『お遊び的SS』「……なにしてんの」
「ハイジおぶってる」
「それは見りゃわかるっつの」
「だったら聞くな」
「いや聞くでしょ!」
「こら、騒がしいぞ。廊下まで声が聞こえた」
「待ってがんちゃん俺のせいじゃない。見て」
「……なにやってんだお前ら」
「ちょっとハイジをおぶってみようかと」
「危ないだろ。おろせ」
「絶対落とさねーって」
「まったく……何がどうしてこうなったんだ」
「前にハイジが熱だした時おぶりそこねたから」
「はぁ?」
「あー……ナルホド。そういうことか」
「そういうこと」
「待て。俺にもわかるように説明しろ」
-説明中-
「だからって本当にするやつがあるか」
「やったらいけたから」
「軽いの?」
「軽い。ちゃんとメシ食ってんのか心配になるくらい」
「平均体重とそんなに変わらないと思いますけど……」
「アカネさんの筋力もあるだろう」
「ま、ジム付きのマンションに住んでるわけだしね」
「もっと別のことに役立てるべきだと思うんだが……」
「ねぇハイジ。王様におぶってもらうってどんな気分?」
「すごく緊張します……」
「だろーね」
「なんで」
「なんでってお前ね、当たり前でしょ。クロノだったら"恐れ多い!"とか言って気絶してるレベルよ」
「そりゃ言い過ぎ、」
「いえ。そうなります」
「……真顔で言い切んなよ」
「ま、この中で確実におぶれんのはハイジくらいかなー?アカネはギリ」
「俺は全員おぶれる自信ある」
「俺もです」
「そこ。こんなとこで負けず嫌い発揮しなくていーから」
「いやマジで」
「僕は……マシロさんならいける気がします」
「は」
「実は一番軽そう」
「確かに。喫煙者は少食のイメージがあるな」
「実際華奢だしな」
「待って。流石にハイジにされたら傷つくよ俺」
「なんで?」
「そりゃ年上の威厳ってもんが……」
「元からないだろうそんなもの」
「辛辣!」
「今度企画でやろーぜ」
「やるならがんちゃんも強制参加ね」
「おい。俺の腰がどうなってもいいのか」
「いけるって。巌原さんまだ二十代だし」
「なんのための筋トレよ」
「少なくともお前らをおぶるためではない」
「問題ありません巌原マネージャー。だらけきったマシロはともかく、日常的に体を鍛えていれば可能です」
「やる前提で話を進めるな」
「あの……くれぐれも怪我のないようお願いしますね……?」
おわり