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    DuzB1b

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    DuzB1b

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    読ドラロナ(4の話注意)

    「ごめんな」
    地面に付した彼がへたり込む私に伸ばした手
    私の頬に添えられればべちゃりと生ぬるい感触と
    芳しい香り
    純度の高い赤

    頭の処理が追い付かない

    だって
    「…君、どうしたの?」

    床にも広がっては私の足を濡らしていく感触
    頬に触れた手に己の手を重ねれば、私の手と差がない温度のソレ

    そして握っていた反対の手がうっすらと動いて、胸をさするしぐさ

    ぞっとした
    謝罪の言葉よりもずっと怖い言葉

    『ありがとう』

    何が、と
    勝手に終わりを決めないでと伝えたい言葉を伝える事すらできず

    動かなくなった彼の胸に額を当てる
    一拍も打たないソレ
    床を濡らした血液も冷たい液体になり果てた

    君が残した最後の言葉
    ごめんとありがとう

    ****************
    何時もの日常だった
    何も変わらず
    君は傲慢と優しさで「今回の依頼にはついてくるなよ」と言ったんだ

    「そんなに難しい依頼なのかい?」
    本当に心配をしたわけじゃない
    世間的には相棒と言われる私だけれど、依頼解決のための人員という役割はとうに手放して久しいんだもの
    結局、彼からしてみれば吸血鬼と人間のバディなんて毛色の違う物語を彼が紡ぐための道具の一つでしかないのだよ。今は、まだ。
    そのうちずぶずぶに私という沼に落とそうとはしているんだけれどね。

    閑話休題

    「は!。本気で言ってるのか?」
    鼻で笑う彼に溜息一つ
    「まさか。君なら大丈夫だとは思ってるけれどね、でもその慢心が君を傷つけないかの心構えをさせてあげただけだよ」
    「お優しいこって」
    「ウフフ。ぞんぶんに畏怖ればいいよ」
    「どこにも畏怖要素がねえだろ」

    なんて
    そんな言葉を交わしていたのに

    ―ねぇ、あの時に私がもっと強引についていけば、君はまだいてくれた?―
    ―もっと私が君の役にたつような生き物だったら、君は私を連れて行ってくれた?―

    応えは無い
    無いけれど

    次を願った

    次こそは
    君がもっと頼ってくれるような
    例えばフィジカルでは君の助けにはなれないかもしれないけれど、その分、頭脳できみを助けられるようになれば

    そうすれば

    今度は


    ―君は私を遺さないかなぁ―

    からのΔドラロナを考えました
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    DOODLE南国イチャイチャモクチェズ
    南国イチャイチャモクチェズ ブ……ン……
     耳障りにならない程度の駆動音をたてて空調設備が働く。湿度と温度を完璧に調整するそれらの働きによって建物の外とは別世界かの如く快適な環境が保たれる中、カタカタとキーボードを打つ音が伴奏に加わった。時折入れ替わる様にして、タブレットのタップ音、書面を捲る音、ペンが紙面を引っ掻く音がアンサンブルを奏でていく。
    (―――ハーモニーが取れている、とはとても言えないが。まったく…ワーグナーでもここまでは掛かるまい。)
     第一、観客の居ないオペラなど噴飯物だ。そう呟くのは、部屋の最奥に設置された広いデスクに座して黙々と事務作業を続ける青年であった。プラチナブロンドの長髪を首の後ろでひとつに括り、滑らかな白磁の肌を持つ絶世の美貌の彼は―――しかし常には無いほどに分かりやすく疲労の影を顔に滲ませている。チェズレイ・ニコルズ。仮面の詐欺師の二つ名を恣に裏社会を破竹の勢いで己の支配下に置きつつあるその様に、同業者からは畏怖の眼で見られがちな青年は而して人智を超えた異能の持ち主では決して無い。会得した変装や催眠術等と同じく、血の滲むような努力と研鑽のもとに成り立っているのだ。そう、丁度新天地の征服に係る雑務で忙殺されている今現在の姿そのままに。
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