世界で一番愛してる目覚めたら隣に恋人はいなかった。
遠くで水音が聞こえるから、きっと顔を洗っているか朝食の準備をしているのだろうと、自分のもとから離れて行ってしまったわけではないことに安心する。
完全に覚醒しきっていない頭が、再び眠りにつかせようとしてくる。昨日あれだけ優しく抱かれて身体も気怠い。もう数えきれないくらい抱かれても目覚めたときの怠さがなくなる日はなかった。
今日は二人揃っての久しぶりの休日だ。惰眠を貪ってもいいかと、最近出した毛布にさらに包まって空気に触れる面積を減らした。
もぞもぞと動きながらついさっきまでいたはずの彼の体温を探したが、少し窪んでいるだけでもう暖かくはなかった。少しだけ残念に思っておとなしく再び眠ることにする。
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