがわかった。深津さんが人を惹きつけていたのは色気だった。中学の時は色気と表現できるほど、あの雰囲気を理解していなかったが、露わになったうなじや服の間から覗く肌、流れて光る汗が何故か全部いやらしく見えて、近づけばほのかに甘い匂いがする。極め付けはあのぽってりとした唇と少し下がった瞳。無表情なのにどこか柔らかくて、細身ではなくむっちりとした体は見てるだけで堪らなかった。それでもモテるという存在じゃなかったのは、この人の性格だろう。明るくて元気な性格ならもっと目立っていただろうし、注目もされていた。そうじゃないのは深津さんがバスケ以外に興味のない性格で、積極的に話す方でもない。揶揄ったり面白いことを言ったりするけど、賑やかな人じゃない。語尾がおかしいから、そっちが気になって深津さんの魅力に気づかない人もいる。だから、深津さんに夢中になる人間は、どちらかというと、近づかず遠くでずっと見守ってる奴らが多い。言ってしまえばストーカーみたいなもんで、粘着性を持ってるからタチが悪い。老若男女、虜にするから、深津さんを狙う奴はかなり多い。男性はどちらかというとストーカータイプばかりだが、自分に自信のある女性はタイミングがあれば近づいていこうとする。だから、俺はそんな子達の気を俺に向かせた。もう既に深津さんを神聖な目で見ていた俺は、汚れた奴らが深津さんに近づいていくことが嫌だった。あの人は穢れた庶民が触っていい人じゃない。バスケだけに集中させていれば、あの人は輝く。恋愛なんて余計なもので穢さないでもらいたい。あの人に触っていいのは、あの人以上にバスケが上手くて、あの人が信頼できる人物だけ。だから俺が阻止する。絶対に深津さんが誰のものにもならないように。でも、その中に一人落ちない奴がいた。深津さんと同学年の文月麗華(フヅキレイカ)だ。文月は名家と言われる程の名の知れた一族で、政界や経済界にも沢山その名が通っている。麗華の家は父親が血文月総合
    6162

    eyeaifukamaki

    DONE何番煎じかの記憶喪失ネタ。同棲中に沢北が事故にあって深津さんの記憶を無くして、深津さん出ていきます。沢北を狙うモブ女がでてきて、でも沢北は相手をしなくて、なんじゃかんじゃがあってのハッピーエンド。沢北も深津さんもお互い大好きなので、お互いを思って行動します。沢北は最後まで記憶なしです。そしてもう一度恋をするのです。フォルダはR-18に繋がるので、そのうちR-18を載せます。
    もう一度、恋をするside 深津

    まだ少しだけ陽の光が周りを照らしていた場所は、既に照明の光へと姿を変えている。予定の時刻は遥か昔に過ぎ去っていて、スマホの画面とにらみ合うのは既に別の目的へと変わっていた。電話をかけても留守電にすらならない。思い当たる場所にかけてみたが、いい返事は返ってこなかった。コツコツと動く針が、外と同じ光の色を示している。

    『分かってます?時計をプレゼントするって事は、時間を束縛するって事っすよ!俺はそういう意味で渡すんです。だから、受け取るなら…そんな想い全部、ちゃんと貰ってくれないと困るんです』

    受け取って欲しい、でも軽くみられたくない。そんな想いが綯い交ぜになって、怒りたいのか、泣きたいのか、照れてるのか、その全部を混ぜたような、なんとも言えない表情で、おずおずと差し出された手の平の箱。その中に入っていた時計は、あれからもう三年の月日を刻んで、今の俺の腕に収まっている。その針が約束の時間より更に一回りして、先の見えない時間を刻んでいく。
    18923

    eyeaifukamaki

    PROGRESS愛をみつける
    ⑤の後のケイside
    みんなから愛される深津さんが好き
    誤字脱字確認用
    深津さんが倒れた。
    深津さんがノアと契約して離れるものだと思っていたけど、結局俺も、通訳として一緒に行動することを許された。多分、爺ちゃんとの契約だろう。ノアは思ってる以上に忙しくいろんなところに飛び回っていて、そのアシスタントである深津さんも同じように行動する。日本に行くことになって、深津さんも俺もそれぞれ休暇がもらえて、深津さんは実家に帰り、俺は爺ちゃんのところに行った。休暇の間は深津さんの行動は分からなかった。倒れたと連絡があった時はどうやら深津さんは東京にいて、爺ちゃんの会社にいたノアが一番早く病院に駆けつけて対応した。俺が病院に着いて個室に行くと、ベッドの横にテーブルがあってノアがパソコンを広げて仕事をしていた。深津さんは眠っていて、睡眠導入剤を入れられて明日まで起きないと言われた。ノアを背にしてベッドの横に座って深津さんの顔を見れば、涙を流した跡があった。疲れからくる発作で心配ないと言われたけど、そんな事はないと確信した。多分俺がくる前にノアと話をしたんだろう。何かがあったんだとモヤモヤして、このままだと帰るに帰れなくて、ノアに何があったのか聞いた。案の定、話してくれるはずもなく、それでもしつこく問いただすと、カズのプライバシーの事だからと一喝された。分かってる、分かってるけど、倒れるほどになるまで深津さんがおかしくなってしまった理由を知りたかった。いや、理由なんて沢北のことだって分かってる。ただ何があったのかを知りたかった。
    1891

    eyeaifukamaki

    PROGRESS愛をみつける
    ②と③の間の沢北side
    ネトフリ公式ので、萌え散らかしたww
    これ聞いて、ちゃんと深津さんに愛されてるよって思ってるけど、このさぁきたくんは相当自信をなくしておりますww
    ちなみに深津さんは沢北ファンの前では一緒にいないようにしてるので、深津さんと沢北ファンとの接点がなくて、みんな沢深推しなのに誤解されたまま。
    誤字脱字確認用
    『カズがノアとアシスタント契約を結んだらしい』

    それはチーム内でもすぐに噂になった。でも、誰もあまり驚かない。それは深津さんがそういう人材に適してる事を意味していた。まだ早いんじゃないかという意見も聞こえたが、概ね、みんな納得してこの事実を受け入れた。ただ、深津さんはみんなから好かれてる。

    「カズがいないと寂しい」
    「エージ、カズはいつ帰ってくるんだ」

    みんな口々に俺にそう言ってきて、深津さんの情報を聞き出そうとする。でも、そんなのは俺が知りたい。誰よりも深津さんは俺を避けている。これから深津さんの話を聞くことができるのは、俺以外の誰かから。

    なんで?
    どうして?
    俺が嫌だった?
    好きじゃなかった?

    でもよくよく考えたら、深津さんから好きって言われた事がない。高校の時に、俺から告白して、無理矢理体を繋げて、それで今までずっと上手くやってきたから忘れていた。行動で示してたつもりだったけど、馬鹿だな、俺は。深津さんの気持ちをちゃんと聞いたことがない。自分が頑張れば、深津さんは自分のものにできると、ずっと思って行動してきた。それはそれで間違ってはいないけど、それに言葉が伴ってない。深津さんの気持ちも聞いてないし、俺だって、最初の一度きりでそれ以来、ちゃんと気持ちを伝えてない。全部、何もかも、俺の勢いと想いだけで成り立っていた関係だった。だから、今になって、なんで?どうして?と、根本的な疑問しか考えられない。普通なら“好き”が大前提にあって、それとは別にここが嫌だとか、こうしてほしいとか、そういう具体的な問題が出てくるもんだ。でも最初から言葉が足りてないから、何が嫌なのかも分からない。頑張ることだけをやり続けていた俺には、追いかける術を持っていない。正直、これからどう対処すればいいのか、どう動けば正解なのか、全く分からない。動いたら動いたで、何もかも裏目に出そうで、それが原因で本当に深津さんを失いそうで、その恐怖が付き纏って何もできなくなってしまっている。深津さんがいなくなって、十日経ったあたりから、俺のファンも異変に気づき始めた。情報収集は俺より優れているから、もう、どういう状況かも把握している。心配そうに聞いてくるのを、困った顔で返す事しかできなかった。
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