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    iria

    @antares_1031_

    小説と後書き置き場です

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    iria

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    あとがき「銀河」「願い事」

    1番好きな話です。今までで1番気に入っている。
    これまで他ジャンルでもぽつぽつと書いてきましたが、ここまでうまくかけたことはないと言うくらい(うまくというのは文章が上手いとかじゃなくて、自分の中の感覚を文字にできたということです)(上手いか下手かで言うとそりゃあ下手くそです)

    お題を見た時にやはりものすごく悩みました。
    願い事するようなキャラじゃねえ〜〜〜二人とも〜〜〜!
    しかも銀河も全然ピンとこなくて。少し悩みましたが、逆にじゃあ「どこまで追い詰めれば願うのだろう」と考えはじめ、前々から書きたいと思っていた「心身ともにボロボロになったひとりぼっちの簓」を書こうかな、と思いました。

    そんなことを胸の中に抱きつつ、そしてボロボロになる簓さんのイメージや話の骨組みとしては、すでにしっかりとした物が頭の中にあったので、それをどうやってお題に結びつけていこうかな、と考えながら生活をしていました。

    そしたら寝る直前、目を閉じていたらもうオチまで全部ぶわーーっって頭の中に出てきたんです。深夜。もう疲れて寝なきゃーってなってるのに、半笑いでノートに書き殴りました。忘れないように浮かんだ筋やワードや一文など。ここでもう8割くらいできてしまった。


    冒頭の怪我のシーン。夫に読んでもらったんですけど、「……リアルだね、こんな怪我したことないのに」って言われたんです。
    いや、経験済みだけど?!?!ってなりました。
    私の爪が剥がれたの見てたよね?!ってかあなたのせいで爪剥がれたんだよね?!?!
    爪だけじゃなくて足の捻挫の描写も経験談です。足がありえない色になって、パンッパンに腫れてまともに歩けない状態で名古屋まで行って推しアイドルとグルショを撮った女です。
    肋骨の骨折はしたことありませんが、仕事先の人で骨折した人がいて、その人から事細かに聞いたことを参考にしました。

    冒頭のこの怪我のシーンはとにかく細かく書きたい!とものすごく意気込んだのですが、あまりに書きすぎるとさすがに企画タグ付けてそのまま公開するのはまずいか…?どこまでならいいんだろう…?と今の形になりました。

    あとは路地裏の汚さもしっかり書かねば!と思って。都会の路地裏には害虫や害獣がいるでしょうから。

    本当は池袋の路地裏にしようと思ってはいたのですが、あまりにも深夜の中華街の雰囲気が良すぎて…絶対に左馬刻様とか簓にうろついてほしい〜〜〜っていう欲のためだけに中華街にしました。あまりにも、雰囲気が、よかったの…!!!路地裏にいそうな雰囲気だったの!!!!!

    盧笙先生はWISDOMなので、色んな知識を持っていそう、ということで当然星座の豆知識もあると思います。なんか夏の大三角とかに絡めたいな〜と家にある星座図鑑を引っ張り出してみたり、ネットで調べたりするうちに「蠍座がよく見える」という事を知りました。(間違ってるかもしれない。鵜呑みにしないで!)

    本当はここで宮沢賢治の「さそりの火」とも意味をかけたかったのですが、無念…。美しい蠍の火、簓さんにとっても似合うと思います。悲しくて美しい。
    どうしてもどうしても無理やり賢治作品と絡めたくて「ほしめぐりのうた」を登場させました。赤い目玉のさそり、ひろげた鷲のつばさ。私は「小熊のひたいの上は 星の巡りのめあて」という一文が好きです。好きな日本語ベスト3に入る。
    ここも絡めたかったけど〜無念。でもお母さんとの思い出にも紐付けて、より孤独感とか喪失感とかを出せました。

    そして思い出したくもない盧笙とのことばかり思い出してしまう。
    「抱かれた」と言っていますが、恋人関係だったのか、そうじゃなかったのか今のところ未定です。本当は恋人関係としていた気もするのですが、やっぱり多分そういうのじゃない。限りなくその形には近いのですが、その手前で体の関係をさきにもってしまって、あっという間に解散してしまって…という。だから体を重ねた回数はそれほど多くはないと思います。少なくもないけど。

    ちゃんとそこも書けるようにいま頑張ってなんとか考えようとしています。自分で読むためには自分で書くしかないんだ(言い聞かせ)

    その思い出を打ち消すためにタバコをふかすんですが、そのタバコもKOOLと言う…ね…ね…つら…辛すぎて最高じゃん… Keep Only One Love
    紫煙を夜空に燻らすという表現がうまくいったな〜とても気に入っている。

    都会の夜は明るすぎて全然星が見えない。これは本当は雨を降らせようとしていたのですが、それよりいい表現が浮かんだのでこっちにしました。
    まるで強烈なスポットライトを浴びた板の上のようだ〜からの比喩表現がめっちゃ気に入ってます。まじで自分よく…思いついたね…思いついたときガッツポーズしたもんね…

    板の上に立って光り輝き、客席まで照らす太陽の簓。
    板を降りて、その光を受ける側に回った盧笙。
    この対比が都会の空と重ねて表現できてより孤独感が出たのではないでしょうか。
    この時の簓さんも板を降りてはいるんですが、左馬刻とコンビを組もうとしていたり、自分の新しい「笑い」や「おもろいこと」を探しているので、結局エンターテイナー側という立ち位置は変わっていないと思いました。

    隣にいたのにね、いつの間にか「そっち側」に行ってしまってね、板の上にもひとりぼっち。路地裏でもひとりぼっち。泣きたくなるよね。

    神々が敷き詰められた暗闇の銀河という表現もめっちゃ気に入っています。真っ暗闇で何も見えないけど、どうやらそこには神がいるらしい、と。

    ここまで追い詰められてようやくその見えない神とやらに願うことができるんじゃないでしょうか。俺の人生を変えられるには俺だけや、と言っているような人なので、神頼みはまずしないだろうな、と。(げん担ぎ程度ならしそうですが)

    そして願うなら自分ではもうどうしようもないことなんだろうな、と。じゃあ「盧笙ともっぺん漫才やりたい」になるかな。というか願ってほしかった。願って欲しかったの私が…。誰のためでもなく自分の為だけに願ってほしかった。


    よかったね「毎度!生きたろかい!」が出るんだよ…
    よかったねえええ(号泣)

    そしてこの話を先に書いといてよかったーーーーあっぶねえええええ 毎度生きたろかいが確定してたらこんな話書けなかったと思う… そうだと思うんだ…あぶねーーーまじでタイミングギリじゃん


    BGMは「月を見ていた」/米津玄師

    確かリリースされてすぐこの小説書いたんですけど、理性では「FFの曲」だと分かっているのですが、あまりにも雰囲気とか諸々が合いすぎて……
    歌詞がドンピシャ!ってよりかは歌声とメロディーが…あとは全文じゃなくて所々の歌詞がそれっぽくて。

    これはこのままどうしても書きたい。脳内の情景とこの曲のもつ雰囲気をどうしてもこのまま形にしたい。と思って、夜遅い時間に部屋を真っ暗にして書きました。曲をループさせて。一気に書き上げました。
    楽しかったなあ、またあんな感じで話を書いてみたいなあ。

    簓さんには、ひたすら痛くて悲しくて辛くて切ない想いをさせてしまいました。ごめん。でもこういうあなたが1番好きなの(酷すぎる)

    これからも可哀想な簓さん、まっすぐな盧笙先生が大好物なので同じような二人を書き続ける気がします。ごめんやで…好きやねん……
    こうやって辛くて切なくてすれ違った二人がくっつくから幸せなんです。いつかちゃんとくっつけるからね…多分……

    ほかの参加者さんは七夕らしい微笑ましくて可愛らしいハッピーろささ作品をあげてらしたから、余計この小説が、異質でな…ぶち壊してないか心配になっちゃった。あとあまりにも暗すぎて笑っちゃったよ。あっはっはっは。性格でるなあ〜〜



    あとがきおしまいです。
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    iria

    DONEお題「願いごと」「銀河」をお借りした小説です。
    しくじった。深夜の横浜、中華街。昼間の観光地らしい賑わいとは様変わりして、深夜はほぼ全ての店のシャッターが閉まり、しかし対照的にギラギラと大きな看板の灯りが照っている。
     簓は息も絶え絶え、追っ手から逃げている最中だった。片足を引きずりながら薄汚い路地裏へと転がり込むように身を隠した。暴れる心臓を押さえ込むようにぐっと息を潜め、周囲を伺う。どうやら人の気配はないようだ。その瞬間、急激にどっと疲労と痛みが体を襲った。
     張り詰めたものがプツンと切れたのと同時に、簓はズルズルとその場に座り込んだ。するとすぐにスラックスがじわじわと湿っていく。どうやら排水が地面に溜まっていたようだ。
     そんなことは気にする間もない。息をするたびに刺すように痛む肋骨はどうやら数本折れていそうだ。引きずっていた右足を見ると、足首がありえない太さに腫れ上がり、どす黒い紫色に鬱血している。かなり熱をもっているようだが、痛みに反するように感覚は鈍い。先ほどから何故かズキズキと痛む左手を見てみると、薬指の爪から血が出ていた。爪が半分剥がれかけている。額や瞼の切り傷からも出血し、他にも数える気にもなれないほどの擦り傷や、打撲の跡が全身にあった。青色のスーツに吸い込まれた血液は、濃紺のシミをつくっている。
    2207

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