1日1K暁③21
雨上がりの渋谷を照らすネオンが水たまりに反射して極彩色に光る。最後の霊を送り、電話ボックスから出て夜空を見上げた。静かだ。霊の話し声が聞こえず、ヒトはもう自分だけなのだと思い知らされる。
「行くぞ、今日をこの世の終わりなんかにはさせねえ」
力強いその声に背を押され、僕は走り出した。
『終末の、過ごし方。』
(終末の終わりに)
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ゆっくりと息を吸い込むと、チリ、と微かな音と共に赤い灯りが二つに別れる。
「様になってきたな」
煙を燻らせKKが目を細めて笑った。肺を満たす煙を細く吐き出す。体の中からKKの香りに包まれるような、満たされるような、犯されているような、そんな気分になり唇を舐めた。
「KKがそうしたんだよ」
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