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    けあきとぬいけあきその4

    ##K暁

    KKがぬいたちと同居を始めて一週間が過ぎた。
    万一のための監視役だったがぬいたちは与えられたスペースという名のテーブルの上から出ることなくのんびり暮らしていた。
    「家具とか買ったら反応あるかな?」
    「いらねえよ。テレビ見てんだから十分だろ」
    段ボールに突っ込んでおこうとしたKKに反対していい感じのミニクッションを二つ置き、二体がリラックスしてテレビを見られるようにしたのはほぼ週末通い妻をしている暁人だった。
    「コイツらテレビ見る以外引っ付いてんだぞ」
    「そりゃあ……僕らのぬい……だし?」
    『け!』
    恥じらう暁人に対してぬいあきは嬉々としてぬいけけにへばりついている。ぬいけけの短い腕がぬいあきに添えられているので満更でもないのだろう。そもそも本体である暁人とKKも恋人同士だ。なのだが。
    (コイツらのせいで暁人とヤれてねえのにこれ以上優遇してたまるか!)
    KKのフラストレーションは最高潮に達していた。なにしろこれまではKKの家に暁人が来るイコールセックスするであったのにかれこれ二週間していない。これが仕事が立て込んでるとか喧嘩をしているからならまだ我慢できるというかせざるを得ないというかどうやって和解するかで必死になってそれどころではないのだが、今は二人の関係は良好で目の前に機嫌のいい暁人がいるのである。
    セックスしたい。なのにできない。
    『……と』
    ぬいけけがぬいあきの肩?を叩く。
    『け?』
    『とと』
    KKたちには理解できないが二体は会話ができる。
    どうしたのと不思議がる暁人に頷いて二体はテーブルから降り、横倒しになった塩神の段ボールの中に入り、内側から閉めた。
    「「…………」」
    KKと暁人の沈黙が重なる。
    ぬいたちの意図をKKは理解できた。そもそもぬいけけは元を質せばKKであるから、ぬいに一次欲求があるかは別として、KKの願望を察知してもおかしくはないのだ。
    しかし暁人の方はどうだろう。ぬいたちの突然の行動が理解できず唖然としているのではないか。そこからどうやってそういう雰囲気に持っていけばいいのだ。下手をしたら照れた暁人にぬいたちに気を遣わせたと怒られるのではないだろうか。
    そう案じながら橫を向くと、KKの予想に反した震える赤い顔がそこにあった。
    「……暁人」
    「待って、これはぬいあきがKKといちゃつきたいっていう僕の考えを読み取ったとかそういうんじゃなくて――」
    それ以上の釈明は必要なかった。
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    りんご

    DONEK暁デー 『いたずら』 そして表題に戻る系。
    そんなつもりなかった二人がその気になる話です。
    せめて飴くらいは手元に置いとけばよかった!「ご飯? お風呂? それとも僕?」
    「オマエ」

    というわけでこの話は終わった。
    「そんな訳ないでしょ! 何考えてんだよKK!!」
    「いや何なんだよオマエ」
    「こっちが何なんだよ だよ!」
    「なんなんなんだよだよだよ」
    「あああ呪文にするなよ…」
    状況を整理するにしても、普通の生活を詳細に描写する程度のことしかできない。今回の依頼はKK単独の小さなものだったので、資料をまとめることで一日を過ごした暁人は、せめて疲れて帰ってくる相棒のためにと彼の自宅にてご飯や風呂の準備をしていた。合鍵を使って堂々と入り、勝手知ったる様子で冷蔵庫を確認し、風呂の栓を抜いておく。暁人があれこれ始めたことで多少は解消されたが、KKのズボラさは相変わらずだ。買うものの算段を付けて、流しに残っていた食器を洗い、一度外へ出る。必要なものを買い足して再び家へ戻り、手早く下ごしらえを始める。疲れている時はとにかく手軽さ手早さを重視したほうがいいだろう。あの面倒くさがりは手の込んだものを食べるくらいなら、そのまま寝かねない。炊飯器のスイッチを押して、玉ねぎと牛肉を切って皿に移しておく。冷蔵庫へいったん入れて、掃除するべく浴室へ向かった。そこからは家主の帰宅まで散らかったものを拾っておく作業だった。
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