Recent Search

    無理太郎

    @mineso00

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 13

    無理太郎

    DONEX(Twitter)に載せている現パロ風守護獣ファンタジー小説の第1話です。守護獣と呼ばれるものが人間に憑いて護っているという世界観です。一応恒刃です。
    狐火「応星さん?」
    目が覚めた。長い間、朧げに夢を見ていたようだ。碧い眼をした青年が俺の顔を覗き込みながら話しかけてくる。電車の中には俺達二人しか居ない。
    「もうすぐカフカさんから言われた駅に着くが…大丈夫か?」
    「…ああ、ありがとう。」
    俺達はカフカという雇い主からの依頼で、電車に乗ってとある辺境の田舎に来ていた。といっても、この青年は俺と違い雇われでも何でもなく、良心と少量のお駄賃程度で俺の仕事に付いてきてもらっている。名は丹恒という。
    「折角の休みなのにこんな依頼に付き合わせて悪かった」
    「いや、本当に気にしないでくれ。俺が付いてきたくて付いてきたようなものだから。」
    それにちょっとした旅行のようで気分転換になる、と隣の青年は軽く笑う。こう言って貰えると俺も罪悪感を抱かずに済む。名前はさん付けなのに敬語ではないのは、彼に敬語を使われるのに異常な違和感があった俺が使うなと頼んだからだ。けれど俺より年齢が一回りは下の彼には流石に呼び捨ては躊躇われたらしい。
    4381