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    suicha0000

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    suicha0000

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    これからりくが酷めに体調崩してもらいたい感じで考えています。めちゃくちゃ途中です。

    りくが体調を崩す前くらい「けほっ、、こほっ」
    最近七瀬さんの咳が目立つような気がしていた。本人は慣れた様子で少し咳き込んで何事もなかったかのように振る舞う。酷い発作を経験している彼からしたら数回の咳き込みなんて気にもならないのだろう。
    「七瀬さん」
    「なに」
    あからさまに少し嫌な顔をする。何を言われるか分かっているのだろう。
    「咳、最近多くないですか」
    「これくらい良くあるよ。大丈夫」
    はっきりと大丈夫と言われてしまえば何も言えなくなる。確かに咳だけで他の症状は何もなさそうなのだ。何もないことは良いことなのだけど、他にも症状があればもう少し強く言えるのだがとも思う。
    「発作は」
    「最近ないよ。大丈夫」
    再度はっきりと大丈夫だと言い切る。いつもの誤魔化すような感じはない。
    「分かりました。何かあればすぐに言ってくださいね」
    「はーい」
    いつも以上に間の抜けた返事。本当に本人も気にしていないようだ。恐らく大丈夫であろうが、注意しておいた方がいいだろう。



     一織に指摘されて、あまり気にしてはいなかったけれど最近少し咳が出ていたかもと思った。でも本当に最近発作を起こしていなくて、比較的調子がいいなと思っていたくらいだ。
    「けほっ、」
    なんだろう、空気が乾燥しているせいかな。それくらいにしか思っていなかった。
     翌日起きた時に熱っぽさを感じた。最近の咳はもしかしたら風邪の引き始めだったのかなぁと思いながら、体温計を手に取り脇に挟む。そこまで怠さは感じないから大丈夫だろう。体温計が測定終了の音を鳴らし、取り出すと表示されたのは37度半ば。この数値を見て、まあこれくらいと思った。38度を超えればしんどくてくらくらするし、発作が起きれば咳き込み続けて、呼吸も十分に出来ない。でも今は少しの咳と微熱だけ。この程度なら普段通り過ごすことは出来る。特に問題はない。そう思っていつも通り仕事に向かう準備をしてリビングに向かった。
    「おはよー」
    リビングにはいると一織と環は学校があるからとせかせかと準備をしている。いや、ちゃんと準備を進めているのは一織だけで、環は壮五さんにだいぶ急かされてやっとやっとな感じだ。
    「たまきー、ちゃんと起きろー」
    「んー」
    「環くん!ほら!パン食べ終わったら着替えて!」
    「んー」
    いつも通りの景色に安心する。オレが体調を崩してしまうと何かしら景色が変わる。誰かがオレの体調を気にしてくれたりする。環もそういう時、素早く動いてオレの様子を見にきてくれる。そういうのを感じるたびあたたかくて有難いと感じると同時にオレが日常を壊してしまっていることも実感する。それが申し訳なくて、嫌で嫌で仕方がない。
    「けほっ、」
    咳が溢れると同時に一番気にしてくれている一織の方を無意識に見てしまう。気づかれたくないとそう思ったが、しっかりと目が合う。
    「七瀬さん」
    「ちが、けほっ、ちょっと咽せただけ。苦しくないから」
    「何かあったらすぐに」
    「分かってる。言うよ!大丈夫だから!」
    ほら、咳も少し咳き込んだだけで治った。だから本当に大丈夫だよ。そんなに心配しないで。
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