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    hisui0331

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    書き途中
    ここからどうにかしてすけべにもっていきたいけどこの🦚理性強そうで頭抱えてる

    #アベ穹

    煮詰めて絡めて飲み込んで「あ〜!あべんちゅりんだぁ!」

    一仕事を終え、酒でも飲もうかとバーにやって来ると、何やら自分の名を呼ぶ声が聞こえた。
    声の飛んできた方向に目を向ければ、何故か話題に事欠かないかの星核を宿した開拓者がへべれけになりながらこちらに手を振っている。
    何故こんなところに居るのだろうか。彼は自分で未成年だと言っていたはずなのだけれど。
    そんなことを考えながら歩いていくと、最近ピノコニーの大英雄となった開拓者ーーー穹がにこにこと笑みを向けてくる。
    アベンチュリンは勝手に穹の前に座り、サングラスを外した。

    「やぁ、マイフレンド。随分と出来上がっているようだね。もしかして酒を飲んだのかい?」
    「えぇ?おれ、モクテルしかのんでない」
    「じゃあなんでこんなに酔ってるのかな」

    モクテルならば酔うはずがない、と不思議に思いつつテーブルの上に視線を落とす。モクテルが3分の1程度入ったグラスと、輪切りしたオレンジにチョコレートをかけたデザートであるオランジェットが盛られている皿が目に入り、なるほどと頷く。アベンチュリンの優秀な頭脳は、簡単に答えを導き出した。

    「あぁ…このチョコレート、洋酒入りだね」
    「よーしゅ?」
    「でも度数はかなり低いはずなんだけど……君ってアルコールにすごく弱いみたいだね」
    「おれはよわくないぞ!しゅーまつじゅーだってわんぱんだ!」
    「いやそっちじゃなくて。って、酔っ払いに何言っても無駄かな。それにしても、穹くんにこんな弱点があるなんてね。」

    アベンチュリンは眉を下げて笑い、穹の赤らんだ頬を手袋越しに撫でた。子供はきょとんとアベンチュリンを見つめるばかりで、止める気配がない。それをいいことに、アベンチュリンの不埒な手はゆっくりと移動し耳を掠めた。その瞬間、穹の身体がぴくりと跳ねる。

    「……?あ、ぅ……」
    「ふふ、耳が弱いのかな?可愛いね」
    「よわくない。あべんちゅりんきらい」

    ぺし、とアベンチュリンの手を払い除けた穹の顔は不満そうだ。
    「ごめんね、拗ねないでくれよ。ほら、好きなの頼んで良いからさ。勿論僕の奢りだよ。」
    「やった!やっぱりあべんちゅりんすき!」
    「はは、ありがとう」

    穹は残っていたモクテルを飲み干すと、鼻歌を歌いながらメニュー表を見始める。アベンチュリンはその様子を見つめながら、にこりと柔らかく微笑んだ。


    頼んだ酒を手に穹と談笑していると、ふとアベンチュリンの端末が震えた。穹に一言謝ってスマホを見れば、直属の部下からのメールが届いていた。何やら至急電話で確認したいことがあるらしい。
    アベンチュリンは一瞬不機嫌そうに顔を顰めるものの、瞬きのうちにそれを微笑みに変える。オレンジジュースをちびちびと飲んでいる穹を見やりながら眉を下げた。

    「ごめんマイフレンド、少し席を外すね。直ぐに戻ってくるから」

    少年がこくりと頷いたのを確認して、アベンチュリンは端末を片手に席を立った。






    言葉通りにものの数分で戻ってきたアベンチュリンは、目に飛び込んできた光景に目を瞬かせた。

    「穹くん?ここで寝ないでくれよ」
    「んん……」

    ここを離れたのはたった数分だというのに、そのうちに眠くなってしまったようで、穹は机に突っ伏していた。先程まで飲んでいたオレンジジュースは無くなり、溶けて一回り小さくなった氷だけが結露に濡れたグラスの中に収まっている。
    アベンチュリンは店員を呼びさっさと会計を済ませると、ほぼ意識の飛んでいる穹を起こした。

    「穹くん、ほら、部屋まで送るから起きてくれないかな」
    「んんぅ、たんこ……だっこして」
    「……僕は護衛くんじゃないんだけどな。まぁいいよ、じゃあ腕を僕の首に回してくれるかい」

    そう言うと素直に従ってくれる穹の背中と膝裏に腕を回し、その体躯をふわりと抱き上げる。思っていたよりも軽いそれに少しだけ驚きつつ、穹の泊まっている部屋を目指して歩いて行った。







    □□□□□



    「ほら、着いたよ穹くん。開けてくれるかい?」

    アベンチュリンが夢うつつな穹に話しかけると、穹は身じろいで、拙い手つきながらも上着のポケットをごそごそと探り始めた。少しして目当てのものであるカードキーを引っ張り出すと、それを扉の認証部分にタッチする。
    ピピ、と解錠音が響いたのを確認したアベンチュリンは、器用にも穹を抱き上げたまま扉を開けると真っ直ぐにソファへと直行した。

    質の良いそれに穹をそっと下ろして、部屋に備え付けられている冷蔵庫へと向かう。そして水の入ったペットボトルを持ってくると、キャップを開けてから穹へと手渡した。

    「穹くん、取り敢えずお水だけ飲もうか」

    そう言うと、穹はペットボトルを受け取り、こくりと水を飲み込む。冷たいものを飲んで目が覚めたのか、美しい黄金色の瞳が薄らと開く。

    「おや、起きたかい?まだ眠いなら、ベッドで寝ることをおすすめするけど……」
    「…んーん、おふろはいる」
    「え?あぁ待って待って、ここで脱がないでくれ!ほら、バスルームはこっちだよ」

    突然上着を脱いで床にポイ捨てし、シャツにまで手をかけ始めた穹を慌てて止め、穹の手を取って脱衣所へと導いてやる。

    「……それにしても急だね。眠くないのかい?」
    「ちょっとねむいけど、おふろはまいにちはいらないとだめだって……たんこうにいわれてる……」

    その言葉にアベンチュリンはぴくりと反応したが、穹が気付くことはなかった。

    「……さっきから護衛くんの名前が出てくるけど、君たちは本当に仲が良いんだね。」
    「ん……たんこうはしんゆうだからな」
    「……妬けちゃうなぁ」

    ぼそりと呟いた声は穹には聞こえなかったらしく、アベンチュリンがまだ居るのにも関わらず脱衣を再開する。がばりとインナーごとシャツを脱いだことで露になる、男にしては淡い色の突起とくびれた腰を目にしてしまったアベンチュリンは内心慌ててその場を離れた。

    聞こえてくるシャワーの水音を背後に、ソファに戻ってきた男はどかりと腰を下ろしてため息をつく。

    「……はぁ、無防備すぎる。」

    先程の光景を悶々と思い出しては、それを掻き消すようにゆるく首を振り、心なしか少し熱くなった体温を逃がすように上着を脱いだ。
    素面ではやっていられないと、冷蔵庫の中にあった度数が高めな酒を取り出し、グラスへと注いで勢いよく飲み込む。香りや味を気にもしないで口に含むのは、アベンチュリンにとって珍しいことだった。

    このまま帰ろうかとも思ったが、穹は酒を飲んだことで多少酔っている身である。放っておくのは心配だ。取り敢えずは風呂から出て来るまではここに居ようと決めたアベンチュリンは、暇潰しに市場でもチェックしようとタブレット端末を取り出した。








    バスルームから物音が聞こえないことに気付き、おもむろにタブレット端末から顔を上げる。

    「……遅くないかい?」

    ちらりと腕時計を確認すれば、穹がバスルームに入ってからゆうに一時間は経過している。
    もしや、風呂に入ったまま寝ているのではなかろうか。そんな考えが頭を過り、アベンチュリンはソファから立ち上がった。
    脱衣所へ続く扉をノックするが、反応は無い。仕方なく扉を開けて脱衣所へ入る。耳を澄ましても、ぴちゃり、ぴちゃん、と水が滴る音しか聞こえない。寝ている可能性が高くなったことに不安を感じながら、バスルームへと続く扉越しに声をかける。

    「穹くん、大丈夫かい?」

    返事は帰ってこない。アベンチュリンは意を決して、扉を開けた。

    「入るよ?…って、やっぱり寝てたんだ。危なっかしい子だなぁもう……」

    そっと覗き込んだ先には、浴槽の縁の上に置いた腕を枕にして眠る穹の姿があった。予想通りのそれにいっそ清々しさすら感じてしまいそうだ。

    「穹くん、穹くんってば、起きてくれ」
    「んんぅ……んー」
    「ほら、眠いんだろう?もう上がろうか」

    くしくしと目を擦る手をやんわりと止めていると、頬を赤く染めた穹は、ぼんやりもしながらアベンチュリンに向かって両腕を突き出した。

    「ん。」
    「うん?」
    「ん!」

    どうやら上がらせてほしいらしい。アベンチュリンは出来るだけ身体に視線を向けないよう気を付けつつ、仕方なく脇の下に手を差し込んでひょい、と浴槽から引っ張り上げた。
    そして素早く身体にバスタオルを巻き付けたところで、いつの間にか無意識に止めていた息を吐き出す。
    これから服を着るであろう穹のために、さっさとこの場から離れようとバスルームと脱衣所を繋ぐ扉に手をかけた。

    「僕は出ていくから、君は早く着替えて……って穹くん!何処に行くんだい!?」

    アベンチュリンによって開けられた扉から、何かが弾丸のように勢い良く飛び出して行った。言わずもがな、現在の装備がタオル一枚の穹である。
    先程まで大人しくされるがままだった彼の突然の行動に、金髪の男はぽかんと間抜けな面を数秒晒し、そのうちはっと我に返ると慌てて穹の後を追いかけた。
    カーペットにできた染みに沿って行けば、アベンチュリンの探し人はものの数秒で見つかった。この格好のまま部屋の外に出ていかなくて良かったと思ったのも束の間、ほっとした表情をしていたアベンチュリンの表情が一変する。
    ーー穹の手中に、中身の入っているグラスがあったからだ。

    「のどかわいた」
    「っ!?待って穹くん……!!」

    焦るアベンチュリンの疾走も虚しく、穹はそれをぐい、と一気に呷った。その中身がそこそこに度数の高い酒だと気付かずに。
    アベンチュリンは即座にグラスを取り上げたが、中身を気に入ったのか穹はいやいやと首を振る。

    「やー!まだのむー!」

    取り上げたグラスに手を伸ばしてくる穹をやんわりと牽制し、取られる前にとグラスの中身を全部飲み干せば、それを見ていた穹は非難めいた声を上げた。

    「あーー!!!」
    「ふふ、これで中身はもう無いよ。ほら、お水はこっちに、っんぶ、……?」

    水を飲ませようと、穹が風呂に入る前にも飲ませたペットボトルを渡そうとしたが、それよりも前に穹の両手がアベンチュリンの両頬へと添えられた。
    そして、驚くのもままならないうちに視界いっぱいに穹の顔が写り込む。

    「……?」

    あまりにも突然のそれに、何が起こっているのか理解が出来ず、アベンチュリンは鳩が豆鉄砲を食らったかのような顔をした。
    穹はそんなアベンチュリンの様子に気付くこともなく、相変わらず赤い顔でぺろり、とアベンチュリンの薄い唇を舐めた。
    それにはっとしたアベンチュリンが穹の両肩を掴み引き離すと、穹は不満気に頬を膨らませる。

    「っ、な、にをするんだい……!?」
    「おまえ、くちのなかにじゅーすかくしただろ」
    「いや…だからジュースじゃなくてお酒…んむ、ぅ……っ」

    再びべろり、と唇を舐められ、アベンチュリンは二の句を継げなくなった。
    穹はそんなアベンチュリンの様子など気にする様子もなく、ようやく違和感を覚えた味にこてんと首を傾げる。

    「……?なんかへんなあじがする……?」
    「……っ、穹、くん……」

    まるで好奇心旺盛な仔猫のようにぺろぺろと舐めてくる穹に、アベンチュリンの中で何かが決壊しそうになる。しかし頭の片隅に残っている理性がそれを押し留めた。
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