Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    ほここのすけべ

    @hococonosukebe

    すけべと特殊性癖とすけべになる予定のらくがき置き場
    清書したもの👉 https://www.pixiv.net/users/98233511

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 13

    ほここのすけべ

    ☆quiet follow

    aknk夢 🌹×主 R-18 導入部

     その日、私と2階の執事たちは、屋敷から暫く離れたとある街に来ていた。
     馬車に揺られること数時間、幸いにも人的被害は出ていないようだった。執事たちの力を解放し、散開する3人の背中を見送る。今回の天使はそう強くはないが、如何せん数が多い。その為天使の出現地点と市街地の境に防衛線を展開し、天使の群れを囲みながら撃破していく作戦をとった。左端からボスキ、アモン、フェネス、ハウレス。私も担当執事であるアモンと共に、市街地の外れから少しずつ進む。執事たちそれぞれの能力や特性を活かし、尚且つ戦闘に参加できない私の負担も少ない、この作戦を考案したハウレスは、流石としか言いようがない。
     数分も走らない内に最初の標的が現れた。
    「主様! 危ないんで離れててくださいっす!」
     アモンの緊張した鋭い声に、数歩さがって見守る。
     薔薇の鞭が空を切るたび、その軌跡に花弁がこぼれる。その赤色が無機質な天使には似つかわしくなくて、皮肉じみていておかしくて、声を抑えて笑ってしまう。
    「ふふっ」
    「どうしたんすか、主様? 俺に見惚れちゃったっすか?」
     聞こえないよう声を潜めて笑ったつもりだったのに、いくつものピアスに飾られたアモンの耳はそれを拾い上げていたらしい。そんなところ、と誤魔化した。
     アモンの武器は、本来拷問具だ。人間を生きたまま痛めつけるために設計されている。それで天使を破壊するには、天使の急所を的確に打つ必要がある。相当な技術と知識が要るはずだ。
     またひとつ、薄い陶磁器を割ったような激しく甲高い音を立てて、天使の身体が破壊される。無機的に整ったその造形をなんの感慨もなしに叩き割る赤い薔薇の鞭を、延長線上の傷だらけの手を、しなやかな腕を、腕の動きに伴って蠢く首筋を、鞭を飾る薔薇と同じ色の瞳を、美しいと思った。

     アモンを担当執事にした切っ掛けは、私が初めて街へ出掛けたとき、私たちはリンチに遭い、彼が私を庇って意識を失うまで痛めつけられてしまったこと。同情したつもりはない。ただ、挽回の機会があって然るべきだと思ったのだ。
     指名したばかりの頃は、アモンのことをそれほど良く思っていなかった。軽薄そうだし、気障だし、舎弟みたいな敬語でしか話せないし、私より字がかわいいし、いつも舌をしまい忘れてるし。なんとなく腹が立つ、とさえ感じていたはずだ。そんなアモンを好きになってしまうなんて、当時の私には想像もできなかったことだろう。我ながらなんとも間抜けな惚れ方をしてしまったと思う。けれども、どうしたって彼のことが頭から離れないのだ。アモンに軽めの口調で話されると気分が楽になってしまう。アモンが花を世話するとき、どれほど手間をかけているか知るほどに、その花を毎日贈られる意味を考えてしまう。アモンの優しさと、それに対する強い忌避感のわけを悟ってしまった。
     いつの間にか、この広い屋敷のどの部屋より、いや、元の世界よりも、アモンの傍が一番落ち着くようになってしまった。泣きたくなるほど好きになっていた。
     これはいわゆる「恋心」だ。主と執事の関係に、一番似つかわしくないものだ。あってはならないものだ。けれども、どうしてそれから逃れられよう? どうして君は私と2人きりで居るとき、私にキスもしないでいられるのだろう。
     耐えられない。おかしくなりそう。こんな気持ちのまま一緒にいることなんて、できやしない。

     そうだ2人きりで邪魔の入らない機会を見計らってそういう意味で襲ってやろう。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💴👏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works