刻む「脱いで」
五条悟と乙骨憂太が二人で暮らす家。
帰宅した憂太を出迎えたのは、不機嫌を隠そうとしない仁王立ちの五条だ。そして、いきなりの第一声に、憂太は眉を寄せて苦笑する。
「あとで、じゃダメですか? 少し疲れたので、休みたいんですけど」
「じゃあベッドに寝れば? 勝手にひっぺがすから」
「……自分で、脱ぎます」
ベッドでなんて、ただ脱がされるだけで終わらないのが目に見えている。肩にかけていた竹刀袋を外して玄関に置くと、廊下を歩いてリビングへと入る。その間も、五条はぴったりと側についてきて決して離れない。
リビングに入ると、今度は腕を掴まれた。そのままソファへと連れていかれ、ソファに座った五条の前に立たされる。
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