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    Tr32_kG

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    Tr32_kG

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    今年のエイプリルフールもすごかった❣️
    カド先輩のぴっちりスーツは滾るね
    ぐだ♀ちゃんも着ているってのは完全捏造💦
    しっぽは性感帯とか皆が言うから(責任転嫁)

    #カドぐだ

    四月馬鹿とはよく言ったものVR、バーチャル・リアリティーという仮想的な空間を使った戦闘シミュレーションに付き合っていた最中の出来事…バグによってある種の懐かしさすら覚える面々とのあまり感動的ではない再会を果たしただけに留まらず、そこから繰り広げられた奇妙かつとんでもない展開に僕は悩まされることになる。

    「さぁ、カドック!君も立派なクリプターの一員として、これに着替えるんだ!」
    「何なんだよ、この服は…」

    Aチームに所属していた頃のリーダー格で、何においても上位に君臨するから苦手意識すら持っていたヴォーダイム…そんな奴が目の前で虫歯菌のようなトンチキすぎる服を身に纏っており、あまつさえ僕にもそれを強要してくる状況にぜんぜん追いつけていない。

    「迷うことなど何もありません、我々と共に進めばいいのです」
    「要するに難しいことは後回しでいいから、一緒にやりましょうってことね!」
    「やるって…一体何のことだ?」

    真面目な顔していちいち謎の決めポーズを取るオフェリアと、笑顔を絶やさないがどこか不気味ですらあるペペロンチーノからもそう勧められて…後者はまだわかるが、前者はそんなキャラだったかと自分の記憶を疑い始めている。

    「へっへっへっ、カルデアをぶっ潰すことに決まっているだろう?」
    「憎きカルデア…今に見ていなさいよ!」
    「訳がわからないぞ、というか…何でもない、忘れよう」

    元から狂気じみていると薄々思っていたがさらにネジが外れたようなベリルに、どこからどう見てもカルデア側にいるはずの虞美人…ひとまず芥ということにしておくが、コイツもまたいつも以上に不機嫌だ。

    「そういうわけだ…カドック、しばらくオレ達に付き合ってもらえるか?」
    「…わかったよ、どうせ逃げられそうもないし」

    僕の認識では一番理解不能だったはずのデイビットがまともに見えるのも不思議な話というか…なぜおまえだけは微妙に猫っぽい姿なんだと思わなくもないけれど、仕方なく渡されたものに着替えてみることにする。

    「これ、何かに似ている気が…あぁ、カルデアの戦闘服か」

    角みたいなヘッドセットや尻尾らしき付属物はともかくとして、カルデアのデータが流用されているのだろうか…そういえばあれも女性用だけデザインが、と一瞬よからぬビジョンが脳内に浮かんでしまったことで肝心なことを思い出した。

    「えっと…藤丸、カルデアのマスターはここにいないのか?」

    メインの戦闘を担うわけだから当然一緒にシミュレーションへ参加していたはずなのに、今のところどこにも姿が見えない…アイツのことだからすぐ順応しているだろうとは思ったものの、僕はそう尋ねてみる。

    「自分の部屋で過ごしている、と思うよ?」
    「彼女も、アナタと同じくらいのタイミングで起きましたから」
    「ここまで苦労してきたみたいだけれど…立香ちゃんも、元気そうで何よりね」
    「簡単に死なれちゃ困るぜ、オレ達の後輩なんだからさ!」
    「放っておいてもどうせケロッとした顔で帰ってくるのよ、アイツって」
    「まだ時間はあるが、呼んできてくれないか」

    その質問に対して各々から答えが返ってきて、部屋にいるというなら僕も話はしておきたいとこの場を立ち去った…理由としてはもう一つ、これ以上は胃痛不可避な状況を一人で抱えきれないので巻き込ませてもらおうという魂胆だ。


    「確か…こっちだったよな、アイツが使っていた部屋って…」

    見る限りだと一応カルデアというかシャドウ・ボーダーを模した空間であることには変わりないようで、マイルームと思わしきところへ訪れると…僕の顔を見るなりパァッと表情を明るくした、よくよく見知った存在と目が合う。

    「カドック!よかった、はぐれたと思って心配したんだから!」
    「すまない、僕も何が何やらで…」
    「だよね、わたしも気づいたらここに…みんなとは、先に顔を合わせたけれど」

    会えなくて不安だったと話す立香に、本心から言っているのはわかるがむず痒くなってくる…あとは僕のこの何とも言えない格好について言及されたが、それはツッコまないでもらいたいから話を逸らした。

    「おまえも渡されたんじゃないか、この虫歯菌みたいなやつ…不公平だ、すぐ着ろ」
    「う、うん…じゃあ、一旦外に出てもらえる?」

    終わったら自分から声をかけると言われてそれに従い、部屋の前でしばし待つことにした僕…冷静になると何をやっているのだろうと思わなくもないが、正解も不正解もわからない以上はできることをするしかない。

    「もういいよ、入ってきて」
    「あぁ、準備もできたならアイツらのいる作戦室とやらに…」

    声が聞こえて再び足を踏み入れた部屋の中、確かに同じような服を着た立香がいたけれど…戦闘服と似ているという点をうっかり失念していたため、衝撃が倍になって返ってきた。

    (…僕はバカなのか?何を考えているんだよ、こんな時に)

    僕とはまた違う形の角だったり、なぜかは知らないけれどフリフリと揺れる尻尾だったりはまだいいとする…身体のラインがモロに出やすい格好だから、顔に似合わずと言ったら失礼だけれどそれなりに豊かな胸元がさらに強調されて目のやり場に困ってしまう。

    「案外、しっくりくるかも?先っぽも、ハートみたいで何か可愛いし」
    「そ、そうか…ほら、行くぞ」
    「ねぇねぇ、カドックのもよく見たい!あっ、やっぱり動いた!」

    普段から距離感がおかしい立香、今も好奇心から近寄ってくるだけならまだどうにかできたのに…僕の背後を覗き込もうと前かがみになるし、チラッと横目で谷間が見えた時に思わず生唾を飲み込んだ自分が嫌になった。

    「あははっ、何か面白いね!」
    「面白がるんじゃない、やめろって…何だ?」

    なおも離れようとしない中で尻尾に手が触れたその時、僕自身のわずかな異変を感じ取る…背筋がゾワッとしたような気もするけれど、たぶん勘違いだと思いたい。

    「遊んでいる暇は…おい、立香!」
    「もう、いちいち怒らないでよね…わかった、カルシウムが足りていないんだ!」
    「だから…そうじゃないっての、ふざけるのも大概に…はぁ、ッ」

    指でつついてきたり撫でてみたりと、やりたい放題なことにだんだん苛立ちを募らせる一方で…やっぱり何かがおかしい、どうしてこんなに身体が疼いて息も上がるのかと頭が混乱し始めた。

    「しょうがないな…フェアじゃないもんね、君もどうぞ?」
    「あのな、勝手なことを…いや、待て」

    原理はわからないけれど、これも魔術礼装の一つと考えれば常識は通用しないはず…もしや僕だけでなく立香もそうなんじゃないか、だったら確かめてやろうという気持ちもなくもない。

    「…文句、言わないでくれよ?」
    「はい?ただの飾りなんだから、そんなことするわけ…ふぁっ?」

    ご丁寧に背中を向けてくれたおかげで全体像が見やすくなり、一拍おいてからまずは先端に触れると…余裕を見せていた態度が一変、気の抜けた声を上げながらビクンと身体を震わせる。

    「立香?どうしたんだよ、ただの飾り…じゃなかったのか?」
    「えっ、あれ…カドック、何かした?」
    「別に…おまえと同じことをしているだけだぞ、僕も」
    「へ、へぇ?気のせい、なのかな…」

    首を傾げて何とか思考を巡らせているみたいだけれど、上手いこと答えを見出だせてはいないようだ…僕もちゃんとした確証を得たいから、もう少し踏み込んでみるとしようか。

    「これ、どうやって動かすんだろう…んっ」
    「さぁな、用意したのはアイツらだし」
    「そ、そうだよね!きっと、すごい技術を使っていて…あっ、ぇ?」

    手のひらで優しく包んでみたり、はたまたスーッと下まで指を滑らせてみたり…あいにく僕からはよく見えていないけれど、抑えられずに小さく声を漏らした立香がどんな表情をしているかは何となくわかってしまう。

    「みんなも待っているから、そろそろ行かないとじゃない?」
    「焦ることはないさ、少し休んでいこう」
    「さ、さっきと言っていることが…うにゃ!?いきなりやめてよ…な、何?」

    やや強引に腕を引いて振り返らせると、その予想は見事に当たることに…平静を装っているつもりかもしれないが、頬をほんのり紅潮させて瞳も潤ませておきながら何を言っているのだ。

    「そんな顔で人前に出るのは、やめた方が…おまえのために言っているんだぞ?」
    「だ、だって…カドックに触られてから、変になっちゃったんだもん!」
    「僕も、立香のせいで…お互い様、だな?」
    「はぅ…先に知っていたら、こんなことにはならなかったのに…」

    おそらく何かしらの方法で身体とリンクするようになっており、それだけじゃなくて大変厄介なことに“性的な興奮を得られるスポット”として成り立ってしまっているようで…なぜそんな仕掛けが組み込まれているかについては、今考えるだけムダであろう。

    「さてと…続き、したくないか?」
    「へっ!?ダメだよ…んっ!もし見つかったら、怒られちゃう…バカ、ぁ!」

    言葉とは裏腹に尻尾を器用にクルクルと巻きつけてきて、まるでそういう類の【悪魔】のようなふるまい…受け入れてしまえばいとも簡単に崩れ去る僕の理性も、無自覚に煽り散らかす立香へ向けられる情欲にすり替わっていった。


    「こんな格好していたら怪しまれるじゃん!エッチ、スケベ!」
    「…すまん、どうとでも言ってくれ」

    ようやく作戦室へと足を運ぶ道中、ぎこちない動きを見かねて身体を抱き上げてやったらこれである…とはいえ半分以上僕が原因なので、甘んじて罵られておこう。

    「藤丸を連れてきたぞ、遅くなってしまって悪かったな」
    「あの、お待たせしました…」

    ドアが開くと一斉に視線が向けられ、何とも言えない気分にさせられた…ニコニコというかニヤニヤする者もいれば、冷ややかな表情を浮かべる者まで様々だからそれも仕方ないか。

    「おや、君達は本当に仲良しなんだね」
    「え、えぇ…ですが、公私混同はさすがにいかがなものかと…」
    「いいじゃない、この子達は“今を生きている”んですもの!」
    「ケッ!お熱いことだな、まったく!」
    「コイツら、割と年中乳繰り合っているわよ?当てつけかしら…」
    「カドック、藤丸…おめでとう」

    最後のは何に対しての言葉なのかはよくわからないが、否定的な意見もそんなに出なかったのでいいとする…けれど立香の方はむしろ居たたまれなくなったのか、羽織らせていた僕の上着でキュッと顔を隠してしまう。

    「もうやだ、これならいっそ怒られた方がマシなんだけれど…」
    「そいつは戻ってから、だな」

    ちなみにここへ来る直前、復活した通信で一部始終を目撃されていたという事実も判明しており…無様に足掻いたところで、説教フルコースは免れない。

    『記録は消してあげるから、安心したまえ!』
    『カドックさん、帰ってきたら大切なお話があります…先輩も、よろしいですね?』
    「お、おう…承知した」
    「何で、わたしまで…理不尽すぎる」

    この異常事態を解消するまではお咎めなしというわけだが、果たしてどうなることやら…とにかく先へ進むしかないようだから、自分達がやれることをやろう。

    「こうなったら自棄っぱちだよ!汎人類史だろうと何だろうと、かかってきて!」
    「落ち着け!あと、その格好で暴れるな!」

    とはいえ道中でサーヴァントの大群と出くわす羽目となるし、カルデアから送られてきた色んな意味で恐ろしいほど無防備な礼装に立香は乱心するしの大騒ぎ…せめてこれが夢や幻だったらよかったのにと、僕は現実逃避したくなってきた。
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    麦茶丸

    PROGRESSタイトルがまだ決まらないので仮案でウブ立香でいきます。ポイピクには一章ずつ上げれたらなって思ってます。好意関係は最初はこんな感じです↓
    カド(→→→)→(←?)ぐだ
    恋一歩手前の立香が恋仲になってから恋をしていることに気づいて、両想いって感じです。でも異性としてみるカドに、馬鹿みたいにウブな立香。あと立香の恋愛経験が浅い設定なので、若干女々しくしています。
    恋人宣言 立香視点カルデアでは月に1度、サーヴァントの霊基メンテナンスが行われる日がある。マシュもその日は定期メンテナンスが組まれており、マスターである立香には月に1度の平穏な休みが明け渡されていた。

    ゆっくりと羽を伸ばすといい。そのお達しに立香はいつも困ってしまう。
     
     誰も来ない静かな自室で、一人で過ごすのはあまりにも寂しいのだ。しかし厚意を無碍にもできず、困った末に同じく休みであるカドックを頼ることにした。

    月に一度の貴重な休み。その休みの日に毎回訪れるのは気が引けたが、回数を重ねていけば当たり前になってしまった。カドックもそれに慣れたようで、立香の端末に連絡が入る。

    『コーヒー豆がないから、もし食堂寄るならついでにもらってくれないか』
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