「付き合ってくれ」
告白というよりは、まるで宣戦布告の様相で彼は言った
「えっと……どこに?」
「どこ?。違げぇ。場所じゃねえよ。人生のパートナーになりてえって話だ」
「……え~~~~・え~~~~~っと、君は僕がそういう意味で好きだったりしたの?」
「そういった?」
「れ・・んあい的な?そういう」
「???」
「全然ピンときてないじゃないのに、そういうのを言うのは辞めたほうがいいよ」
「ピンときてねぇ分けじゃねぇ。そうじゃなくて何をもって恋愛的って言うんだ?」
「・・・それがピンときてないって言うと思うんだけれど。例えば・・・食べ物を半分こしたり」
「蕎麦でもうしたな」
「アレは違くない?じゃあ、き・・・・キㇲ、とか」
「口と口をくっつけるなんざ、できるだろ?」
「出来るかできないかじゃなくて、したいかしたくないか、だと思うんだけど」
「???」
「まぁそうだよね。だからさ、別に僕と恋仲になりたいわけじゃない君はなんでそんなことを言い出したのさ」
「一気に安心した顔になったな」
「そりゃあね。君の事だから天然な発言することは受け入れられるけれど、それでも君が僕に恋をするのは解釈違いがすぎるよ」
「勝手に解釈するなよ。緑谷といれば、俺はいつだって幸せだぞ」
「勝手に解釈したことは謝る。ごめんね。僕も轟君と友達に慣れて幸せだよ。でも、それは友達だからね。だから友達の君には幸せになって欲しいと思うんだよ」
例えば、君がキスをしたかったり、その先を望む人と、幸せな恋愛をして家庭を築いて
君は優しい人だから、子供にもきっと不器用に甘やかしたりして奥さんにはたまに怒られたりして。その子供が大きくなって、君に大切な人を紹介するんだよ。
ねぇ、君は自分の事をハンドクラッシャーなんて言ったこともあったけれど
「君の手で作る、そんな幸せな未来をみたいじゃないか」
ふうわりと笑って緑谷が言う
それで十分だと、友達の幸せを願う気持ちは強いからこそラインを引くのなら
「……緑谷がいなきゃ意味ねえよ」
「???」
「キスやらなにやらが出来なきゃ、側にいちゃいけねえのかよ?」
友情も恋愛も、親愛も、全部が全部定義があったとして、それらに綺麗に当てはまらなくとも
「傍にいたい、それだけじゃ駄目なのか?」