21gの忘れ物「よぉ」
それは余りに突然だった。
見覚えのある、あり過ぎて忘れられるはずのない男が目の前にいる。
そして、かつて同級生だった相手を見つけ「久しぶり」とでも言うような、そんな軽い感じでこちらに手をひらひらと振っていた。
…これは幻影なんだろうか。そんな考えが一瞬頭をよぎるが、それは有り得ない。
ーーーあれが俺の幻影なら、俺が生み出したものなら、あんな笑顔を俺に向けてくれるはずがないのだから。
ーーーーーーーーーー
聞けば何か心残りがあり、それが枷となって成仏出来ないのだという。
フィクションのようだと思ったが、かつて参加させられていたあのゲームだって十分に非日常に変わりないと思い、俺はQ太郎の言ったその言葉を信じ協力することにした。