こはく「そこに愛はあるんか！？」ルートA煽り合ったり取っ組み合いしたり
紆余曲折の末にお付き合いすることになった弓といば。
その翌日、凪砂から呼び出された二人が指定された部屋へ向かうとそこにはえでんの3人。
二人揃って呼び出された時点で嫌な予感のしていた2人に投げかけられたのは付き合い始めたのは本当か、という凪砂からの質問

昨日の今日でなんでもうバレてるんだとテンパりながらもこの状況で嘘をつくわけにも行くまいと茨が肯定しようとするが、弓弦の口から出たのは否定の言葉だった。
その後いくつか質問された気がするが茨は覚えておらず、気づけば弓弦と部屋の外。
茨、さっきは、という弓弦の言葉を遮るように
けたたましく鳴り響くスマホを耳に当て、連絡を受ける。
そのまま弓弦に背を向け足早にその場を後にした茨の頭はしかし、先程の弓弦の言葉でいっぱいだった。
あれ？俺たち昨日、そういう話にならなかったっけ？でも弓弦はさっき違うって言った、てことは昨日のは全部、俺の、勘違い？

がむしゃらに走り空中庭園の一番端のベンチの裏にしゃがみ込む。
確かに最近疲れていたが、だからといってなんてことない相手の言葉を告白の類だと勘違いするなんて、信じられなくて、恥ずかしくて、でもそれ以上に弓弦の言葉にショックを受けて、嗚咽を漏らそうとしているいる自分に腹が立った。




『いいえ、乱様。どこでそのような話をお聞きになったのかは存じ上げませんが、私と茨がそのような関係になるなど天地がひっくり返ってもありえない事でございますよ』

付き合っているの、と聞かれてとっさに返した否定の言葉。
弓弦にとっては、ただ凪砂達を誤魔化す為に吐いた嘘だった。
それが取り返しのつかない『本当の嘘』になってしまったと気づいたのは、部屋から出た後、電話を受け手走り去る茨の表情を見た時だった。


茨を追いかけるか否か、僅かに考えた後、弓弦は今しがた退出したばかりの部屋の扉を乱暴に押し開いた。
驚いた三人の視線が突き刺さるが、なんの障壁にもならなかった。

(ノックもなしに入ってきたかと思えば、さっきの言葉を撤回すると。随分な心変わりだね。どういうつもりかね？)


(弓弦の弁明に対応するのは主に日和、他の二人は黙って聞いている)

話はわかったね、とため息を吐く日和に、一瞬安堵した弓弦だったが、その安堵はすぐにさらわれる。

君はなぜその話を僕たちにしにきたの？
茨を追うのでは無く？
君が取るべき行動は、本当にこれであっていたのかね？