ふと思い出した先生のサングラス姿がかっこよくて、自分も眼鏡をしたら少しはかっこよくなれるかな? なんて携帯を見ていたら、ひょいと携帯越しに先生の顔が表れた。
「何真剣な顔して」
「うおっ、先生⁉」
「そんな驚かなくても」
「急に横から出てきたらびっくりするでしょーが」
「呪力探知がまだまだだねゆーじくん。それで?」
ポンと大きな手が俺の頭上に置かれ、先生はそのまま人の頭を支えにして隣に腰掛ける。
「いや俺も眼鏡かけたらかっこよくなれるかなって」
「今のままでも十分可愛いのに」
「だから可愛いじゃなくてかっこよくなりたいの。だいたい可愛いなんて言うの先生だけだからね?」
「だって僕のサングラス姿を見てカッコイイって思ってくれてるゆーじはとっても可愛いでしょ?」
眼鏡をかけてる人と言えば伊地知さんに真希さんだっている。それなのに自信満々に自分の事だと言い張る先生。自意識過剰すぎじゃない? なんて喉元まで出かかったが、間違いでもないからスルーした。
「顔赤いよ?」
「うっさい」
「それじゃあゆーじに似合いそうなの、僕も一緒に選んであげる」
そう言って手元の携帯を一緒に覗く。
最近ではバーチャル試着といって、カメラを起動すると選択した眼鏡をかけた自分の姿を見る事が出来るのだ。かけた時の重さや視界の感じまでは分からないが、似合う似合わないの判断材料になるし、ちょっとしたお遊びにももってこい。
「ゆーじは丸いのもいいね」
「ほんと? 俺は先生みたいに四角いやつの方がなんかびしっと決まっててかっこいい気がするけど」
「ふふ」
「何ニヤニヤして」
ゼロ距離の間を更に詰め、先生が徐に頬へと口づけてきた。わざとらしくリップ音を立てて離れると、今度は大きな掌で両頬を掴まれ、アヒルのように唇が尖る。
唇が重なる。こじ開けられた隙間から舌の侵入を許せば、深く深く弄ばれる。手にしていた携帯はとうにソファの上に落ち、脳内を溶かす舌使いにいつしか自らも先生の首に腕を回すほど。
先生の熱い舌先が柔く喉奥から上顎をなぞって離れる。長いような物足りないような。短い息を吐いて吸って。腕の呪縛を解いた先、余裕の笑みを浮かべる先生を見る。
「やっぱり眼鏡はない方がいいよ。キスするのに邪魔だもん」
「そーゆーことじゃ」
「じゃあおかわりはいらない?」
「……いる。でも」
目隠しを剥ぎ取って、漸く露わになる青い瞳と交えてから再び唇を近づける。
まだ夜には早いけど、スイッチを入れたのは先生だ。いつかカッコイイと言わせてやる。そう頭の隅においやって、今はただ先生との欲に溺れる事にした。
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着地点がなんか思ってたのと違くなったけど、こうやって流されて事後、いや結局俺のメガネ!?みたいに戻るごゆちゃんすこ。なんだろ、お互いの感覚的なやりとり。そんなことより。って言う。(勿論真剣な時はちゃんと茶化さない)
まぁいいけど。で終わるのもよし。
そんな欲しいなら買いに行くよ!って買い物デートしてもよし。
悟に糞高い眼鏡貢がれそうになって慌ててやめるのもいいし、ゆじに合わせてチェーン店でメガネGETして、次の日着けて学校行ったら2人からお前近接戦なんだからそんなん着けてたら邪魔だろ?なんて最もな事言われて、結局しまわれる眼鏡。五に笑われる。
ごゆちゃん可愛いね。