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周年ストでヒースは指令向きっぽくて西と戦争の可能性が出てきたのでその辺から。
中央と西が開戦して東は中央に付くことになる(中央が負けたら東まで攻め込まれる可能性が高い&中央には政治(戦闘)に確実に参加する魔法使いが居るから)
東は魔法使いが出てこないので魔法化学兵器対応にヒース(ブランシェット軍)がかなり前線まで出されてる。わりと活き活きしてるシノと世話をした子供二人を見捨てられず巻き込まれるファとネ。
ヒースはそこそこ戦績を上げてて、シノを使った奇策で難関突破したんだけどシノが大怪我する。回復したけど次の戦闘では正面衝突の消耗戦を選ぶ。
からのほぼ台詞のみ妄想。
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「南西の森の14部隊が偵察部隊と接触。現在撤退中」
ネロの報告にヒースクリフは殆ど考える間もなく答えた。
「13部隊に連絡を。即時14部隊と合流、森の入り口まで下がっていい。そこで部隊の立て直し。14部隊長は隊長権を13部隊長に譲ること」
「了解」
ネロが連絡用の魔法化学装置を起動させる。その間にシノが話しかけてきた。
「前線が下がる。突入になったときに遅れが出るぞ」
「構わないよ。森の伏兵はもう使わないつもりだ。ネロ」
「どうした」
「後方に連絡。馬を正面部隊に全員分送れって」
「全員分 正面部隊に」
「おいヒース。正面にそんなに馬を置いたら、潰された時に損害がってまた言われるぞ」
「いいんだ。威嚇だから。それよりネロ、悪いけど連絡が終わったら左翼に行って大砲を外壁に向かって撃ってくれ。弾の魔力注入もお願い」
「え……いや構わねえけど大砲まで動かしたらマジでねちねち言われんだろ」
「気にしないで。撃つタイミングは正面部隊に馬が届いて全員が騎乗したら。ネロが目視確認できたら砲弾。そこで正面部隊から再度降伏勧告を出す」
「あー、了解」
「おいヒース」
「……何」
「オレは使わないのか」
「お前は今回待機だって言ったろ」
「なら後方でもいい。現場に立て。兵を鼓舞しろ。オレも付き添う」
「……俺の顔なんて見たら、兵の士気が下がるよ」
「は?」
「何でもない。ネロ、出発は三十分後で。それまで部屋で休ませてもらうから」
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「ヒースの奴、今回は全然外に出ないな」
「お前な、指揮官を外に出そうとすんじゃねえよ。大将は後ろに居ろってんだ……昔を思い出すぜこの台詞」
「昔?」
「あー、そういう馬鹿が居たんだよ。そいつの魔法は近距離の方が効果が上がるから前線に出てくる馬鹿が居たんだよ。お陰で士気は高かったけどな」
「ならヒースも出るべきだろ」
「あのな、死体にしかみえねえやつの中に俺やお前みたいなのが混じってたらどうすんだよ。あのきらきらした髪の反射が見えただけでも、這いずってぶっ刺しにいくぞ」
「そいつの首を刈る為にオレが側に居る」
「……ヒースも苦労すんな」
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「ヒース」
「ファウスト先生……」
「シノもネロも心配していたぞ。戦況は有利。なのに君は何を憂いている」
「……今回俺が選んだのは消耗戦ですから」
「ああ。勝てる相手にはこちらの力を見せつけて勝利する。悪い手じゃない」
「兵の声が聞こえます。奇策など偶然。腹心が怪我をした途端に人間を使い潰す、これだから魔法使いは。人間がいくら死んでも構わないんだろう……と」
「この前の勝利で持て囃した直後にか。そんな人間どもを気にかけてどうする」
「本当のことだから。俺はシノが怪我をして怖くなったんです。シノを使えばもっと被害の少ない手段もあったかもしれないのに」
「それで今度こそシノが石になったら? 君はそれを後悔しないでいられるのか」
「……っ」
「こんな人間どもが混じった戦場で信頼できる者を傍から離すんじゃない」
「はい」
「そもそも人間の被害が何だって言うんだ。人間どもが始めた戦争だろうこれは」
「すみません。先生まで巻き込んでしまって」
「僕が手を貸すと決めたんだから気にしなくていい。そして君はこんな戦争でもやると決めたんだろう?」
「はい。俺は俺の故郷を守ります。そして、シノを英雄にするつもりですから」