❏設定❏
・彰人のクラスメイトが家に遊びにきている
・学校帰りのため二人とも制服姿
❏本文❏
〜彰人の部屋〜
モブ「なあ、彰人。正直に言えって。エロ本はどこに隠してあんだよ」
彰人「あ? んなもん、どこにもねえよ……つーか、お前には何を言っても無駄だろうけどな、勝手に人の部屋を荒らすなっての」
モブ「まーまー、そう怒んなよ。お前がエロ本を読んでるとは思えねえけど、男が友達の部屋に来た時にエロ本探しをすんのはお約束みたいなもんだろ。つーわけで、この俺がお前にとって人生初となるエロ本を買ってきといてやったから、盛大に感謝しろよ」
彰人「おい、人の話を……って、は?」
モブ:鞄の中から一冊のエロ本を取り出す
モブ「ロリ系、熟女系、二次元系、アブノーマル系などなど……正直、色んなジャンルがありすぎて、どの本を買うかで随分と悩んじまったけど……」
彰人「……」
彰人:なぜか演説めいた口調に変わったモブの話を聞きながら、真ん中あたりが不自然に膨らんでいるその本へと視線を向ける
モブ「聞いて驚くなよ? この本にはな、なんと手錠の付録がついてるんだぜ!」
彰人「(無視)未成年のくせに、エロ本なんかどうやって買ってきたんだよ……って、そんなことより、オレの部屋でソレを開封すんな!」
モブ「ん? ソレって、手錠のことか?」
モブ:彰人の抗議の声などお構いなしとばかりに二個の手錠が入っている袋を開封すると、そのうちの一個を手に取り、人差し指に手錠の輪っかの部分を引っかけてクルクルと回しながらしたり顔になる
彰人「~~っ! お前な、絶対に持って帰れよ」
モブ「やだよ、彰人にあげたもんだし」
彰人「……」
モブ「……」
彰人:暫くの間無言の睨みあいが続くも、先ほど自分で言っていたとおりモブ相手には何を言っても無駄だと思ったのか、諦めたように溜息を吐く
彰人「はあ……ったく、ほんと強引だよな、お前……」
モブ「はは、知ってる。つーか、強引ついでに、この手錠お前にかけてみてもいい?」
彰人「なんだよ、強引ついでにって……んなもん、ダメに決まって……」
モブ:再び彰人の言葉を無視すると、カチャリッと音を立てながら彰人の手首に手錠をかける
彰人「な……! だ、だから、ダメだって言って……!」
モブ「いいじゃねえか、減るもんじゃねえのに……つーか、さっきからノリが悪いぞ、彰人!」
彰人「いや、ノリって……一体なんのノリだよ……」
モブ「人に手錠をかける経験とか滅多にできるもんじゃねえし、やってみたいんだって。あ、そうだ、もう一個の手錠もかけさせてくれたらエロ本ごと持って帰ってやるから……な、いいだろ?」
彰人「……」
彰人:エロ本も手錠も強引に押し付けられては困ると思っていたため、仕方なくその提案を受け入れることにすると、深い溜息を吐く
彰人「一回だけ、だからな……」
モブ「オッケー、じゃ、ベッドに横になってくれるか?」
彰人「は?」
モブ「は、じゃねえよ、ベッドの端んとこに手錠を繋ぐからに決まってんだろ?」
彰人「いや、なんで、そんなことされなきゃ……」
モブ「断るなら、エロ本も手錠も置いて帰るけど、いいのか?」
彰人「……!」
モブ「誰にも見られないように厳重に隠してゴミに出したところで、家族に見られる可能性はゼロじゃねえぞ~~?」
彰人「――~~っ! クソ……!」
彰人:相棒の冬弥は抜きにして、友達という枠組の中ではモブが一番気心のしれた相手だと思っているものの、心中で「こんなやつ家に呼ぶんじゃなかった」などと悪態をつきながら、大人しくベッドの上に寝転ぶ
モブ「そんな怖い顔で睨むなって、すぐに終わるから」
彰人「……」
モブ:彰人がムスッとした表情を浮かべて黙り込んでしまったため、苦笑いを浮かべながら大の字に寝そべっている彰人の股の間に割り込むと、すでに手錠をかけていたほうの手をベッドの端に繋ぎ、続いて反対側の手にも手錠をかけると、先ほどと同じようにベッドの端に繋ぐ