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    NNyabolatt19770

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    NNyabolatt19770

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    重営倉3日目の伴の話(妄想)
    坂ノ上少佐は今夜も来るのか来ないのか?
    悶々と考えを巡らす伴の心の声

    DAY 3悪夢に目を覚ますと全身にぐっしょりと汗をかき、地面を掴んで指は爪先まで泥塗れになっている。
    ほんの少し、微睡まどろんだだけなのに。
    体感では、ものの数十分といったところだろう。
    実際、巣籠もりの獣の穴ぐらのようなこの営倉の、扉もなく吹きっさらしの出入り口が切り取る夜空は、先ほど見たのとほとんど星の位置を変えていない。

    夜が…夜がまた来る…

    いや、来るのは「夜」だけではない。今晩もまた、あの人がやってくるかもしれない。そう気にしながらしばらくの間寝付けずにいたが、やはり留置3日めの身体は疲労に逆らえず、ある瞬間、完全に意識が飛んでしまった。
    そこから倒れるように眠り込んで、今、どんな内容だったか目覚めると同時に忘れてしまったが、悪夢を見たことによる全身の緊張とぞくりと走る背筋の痺れに、背中を地面から少しも持ち上げることが出来ずに土壁の天井を見上げている。

    今は一体、何時なのだろう?
    夜だということは分かっても、ずっとここにいたら時間の感覚が無くなってくる。
    それでも今夜が3日めの晩だと認識できるのは、あの鮮烈で狂気に満ちた出来事の回数が2度あったということに拠る。
    そのものの回数で言えば別の場所での始まりの日を入れて3度になるが、ここに入ってやって来た夜の数で考えると、ふた晩続けてあの人は、俺を犯しに俺を訪ねた。

    酷く身体が怠い。特に下半身に鈍痛があって、胸の鼓動に合わせてどくどくと疼く。後ろの穴の周囲だけ俺の脳から乖離したように、意思に関係なくぴくぴくと蠢くのでむず痒くて堪らない。
    その後そのままにしていたから、弛んだそこからあの人の放った精がこぷこぷと流れ出て来やしないかと、時々意識的に引き締めるも気が落ち着かない。
    かといって、それが俺の体内に吸収されていくのかと思うと、ぞっとして奥歯を噛み締めた。

    「…気色悪…」

    あんなことがあったから、あんなことをされたから…俺はこんな暗くて寒い地獄のような場所にいて、あの人のことをばかり考えてしまう。

    何故、俺なのか?

    ---いや、そうでなくて、他に手篭めにされた隊員も居るのでは?

    でもあの人は「私は変態になってしまった…」と、まるで俺のせいかのように言った。

    ---それも相手に対する常套句なのでは?

    では、あの人が俺を抱いたのは、手慰みにつまみ食いをした数ある中のひとりと言うこと?

    ---そうだ、特別な訳じゃない

    分からない、考えれば考えるほど、真意が理解できない。単に身体が目的だと分かっていても、わざわざこんなところまでやって来て俺を抱くのは、俺への執心からではないのか?

    ---そうだったら良いと、思っているのか?

    そんなわけ無いだろう。
    階級も歳も上で、これまで上官だとしか認識していなかったあの人に、そんな風に想われていると思っただけでそれこそ

    「……気色悪い」

    そんな馬鹿なことを少しでも考えた俺自身もそうだ。
    俺だけは狂ってはいけない。気が触れて、おかしな考えに陥ってはいけない。

    目を凝らすと、天井に小さな白い点がもぞもぞと動いているのが見える。
    昨日指で弾いた芋虫。
    そうか、アイツは壁伝いに這ってあんなところまで行ったのか。

    どうだ、そこからの眺めは?
    お前は俺の一部始終を見ていたか?
    俺の無様に蹂躙される姿を?
    それでそんな高いところから、俺をせせら嗤っているのか?
    おい、虫ケラ、何とか言ってみろ?

    まるで俺の頭の中の呼び掛けに呼応するかのように、不意に天井を離れたソイツが俺の顔面めがけてぼとりと落ちてきた。

    「…っ!気色悪い!」

    驚いて思いきり頭を揺すって振り落とすと、ソイツはまた明後日の方向へ這い進んで行ってしまった。

    思考は依然、堂々巡り。
    俺はいつまで、眠れずにいたらいい?

    あの人の提げた、ちゃりちゃりと鳴る錠の音は聞こえてこない。
    坂ノ上少佐はまだ来ない。
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    Replies from the creator

    NNyabolatt19770

    DOODLEまさよど
    途中までXにツリー形式で書いていたもののまとめなので改行無しでつらつら書いています
    現パロではないので携帯スマホ無い時代です
    正雄捜査網めずらしく喧嘩をした淀野と正雄。「先生の分からず屋!もう知らない!」そう言って正雄が飛び出していって既に3時間が経つ。すぐに追いかければよかったものの、意地もあったし、どうせ小一時間もすれば戻るだろうと、淀野はたかをくくっていた。しかしなしのつぶてのまま、まもなく日も変わる頃となりいよいよ心配になってくる。行き先の手掛かりは無い。やみくもに探して見つけられるか…?…捜索願…はさすがに大袈裟だろう。あれこれと思い巡らせ、事務所内をうろうろと歩き回って考えた結果、背に腹はかえられぬ、と恥をしのんで昔馴染みの記者仲間、情報屋に夜分にも関わらず片っ端から電話をかけ、正雄探しの手伝いを依頼する。皆、情報収集、調査探索のプロだ。中でも、淀野のかつての後輩で、現在は正雄の勤める出版社で所属するチームの編集長、つまり直属の上司である男、渡邊が、淀さんの頼みだし、部下のことも気がかり、とあれこれ采配を振ってくれることに。彼の一存により、淀野はひとまず事務所にて待機となった(正雄が戻るかもしれないし、捜索チームからの連絡待ちのため)。すると、さすがは玄人集団、30分もしないうちに、正雄発見の報が入る。聞けば少し離れた駅近くの繁華街の一角にあるバーで飲んでいる、しかも何者か、同伴する男がいると言う。彼の友人では?と聞くと、年の頃は淀野より少し下のように見えるがとても友人というような年格好ではないらしい。嫌な予感に全身を震えが走る。淀野は取るもの取り敢えず事務所を飛び出すと、タクシーを掴まえ件の場所へ向かった。到着した店の前には既に仲間達が集まっており、渡邊がそっと扉を開けて指し示した先には確かに正雄の姿がある。客の疎らな店内、薄暗い照明の中カウンターの一番奥の席には飲みかけのグラスが二つ。正雄の隣には見たことの無い男が座っており、したたかに酔った様子の正雄がその肩にしなだれかかるのをいいことに、不埒にも彼の腰に手を回して擦っているではないか。淀野は、カッと頭に血がのぼるのをどうにか収め、つかつかと男のもとへ近寄ると声をかけた。「失礼、この子が世話をかけたようですね?」「はて?あなたは?彼の親御さんですか?」男の存外丁寧な応答を意外に感じたが、それもおそらく上っ面。身なりは悪くないが、時計や装飾品などは華美で悪趣味極まりなく、整髪料で撫で付けた頭がてかてかとしていかにも胡散臭い。しかし、淀
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