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    koioto_rz

    @koioto_rz

    つるこい、おこい、つきこい
    9:0.5:0.5

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    koioto_rz

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    こっそり鶴見さんの香水クンクンして何かしてる鯉登くんの鶴鯉

    第三者視点(神視点?)
    試行錯誤、頑張ってみてるので書けたら見て……
    また続きかけたら追加します諦めないように

    このあとはどちゃくそ18禁になる予定なんですけど
    私は♡喘ぎさせたいんですが大丈夫ですか?(知らん)


    支部にあげました😚

    #鶴鯉

    鶴鯉 匂いは記憶になるという。
     五感の中で最も長く記憶に残るのは、他神経を介さない嗅覚。ダイレクトに刺さる分印象も強くなる。
     金木犀の香りで澱粉糊を思い出し、園児の頃と結びつけるように、香りというのは人間にとって重要かつ懐古をも齎すものでもある。
     それを知っていて自らに取り込むのが、“鶴見篤四郎”という男だ。
     人当たりが良く紳士的な性格。頭も回り上にも物怖じしないので猛スピードで出世した。慕われながらも一目置かれている。彼に見合った外見もそれを助長させる。丁寧に撫で付けられた黒髪は年齢を感じさせず清潔で、ふいに何本か束で崩れ落ちても色気を増して好印象しか与えない。ダークトーンのスリーピースは体にフィットしたカスタムメード。街灯のみが息づく街角、裏路地の隠れ家バーと洋楽とウイスキーが似合うと後輩らは語る。
     しかし彼から香る、ミモザ、ガーデニア、ライラック、オークモス、ムスク、シダーウッド……
     重たく、濃い甘さは上品な和の印象も与えてどこか懐かしさもある。月明かりのみが周囲を照らし広大な窓からは赤黄橙に輝く木々が浮かぶ高貴な寺のような。外見の雰囲気とのギャップに魅了される者は少なくない。
     すれ違っただけでもその耽美なる容姿と共に深く記憶に刻まれる香水は、
     今、恋人の手でその中身を空気に散らしていた。





    〜〜(何かしらのタイトル)〜〜




     鶴見の務める第七商事は不動産業を営んでおり、新生活における引っ越しの多い冬が繁忙期だ。口の立つ鶴見は接客において他に引けを取らず優秀だがそれも顧客による。何しろ初めての一人暮らしやら初めての同棲やら優柔不断で土地に合った適切な条件が分からない人間が来れば、譲歩できる物件を探して交渉して残業することが多くなる。この時期は日を超える直前に帰宅することも少なくない。
     そんな中本日は久々の定時。1ヶ月も残業が続き流石の鶴見も疲弊していた所、長い付き合いの月島という部下が上司に進言してくれたようだ。普段そんな事しないのに。感謝を述べれば、俺の知らぬ間に何度も仕事肩代わりしてくれてましたよね。と。自分も多忙なくせになんと義理堅い男。
     疲弊の理由は多忙と別に、家で待つ可愛い歳下の恋人、鯉登音之進と全く触れ合えなかった事が大きかった。20も下の彼は大学生で遊び盛りだが規則正しい親の元に生まれており、日付を超えて起きていることは1人では難しいらしく最近鶴見が帰る頃には就寝中であった。寂しいが生活リズムが異なるから寝室は別にしようと同棲前に提案したのは鶴見の方だった。睡眠を邪魔されるのはストレスが溜まることだろうと気遣ってのことだ。その代わり休日は嫌がっても一緒に寝るからな?と揶揄えば、目を伏せ顔を真っ赤にしてこくこくと頷いた。
     そんな愛しい彼を驚かせるチャンスだ。残業の連絡をするのは定時の1時間前。いつも通り謝罪と愛を緑の吹き出しに並べれば、5分とせずに応援と愛が白の楕円に乗り、猫のスタンプと共に画面に現れる。がんばってください!と鉢巻を巻く猫は近所に住み着いている三毛に似ていた。彼の好きな個人店でケーキを買い、喜びに輝く顔を想像しながらの帰路はシャンゼリゼ通りに劣らず華やかに思えた。








    「なにしてるの?音之進」
    「キェェェェ!!!!!!??????!!」
    玄関入ってすぐ目に入ったのは、鶴見の部屋から出てきた鯉登だった。手には何も持っていないが、うっすら風に含まれるミモザはいつもつけている香水のトップで香るものだ。
    「コラッ近所迷惑だぞ」
    「すっすいもはんっ! と、くしろうさんないごて…今日も残業って」
    「あぁ、月島が上に掛け合ってくれててな」
    分かりやすく動揺し廊下の先のリビングへと後退りしていたが、ほらとケーキの箱を翳されれば恐る恐る近づき両掌を箱の下に掲げる。数100gの甘味は今の鯉登にはずしりと酷く重かった。
    「ただいま音。今日は一緒に夕飯が食べれるな」
    「おかえりなさ…い。そ、ですね、嬉しいです」
    ゆっくりと革靴を脱ぐ鶴見と真横のドアに視線をさ迷わせる。褐色の顔面が心做しか色を無くし冷や汗もかいている。
    発言とは裏腹に心ここに在らずな態度に鶴見は勿論理由に気付く。
    「ところで音之進?」
    「キェェェェェすいもはんすいもはん!!!」
    「まだ何も言ってないが。なに悪いことしたんだ?」
    紙箱だけは揺らさぬように器用にお辞儀しては墓穴を掘る。すぐ掌で転がされてしまう素直さも鶴見は好きだった。
    「キェッ…あの、あの」
    「うん」
    「ま、前言ってたの私のせいなんですっっ!!」
    打って変わって耳まで赤くした鯉登は一世一代の告白をする勢いで再び頭を下げる。さらさらの黒髪が頭の形に沿って頼りなさげに流れ落ちていった。



    《追記文》

    「香水の減りが早いんだが何でだか分かる?」
    「…知りもはん……」
    「うーん、蒸発しちゃうのかな。ちゃんと蓋閉めているのに」
     こんな会話をしたのはつい一か月前だ。
     鶴見は第一印象が大事だから、と身につけるものには一層気を使う。服や鞄は勿論、香水も例外ではない。
     広いウォークインクローゼット内、ネクタイや時計等の小物を入れている小棚の一番下。
     電気を付けたとてそこまで光も届かぬ暗所な上、温度や湿度変化の穏やかな場所だ。急激な劣化や揮発、澱の心配も殆どない。
     そして普段はアトマイザーに詰め替えているので元の瓶からはほぼ使用しない。にも関わらず容量が減っている。いつだかこっそり容器の裏に分からない程度の印を付けて数日後に見たが、やはりその線から下に液体はあった。アトマイザーの減りより早いのは流石におかしい。
     瓶が悪いのかと嵌合を調べたが、購入した店も店だったからそこの心配はなかった。
     ここまで来れば鯉登が絡んでいるだろうことは容易く想像できた。自分に合う香水を何度も吟味した。きっと気に入ってこっそり大学とかに付けていってるのかな?鯉登には早熟な香りであるのは周りにも分かるだろう。手っ取り早い虫除けになると放置していた。
     だからまさか夜に使ってたとは鶴見も驚いたのだ。

    「どういうこと?」
    「わ、私がっ…その、えっと」
     思いきり白状したくせにしどろもどろの間投詩を紡ぎ続ける。顔色を伺いつつもごもごと声を口内に籠らせて話が進まない。
     それでも鶴見は鯉登の口から真実を聞きたい。私の香水を勝手に使って何をしていたんだ?
     急かすことなく言葉を待っているとごくりとゆっくり嚥下音が鳴る。
    「ひとりで……するときに、かりていて」
     ぱちくり瞬かせる視線から避けるように紙箱を顔の前に掲げる。怒られるか軽蔑されるか断罪の時を待つ静寂は、鯉登から血の気を抜いていく。
     無言のままおもむろに鶴見は鯉登の横を通り抜け、自分の部屋よりリビング側にある鯉登の部屋を開ける。馴染みある匂いで埋められた6.6畳の個室。止める間もなくずかずか押し入り、窓際を陣取るセミダブルのベッド上、転がる物体を手に取る。細かい気泡がゆらめくプラスチック容器。情事に使う緑のキャップではない赤色のこれは、中身が減っている事がバレないように別で買ったものだ。振ると粘度のある液体は透明の容器の中心でたぷたぷ踊る。キャップを回し手に垂らしては感触を確かめるように指先を擦り合わせる。出しすぎた分が床に落ちるのを鯉登は何も言えずただ眺めていた。
    「音之進はもう夕食を済ませたのか?」
    「はい……?」
     何もなかったかのように雑談に戻られる。グレーと水色を基調とした室内の真ん中で、スーツ姿の紳士はにっこりと笑顔を浮かべていた。
    「夕食。もう風呂も済ませてるんだろう?」
    「っは、はい…。あの、篤四郎さんの分は冷蔵庫に…」
    「温めといてくれ。着替えてくる」
     ボトルを放り投げて部屋を出ていく。折角の暴露になんの反応もしない。鯉登は拍子抜けして暫く動けなかった。


    ケーキを冷蔵庫に仕舞い、ラップのかけられたオムライスを代わりに取り出す。卵がちぎれる回数もだいぶ少なくなった。今日のはきれいに巻けた自信作だった。橙に照らされる様子を確認したら、ベビーリーフとトマト、紫玉ねぎをオリーブオイルでマリネしたものを小皿に盛る。まだメイン、サイドの2.3品しか用意が出来ないが見た目は洒落て立派なものだった。チンッと小気味いい音で夕食は出来上がる。
    「あぁありがとう。美味しそうだね」
    オープンキッチンの手前にあるダイニングテーブルへ並べていると、上下グレーのスウェット(といっても皺もないスマートなもの。部屋着にも気を抜かない)になった鶴見が現れる。あっと振り向いた鯉登の目に、緑の蓋のローションと香水瓶がうつる。ペアで持つには異質すぎるセットがテーブルに置かれて体が固まった。なんで、それ持ってきたんですか? 嫌な予感がする。
    「……あの、それ」
    「中、キレイにしたんだろう?」
    質問を汲み取り笑顔で答える。顔がカッと熱くなるのを鯉登は感じた。その通りだった。ローションがあるということは前ではなく後ろを使う予定なのだと、そこまでちゃんと把握されている。
    「私が食べ終わるまでに準備しておいて」
    リビングに転がる、大きいクッションをテーブルの横に持ってくる。鯉登が友人らから誕生日に貰ったものだ。突っ立っている鯉登をそこに座らせ上から香水をひと吹きする。強い芳香の粒子が霧雨のように降り注ぐ。しゃがんで視線を合わせる鶴見を困惑した様子で見つめ返す鯉登は、その匂いですでにくらっときている。
    「音之進はいい子だからできるよな」
    勝手に自慰に使っていたのだから形容するなら悪い子なのに。わざと煽る言葉を使われたのは、断る選択肢はないという圧が含まれている。
    「ちゃんとできたらあとで可愛がってあげる」
    手渡されたローションは、もうその気になった鯉登を揶揄うようにぽちゃんと軽い音を鳴らした。
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