渇愛⚔️に片想いしていた💫くん。ある日⚔️の発作が起こった時に項を噛まれてしまい番になってしまう。⚔️は発作の時の記憶がほぼ無いけれど💫と番ってしまったのは本能で分かる。
⚔️が望んで項を噛んだんじゃないって分かってるけどそれでも好きな人と番になれて嬉しい💫。浮かれてたのも最初だけで、発情期になる時は連絡さえすれば来てくれるけどそれ以外は⚔️からアクション起こすことがない。発情期以外は会うことも無く、唯一無二の番なのに愛も感じられなくてだんだん苦しくなっていく。そのうち耐えられなくなって「番を解消して」って番解消すると自分がどうなるかわかっている上で⚔️にお願いするけど「……駄目だ」って聞いてもらえない。
次の発情期は外にいる時に突然きて、どうにか誰も来ないであろう路地裏まで身体を動かした後力尽きて倒れちゃう。⚔️に連絡しようとするけど、文字を打ってる途中で意識を失ってしまう。次に目覚めたら⚔️のベッドに寝かされてた💫。⚔️の匂いに頭がくらくらするけど、どうにか耐えて⚔️が居ない今の内に帰ろうとする。今会うのは苦しいから。けどその前に⚔️に見つかってベッドへと連れ戻される。
「抑制剤を飲ませたとはいえ、そんな身体でどこに行く気だ」
「列車に……帰る……」
「その身体でか?発情期だろう、ここに居ろ」
⚔️のその言葉がやけに冷たく感じた。悲しくてじわじわと涙が出てくる。こんなに冷たい関係なのは、やはり耐えられない。突然泣き出したことに驚いている⚔️の顔がぼやけて見える。
「……⚔️ちゃん。番、解消して」
そう言った瞬間、⚔️は💫の肩を力強く掴んでベッドへと押し付けた。⚔️の黒い髪がはらりと落ちて、💫の顔を囲った。
「……番を解消したら、困るのはお前だぞ」
番を解消してしまったら、Ωはもう二度と誰かと番うことは出来ない。もちろん💫はそれを理解している。だからこそ、⚔️は💫との番関係を解消しなかったのだろうと思っていた。⚔️にとって、所詮自分は事故に巻き込まれた被害者だ。
「……俺さ、⚔️と番になれたの、嬉しかったんだ」
「……は」
「俺、⚔️が好きなんだ。だから、例え事故でも番になれて嬉しかった。でも、⚔️は俺の事何とも想ってないだろ。俺、もう辛いんだ。耐えられない。こんな独りよがりの番関係、いっそ無くしちゃいたいんだよ。」
「……駄目だ」
「どうして」
⚔️はずっと、事故とはいえ💫の人生を狂わせてしまったと思い、罪悪感に苛まれていた。この子供はあまりにも眩しい太陽のような存在だった。その存在を自分の手中に堕としてしまったのだ。なのに、罪悪感に紛れて自分のものになった💫に満足感を抱いていることに気付いてしまった。己は💫の傍に居るべきではないのだ。共にいれば、傷付けてしまうに違いない。そう考えて、発情期以外は触れるどころか会うことすらなかった。徹底的に避けてきた。それが💫の為になるのだと言い訳をして。けれど、この行動はかえって💫の心に傷を残していたらしい。深い、深い、傷を。目の前で涙を零す💫を見つめながら、濡れた目元を指で拭ってやる。抵抗されないことに安堵してしまった。
「……俺は魔陰の身だ。いつ発作が起こるかわからない。お前を……傷付けたくない。お前を傷付けるくらいならば、共にいるべきではないと思った。」
「俺、たとえ死ぬ事になったとしても、⚔️と一緒にいたいよ。⚔️になら、何をされたって構わない。それくらい好きだ。何をされてもいい。だから、お願い。俺を、捨てないで……」
尚も泣き続けてそう言う💫を、⚔️は思わず抱きしめた。
「俺は、お前に何をするか分からんぞ」
「うん、わかってる」
「それでも、俺と……番になって、くれるか」
「うん」
更に泣いてしまう💫をより強く抱きしめて、もう二度と選択を間違えないと誓う⚔️。2人は晴れて、本当の意味での一対の番となった。
この後💫くんを傷付けてたり泣かせてた事が🕸にバレてとても叱られる⚔️がいたとかいなかったとか。