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    DuzB1b

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    Δドラロナ
    女装するΔロナ君
    (割烹着も似合うかな・・と思ったのは秘密)

    黒のクラシカルな足首までのベルベットワンピースに純白のエプロンドレス。
    いっそキャッチな感じのピンクのミニスカにふりっふりのエプロンドレスだったら腹を抱えて笑えていただろうにと、ずきずきと痛む頭の片隅が冷静に判断する。

    そう笑えるくらいに酷ければよかったのに。

    『お~い!こっちに串焼きひとつな!』
    オーダーが入るたびにくるくると踊るような動きにつられてワンピースの裾が揺れ、白いエプロンが風を孕めば、いつものマント着用ではわかりづらい意外に細い腰だとか、流れるような質感でできている半袖から覗く腕の白さだとかを、私以外が観るだけでも剛腹であるのに
    『おら!待たせたな!』
    電灯にキラキラと反射する銀髪に、心底楽しいという感情を溢れさせている緩んだ赤い瞳、満面の笑顔で否応もなしに周囲のボルテージが上がっていくのを目の当たりにしてはそれが能力ではなく、その存在が周囲をこれほどまでにひきつけて止まないという事実に腸がふつふつと沸騰する。

    その熱を逃がすように溜息をこぼせば

    「最高だろ?」
    ぬっと後ろから肩を組むようにしてきた、この店のマスターであり頭痛作成の原因が今の気分と真逆の言葉を紡ぐのに思わず眼付が悪くなるのを自覚すれば「ハハ!そんな睨むなよ。悪いのはお前の判断ミスだ」と悪びれをしないどころか、一層と笑みを深くして喧まった。

    「あの子が働きたいと言った時にはこちらの店を信頼してたのですがね。いつからここはメイド喫茶になりやがりました?」
    「おや。隊長殿はお忘れですか?ここは由緒正しく数十年続く退治人ギルドでお間違いございません。数日前に貴方が監査にいらしたことをお忘れですか?」
    「あの時は退治人ギルドとしては申し分ないと思い許可をいたしました。が、臨時の男性従業員に向かってあの格好をさせる店に対して、いささか早計な判断だったと反省する次第ですよ」

    にこにこにこにこ
    にこにこにこにこ
    表面上は笑っていながらも、頭の中では冷静に戦略を練る
    (カズサの場合は面白がっているだけという気がしないでもないが。それでもロナルド君のこの人気っぷりを見れば守銭奴的にはバイトを本日で辞めさせられるのは痛いはず)
    (とはいえ、退治人ギルドとしては私と不仲になるのは、もっと不都合だろうに)

    思考を巡らせたうえで(この間0.1秒)このロナデュエルで出す手札は!!

    「こちらの店がメイド喫茶を看板に挿げ替えるのでしたら。ギルドは営業停止処分も視野に入れなければ」

    リバースカードオープンといわんばかりに店の営業権の可否をちらつかせればこの店の店主―カズサーが多少息をのむ姿に心の中で己の謀がうまくいったことを確信しがガッツポーズが出る。

    ふふ認めてしまえばいいのだよ、過ちというやつをね!
    そしてあんな恰好をさせられているチョロルド君に直帰指示とバイトの解雇命令を出すがいい

    ダイレクトアタックを食らったカズサ(※イメージ映像)は溜息を吐くと
    こいこいと掌を上下に動かしてロナルド君を呼んだ。
    「お~い、ロナルド君」
    「はい!・・ってアレ、ドラ公来てたのか!」

    カズサに呼ばれて元気よく返事をしつつ、私が居ることに気づいたロナルド君が『ドラ公!』としっぽを振って駆け寄ってくる姿。その余りの可愛さにトキメキで身体が崩れ落ちそうになる心地をなんとか隠しながら、直帰後にはバイト解雇のお知らせをしなくてはならないことに心を痛めて、(まぁ!その傷ついた傷ルド君は私が慰めるからご心配なく!)とアフターケアまで考えていた私の耳に届いたのは、予想とは違うそれ。


    「ロナルド君、仕事はどうだい?」

    カズサの声は優しかった
    ロナルド君を慮り、監視者としての私を労わる者の声であった。
    雇用主として、監視者(私)がロナルド君を心配している様子なんだが仕事はどうだい?という思いが多分に含まれたカズサの声に、ロナルド君は少しだけ考えた後

    「マスターも退治人たちも皆いい人たちで楽しいぜ!働くってすげえな!ドラルク、許可ありがとうな!」

    ぺかーって
    ぺかーって後光がさしている笑顔で私に言った


    勝敗の決した瞬間

    (あんなに嬉しそうな顔をされては反対なんてできないじゃないか!!!)

    ***
    ロナ君がバイト始めた理由が「ドラ公に・・・誕生日ぷれぜんと・・したい」って
    理由だったら可愛いね☆
    ちなみに割烹着と迷いました




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