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結局不快感の方が増している。
部屋に備え付けられたユニットバスは狭く、酷く蒸し暑くて、清めたはずの身体からは再び汗が吹き出していた。雑務など後回しにして、やはり皆と一緒に大浴場へ行けば良かったと小さく後悔の溜息を吐く。
一刻も早くこの湿度から逃れたい一心でシャツも着ずに下着一枚で風呂場を出るが、クーラーのよく効いた部屋に降り立ってすぐ、オレの足は仁王立ちのままで止まった。
オレのベッドで藤真が寝ている。
正しくは、寝そべっていた。
「…オイ、何をしている」
少しの動揺を隠しながらその形の良い尻に話しかけると、藤真はちらりと目線だけで此方を振り返り、それから綺麗な顔を無愛想に歪める。服くらい着ろよと言いたいのだろう。だが文句なら現状を改めてから言って欲しいものだ。
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