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    9s0z9

    @9s0z9

    ちょそ推し五悠狂い

    ついったしたごゆの壁打ち置き場にしたくて。

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    9s0z9

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    WhiteDay...はっぴーごゆちゃん!

    #五悠
    fiveYo

    「せんせー! おかえり~」
     まだ小さく見えるピンクの頭を揺らしながら、教え子が手を振って駆け寄って来る。健気で可愛い僕の想い人。そんな想い人から先月、義理という名のチョコレートを貰っていたので、僕のポケットには勿論お返しが入っていた。帰宅したら速攻悠仁の部屋に向かう予定が、まさかの出迎えに心が弾む。
    「ただいま」
    「さっき二年の先輩達と組手してたら、上達したって褒められたんだ」
    「へ~、凄いじゃん。じゃあ今度僕が相手する時は一発くらい入れて貰えるのかな?」
     猪の如く急突進してきた悠仁が目の前で立ち止まると、嬉しそうに話しながら、軽く頭を僕の方に向けた。撫でられ待ちの姿は無意識か、僕の日々の賜物か。可愛い悠仁に合法で触れる事の出来る僕の特権。
     短い髪の間に指を滑らせてわしゃわしゃと撫でてやると、悠仁は嬉しそうに目を細める。
    「へへ。先生に一発入れるのはもうちょっと先かもね」
    「悠仁にしては現実的だね」
    「だって無限ずりぃじゃん。ねね、先生。それより今日何の日か知ってる?」
     軽い上目遣いで見上げて来る悠仁は、そりゃもう可愛くて可愛くて。撫でていた手を軸にくるりと彼の背後へ移動し、じゃれる様にすっぽり悠仁を抱きしめる。
    「もしかして悠仁くんたら、催促しに来たんですか~?」
    「ちがっ。ホワイトデーだからせんせーの日だなって思ったの!」
    「は?」
     え? は? なにそれ? 白だからって事? それで僕の日とか可愛すぎるにも程があるだろ? 思わずフリーズした僕を覗き込むように悠仁が見上げてきた。
    「あれ? せんせ?」
    「ああ、ごめん。僕の日が何だって?」
    「あー、ちょっと俺の事バカにしてるだろ? ホワイトだから先生の日ってだけじゃねーよ? ホワイトデーってそもそも何で白なんだろ? って思って伏黒に聞いたらさ、あれって最初はマシュマロデーだったんだって。先生甘い物好きじゃん? 白いし、マシュマロなら先生じゃん! って事!」
     どや顔しながらえへんと両腕を腰にあてる。何この子。ギルティ。それから腰に置いていた手をポケットへ入れて何やらガサゴソ。摘ままれそっと出て来たのは、青いリボンが添えられた透明の包みだった。
    「じゃじゃーん。マシュマロ作ってみました!」
    「……」
    「あれ? 先生?」
     腕の中でくるりと踵を返した悠仁が僕へと居直り覗き込む。
    「お前、僕にこんな事してタダで済むと思ってんのか?」
    「え? 何で俺怒られてんの?」
     無自覚にも程がある。こんなに僕の事を好きにさせといて。負けじと僕もポケットに手を突っ込んで、お返しを手に丁度包みを持っていない悠仁の左手を掴む。
    「大人の本気舐めるなよ?」
     悠仁の左薬指にはキラリと光る銀の指輪。今度は悠仁がフリーズして、目を丸くして指輪を見つめてから、僕の顔と指輪を交互に見始めた。
    「僕の本気、分かった?」
    「えっ……と、とっても嬉しいです」
    「え?」
    「え?」
    「いや、え? 悠仁? 僕、悠仁の事……」
    「やっぱり! 俺、先月のも本命だったんだかんね? 怪しいと思ったから……今日も一応」
    「言ってよ!!!!」

     僕の叫びが高専中に轟いた夕暮れ――HAPPY
    HAPPY WHITE DAY 



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