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    nekononora

    94とFGO。書くのも読むのも雑食でいきます。逆、リバ、R、G、などなど書きたいように書き散らかします。
    設定がわからーん!

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    nekononora

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    パーバソ♀→パー+バソ♂(入れ替わり)→パーバソ女
    お題:君じゃないと嫌、◯◯越し
    時間:1h +2h
    事前作成
    先天的女体化のちの男体化のちの女体化。
    バソ♀の方は終わりで、バソ♂の方は次のワンドロにするか、支部にまとめる時に追加するか悩み中。

    #パーバソ
    #パーバソワンドロライ

    私と貴方と貴方と私⑤ おはようございます、こんにちは、こんばんは。元は女だけれど並行世界の男と精神が入れ替わちゃったバーソロミュー・ロバーツです。
     彼氏である円卓第二席のパーシヴァル・ロバーツに勘違いされてしまい、誤解を解く為に管制室にいた並行世界のパーシヴァル・ロバーツの所に足を運びました。何もなかったと書いてもらう為です。
     泣いてません。
     えぇ、泣いてません。
     そりゃちょっと涙を滲ませていた方が説得力あるかと頑張ってうるうるさせて、まだ手を出してもらえなくて不安でヨヨヨとしたが、そんなものパーシヴァルなら見抜くだろうという前提だ。
     そんな演技しなくとも、まったく仕方ないなぁと折れてくれると考えた上での演技だ。
     そして誤解は解けて元の世界に帰ったら、『正直に話せば、あちらのパーシヴァルと夜をとぐらつきかけたが、やはり君じゃないと嫌だったよ』とかなんとか良い感じに言って、良い雰囲気を作って、じゃあ一発やろうかの流れにもっていくつもりだった。
     嫉妬心を煽りつつ、貴方だけと独占欲を刺激して健気さもアピールできる。これはパーシヴァルも手を出すに違いない。完璧な計画だと自画自賛してたのだが、話を聞いたパーシヴァルが無言で日記を受け取り、一ページ目からパラパラと読んだあたりから雲行きが怪しくなった。
     読み終わるとパーシヴァルはダ・ヴィンチからペンを借り、立ったまま日記に文字を書き始める。

    “そちらに私のバーソロミューがお世話になっているようで、迷惑をかけていないかい? こちらの見立てでは明日の朝には解消されるそうだ”

     すすすとパーシヴァルの横に立って日記を覗き見、明日には帰れる! と喜んでいれば、続く文字におや? と首を傾げた。

    “貴方のバーソロミューはとてもいい子にしているよ。大切にする意味を勘違いして不安にさせている愚かな恋人に浮気を疑われても、私が悪かったんだ誤解を解いてくれと泣いて訴えてくるほどにいい子だ”

     なんか怒ってらっしゃる? なぜ? あ、ひょっとして、泣き真似に騙された? こっちのパーシヴァル、純情だった? まぁ事情はわからないが、私のパーシヴァルがなんとか諌めてくれるだろう。だってこの程度のかわいい挑発。なんたって私のパーシヴァルは、私の我儘ややらかしにも時には甘やかし時には叱り怒らず付き合ってくれるほどには寛容なのだから。
     そう思っているも、返ってきた文にひえっと声が漏れる。

    “まずは私のバーソロミューが世話になったようで礼を言う。しかし“いい子”とは、幼児に使うような言葉を淑女の彼女に対してむけるとは言葉選びが不得意なのだろうか?
    因みにそちらのバーソロミューは“悪い子”だったよ”

     嫌味を言ったのかあのパーシヴァルが。
     え? え? とパーシヴァルと日記を交互に見る。
     因みにどこかでカーンとゴングが鳴ったのが聞こえたような気がした。

    ““いい子”呼びは貴卿に合わせたつもりだったのだが、何か癪に触ったのなら謝罪を。恋人に望まれているというのに肌を重ねず不安にさせると知り、幼児扱いしているのかと思ってね。ちゃんと大人扱いしていたのか。
    どのように悪い子だったのだろうか?”

    “不安にさせたのは私の不徳のいたすところだ。だが望まれたからと温もりだけを与えて不安にさせている愚か者もいるので、慎重になってしまうんだ。
    “私”の違う面を見たかったらしく、色々と。被害は私だけだったので安心して欲しいし、彼は私をかっこいいかっこいいと褒めて喜んでくれたよ”

     嫌味である。
     間違いなく嫌味である。
     嫌味の応酬である。五月蝿いのを『元気でよろしいおすなぁ』とかいうあれである。
     パーシヴァル、こんなやりとりできたんだぁと管制室の隅で震えたい。だがそれよりも続きが気になって隣に立って見てしまう。

    “温もりだけではないし、その温もりすら与えていない者の言葉は重さが違うな。木の葉より軽い。ちゃんと愛を伝えているかい? 私の元に誤解を解いてくれと来た彼女はとても不安そうだったよ。
    私だってかっこいいと言われた事はある”

    “温もりを与えるだけが愛を伝える方法ではないし、話し合い、ちゃんと愛が伝わったら温もりもと考えていた。そちらは温もりが先行して、話し合いが足りなかったようだが?
    ベッドの上を転がりながら何度も言ってくれたよ”

    「あ」
     と声を漏らしたのはバーソロミューだ。
     最後の一文。
     おそらくだが、あちらのバーソロミューはパーシヴァルから塩対応を引き出す事に成功したのだろう。それを堪能して、黄色い声をあげて「かっこいいかっこいい」とベッドの上をゴロンゴロンと転がったのだ。
     私でもそうする。そしておそらくあちらのパーシヴァルは、そのままの意味で書いている。だがこれは、『バーソロミュー? 俺の横で寝てるぜ?』と同じ勘違いが発生しないだろうか?
     バーソロミューがちらりと見上げれば、瞳の奥にとても冷たい光を宿しノートを見下ろすパーシヴァルがいた。
     自分に向けられたものでないのに、思わず背筋に冷たい物が伝うほどだ。
     明日には帰る身だが、私のパーシヴァルの名誉とこちらのバーソロミューの為にフォローを入れるかと口を開きた時、日記に新たな一文が付け加えられる。

    “安心して欲しい。ベッドの上を転がってこちらのパーシヴァルを褒めたのは事実だが、何もなかった。君が今、一ミリでも想像したような行為はないし、私もそこまで無節操ではない。君じゃなきゃ嫌だからね”

     バーソロミューの文字。焦っているのだろう、少し文字が乱れている。
     それに対してパーシヴァルは無表情でペンを動かす。

    “私はかっこいいと褒められたのは三度だけですが?”

     あ、拗ねた。
     そういや私もパーシヴァルに可愛いとは言うもののかっこいいとは褒めた事あまりないないなぁ。しかしパーシヴァル、褒め言葉の回数、覚えてるのかぁ。私のパーシヴァルも覚えてそうだな。
     男のバーソロミュー、帰ったら大変そうだなと思っていれば、日記にあちらのパーシヴァルの言葉が浮かび上がる。

    “私は貴方の泣き顔を一度も見た事がないのですが?”

     え。そうだっけ? だって抱いてくれと迫る時、泣き落としもしたよう……あ、泣いてない。
     と思いだす。
     泣き真似をしたがあくまで真似で涙はこぼれず、しかも演技とすぐにバレた。
     私のパーシヴァルも拗ねたかー、明日の朝、元に戻るまでに言い訳やらご機嫌取りの方法やら考えないとなと思っていれば、ぐにゃりと視界が揺らぐ。
     あれちょっと待ってくれ。まさかとずっと成り行きを見守っていた技術顧問を見やれば、「おや」と言ってキーボードを叩く。
    「うん。入れ替わりが解消されるの早まったみたいだね」
     今!?
     せめてもうちょっと良い感じで、パーシヴァルに大事にされているのが分かって満足、不安はまだ感じるけど、前を向いて歩けるとかそんな感じでしめて欲しかったんだが!? まだ拗ねたパーシヴァルの対応考えてないんだけど!
     などと考えている間に視界が変わる。
     開いた日記とそれをもつパーシヴァルの手。
     どうやら自分は自室におり、パーシヴァルと並んでベッドに腰掛け、日記を見ていたようだ。
     こちらは管制室ではない。だから元に戻った事に気づかれてない可能性もある。元に戻ってないふりをして、対応を考えようか。
     そんな希望を打ち砕くようにパーシヴァルが名を呼んでくる。
    「おかえりバーソロミュー」
    「…………ただいまパーシヴァル」
     冷や汗を隠し、パッと顔を上げ、ニパリと笑ってみせる。
    「一応念のため、勘違いされてたら嫌だから言うけど、泣いてないからね! 演技だからね! 安心したまえ! 私には君だけさ! よぉーし、話は終わったので、紅茶を淹れようじゃないか!」
     一方的に話すと、とにかく横から逃げようと立ちあがる。よぉし、手を取られる事もなく立ち上がる事ができた。
     ゆっくりと紅茶を淹れてとティーセットの元に向かうバーソロミュー。
     パーシヴァルをちらりと盗み見れば、静かにバーソロミューを見ていた。
    「バーソロミュー」
    「な、なんだい?」
    「大事にしたいという思いから貴方を不安にさせたすまない。貴方のせいにして臆病だったのだと思う」
    「……そう言ってまた、はぐらか、」
    「なので期日を決めよう」
    「んん?」
    「明後日の夜にしよう」
    「え? うん? まって?」
    「貴方の望みを叶えたく、エドワード殿に語っていたような、夜景の綺麗なスイートルームや花びらが浮かぶ猫足バスタブはもう手配を、」
    「まって!? 本当に待って!! それ酒の席の悪ノリだからー!」
     言った。確かに語った。最高のシチュエーションというものを。ゲラゲラと笑いながら。アラフォー夢見る処女の初めての夜の妄想を。
     しかし妄想は妄想だからいいのである。デートで薔薇百本とかもってこられても、正直、邪魔としか思わない。貰った時は嬉しいが、コレどうすんだと。ゴミ箱に直行できないからの悩みが発生する。あ、でもパーシヴァルなら薔薇似合ってるからいいかも。ドライフラワーにすれば……いや流されるな。考えるんだ想像しろバーソロミュー・ロバーツ。
     夜景の綺麗なホテルでバラの花びらが散るベッドや猫足バスタブ、キャンドルも語っていたか。全て揃えられたら居た堪れなさすぎて、正直、セックスどころではない。
    「パーシヴァル、落ち着こう」
    「鏡張りや回るベッド、浴槽に続く滑り台はまだだが、」
    「それはなんか違う話題が混じってるね!」
     マスターの故郷のラブなホテルの話題もきかれていたかー。
     バーソロミューは明後日までになんとか軌道修正しなくてはと決意し、もう別世界の私どころではないと日記を閉じたのだった。
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    nekononora

    DONEパーバソ♀→パー+バソ♂(入れ替わり)→パーバソ女
    お題:君じゃないと嫌、◯◯越し
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     えぇ、泣いてません。
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     そんな演技しなくとも、まったく仕方ないなぁと折れてくれると考えた上での演技だ。
     そして誤解は解けて元の世界に帰ったら、『正直に話せば、あちらのパーシヴァルと夜をとぐらつきかけたが、やはり君じゃないと嫌だったよ』とかなんとか良い感じに言って、良い雰囲気を作って、じゃあ一発やろうかの流れにもっていくつもりだった。
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