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    yuino8na

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    yuino8na

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    獣人パロ五乙の続き。
    獣人五×人間乙。まだ続きます。

    #五乙
    fiveB

    空に誓い4 抱き上げられ、風を切るような速さで帰宅してきた。

     帰宅までの間にも、悟の荒い呼吸をずっと肌に感じていて、それだけ我慢をさせていたことを、今更思い知る。
    「さとるっ、待って」
    「もう十分待ったでしょ」
    「ちがっ、そうじゃ……、んっ!」
     玄関に入るなり、アイマスクを剥ぎ取った悟に押し倒されて唇を塞がれた。舌を差し込まれぐちゃぐちゃに掻き回されるせいで、溢れた唾液が頬や顎を伝う。獣人ゆえか、悟の舌は自分のそれよりも大きくて長い。そんな舌に口腔を貪られ続けているので、息が苦しい。
     一度息を整えさせて欲しい。ただそれだけなのに、悟の肩を押した手が不満だったようで、手首を掴まれ床に押し付けられた。
    「んんっ、ふっ……、は、っ……、っ」
     キスの合間に必死になって息を吸う。床に押し付ける力は強くて、獣人と人との違いを知ると同時に、今までどれだけ優しく扱われていたかを感じて胸が苦しい。
     だからこそ、このままは嫌だと、憂太は首を振ってキスから逃げる。
    「なんで逃げるの」
    「ち、ちがうっ……、これだと、僕が悟を抱きしめられない」
     一方的に受け取るような愛情では嫌なのだ。自分も、悟に返したい。
     そう伝えると、キスをやめた悟は胸元あたりに顔を埋め、「ああ、もう!」と言いながらぐりぐりと頭を擦りつけてきた。手首を解放されたので、そんな悟の頭を包み込むように抱きしめると、僅かに顔を上げた悟から、ぺろりと唇を舐められる。
    「半年ぐらいは待つと思ってた」
    「そんなに待ってくれるつもりだったの?」
    「……僕が憂太に会えるのを待っていた時間に比べたら、大したことないからね」
     胸に顔を埋めたまま、悟がくぐもった声で笑う。
    「ずっと、気になってたんだけど……」
    「なに?」
    「悟は、なんで僕を選んでくれたの?」
     悟の頭を撫でていた手を滑らせ、その首にある黒い首輪に触れた。誇り高い獣人が首輪を着けることを許すのは、パートナーのみ。そして、パートナーは生涯変えることはできない。
     そんな大事な相手に、どうして初対面の自分を選んでくれたのか。
     すると悟は身体を起こし、その空のように透き通った青の瞳で、憂太を見つめる。
    「憂太は感じなかった? 僕と会った時に、血の絆」
    「……血?」
    「そ。僕との血の絆。本能って言った方が憂太には分かりやすいかな。憂太の好きなところ、いくつも言えるけど、そんなものよりも獣人にとっては本能の方がなによりも大事」
     わざわざ理由作ってパートナーを選んだりしないから、と悟は笑う。
    「でも、人間は理由を欲しがるよね。言おうか? 憂太の好きなところ」
     一人が寂しい癖にそれを口に出せないところとか、キスが下手なところとか、悩みながらも必死に愛情を返そうとしてくれるところとか、全部好き。そう耳元で囁かれて、憂太は真っ赤になって首を振る。
    「わ、わかった。もう、いいから」
    「それと、寝てるときに、僕に抱きついて頭ぐりぐりしてくるところ」
    「えっ、そんなことしてるの?!」
    「してるよ。キスさせてくれない癖に、無意識だと甘えてくるんだよね」
    「う、わ……っ」
     まさかそんなことをしているなんて、思いもしなかった。いたたまれなくて悟から顔を背けると、こっちを向けと言わんばかりに頬を舐められた。
    「ちゃんとこっち見て」
    「っ、……」
    「まだ僕は満足してないよ」
    「さとる、っ……んんっ」
     もう一度、唇を塞がれて大きな舌を差し込まれた。ぐちゅり、と濡れた音が頭に響いて、心臓が痛いほど鳴る。
    「さっ……、る……、んはっ、……あ」
    「憂太、舌出して」
    「んぁ……」
     思考が麻痺して、言われるがままに舌を差し出した。互いに伸ばした舌を絡め合い、伝う唾液が頬に流れて落ちる。
    (……動物、みたいだ)
     うっすらと目を開けば、薄暗い玄関であっても鋭く光る悟の瞳に射貫かれる。恥ずかしい、そう思うのに、舌を伸ばして求めるのを止められない。もっと欲しいと、心が騒いで身体が熱い。
    「さとる、背中、痛い……」
    「わかった」
     ふわりと、身体が浮いた。
     大きな腕に抱き上げられて、キスしたまま運ばれたのは寝室。ベッドの上に下ろされると、悟の身体が乗り上げてきてまたキスを繰り返す。
     ベッドの上で抱き合いながら、すでに乱れて皺だらけのスーツを脱いで床に落とす。苦しくて邪魔だったネクタイも、悟が緩めて外してくれた。ワイシャツのボタンも外され、開かれた隙間から悟の手が滑りこんでくる。
    「っ……、!」
    「触るだけだから、触らせて」
     震えた身体を宥めるように、低く囁かれた。服の中に入ってくる大きな手に戦慄くと、熱い舌に口腔を掻き回される。
    「ん、ふっ……ふぁ、あ……」
     悟の熱で口の中がいっぱいになって、苦しい。
     なにかに掴まりたくて悟の背に腕を伸ばすと、服の上からでも感じたふわりとした感触に、憂太は目を見開いた。
    「ああ。驚いた?」
     ほんの僅かな動揺にも、悟は目敏く気付く。笑いながら身体を起こすと、悟は着ていたハイネックを脱ぎ捨てた。
     夕方の、オレンジ色の光が差し込む寝室で、きらきらと光る銀色の毛並み。人と変わらない顔と姿、特徴は耳と尻尾。そう思っていた獣人の悟の腰のあたりから背中にかけてが、銀色のふさふさとした毛並みに覆われていた。前々からそうだったのか。いや、ちがう。今まで何度抱きしめられても、服の下にこんな綺麗な毛並みが隠れているなんて、感じたことはない。
    「興奮したら出るんだよ。怖い?」
     オレンジ色の光の中で、青空のように鋭い瞳に見下ろされる。ピンと尖った耳も、常に自分に触れてくれる大きな尻尾も、そして光を反射して輝く銀色の毛並みも。なに一つ怖くない。ただ目の前にいる、美しい獣に見惚れて、目を細める。
    「……怖くない。怖くないよ。すごく、綺麗だ」
     おいで、と両手を広げると、すぐに圧しかかってきた悟に強く抱きしめられた。キスをしながらまた服の中を大きな手で撫でられる。
     ワイシャツをはだけられ、さっきよりも強く悟の熱を感じる。触れ合う肌と、肌を擽る毛並み。その両方が心地よくて、ぞくりと身体が震えた。
    「憂太」
    「ん……」
     甘く囁かれ、名前を呼ばれるのが心地いい。すると、ずっと肌を撫でていた手が、ゆっくりと下へと滑っていく。
    「さと、る……」
     ――愛情表現っていえば、キスとかセックスとか、いろいろあるでしょ
     いつかの夜、悟に言われた言葉が脳裏をかすめる。愛情を求める獣人。その求めに応じるのがパートナーの役目。
     それは、分かっている。
    (でも……)
     感情と、本能的に感じる恐怖は違う。
     一回りも大きな身体。熱い舌に、荒い息遣い。
     自分より明らかに強い存在を前にして、自分が獲物になったような気分になる。すると、キスをやめた悟に、ぺろりと頬を舐められた。
    「僕は怖くないけど、セックスは怖い?」
    「え、あ……」
     ストレートな言葉で聞かれて、言葉が詰まる。獣人だからなのか、それとも悟が凄いのか、さっきから考えることを見抜かれてばかりだ。
     たぶん間違いなく、自分は抱かれる側なのだろう。
     そんなのはっきり言って未知の世界で、恐怖心を感じないなんて無理だ。
    「いいよ。憂太が怖くなくなるまで、抱いたりしないから」
     悟の大きな耳が、少しだけ前に折れる。優し気に細められた目も、太もも辺りをずっと撫でる尻尾も、悟の全てが優しく自分を包んでくれる。
    「……悟」
     でも、本当にそれでいいのだろうか。
     ただ悟に甘えて、悟の求めに応えられない自分は、パートナー失格なのではないだろうか。
     すると、そんな憂太の思考を遮るようにまたキスされる。
    「その代わり。僕が満足するまでキスさせて。何度でもね」
    「……うん。おいで、悟」
     せめてこれだけは。そう思って、憂太は腕を広げて悟を抱きしめる。
     すっかり日の落ちた寝室を、月明かりが満たしていた。


     ■■ ■■ ■■


    『リリリリリリリリ!』

     鳴り響く機械音。
     微睡みながらベッドで寝返りを打つと、ひんやりとした部分の布団に身体が触れ、ぶるりと身体が震える。久しぶりに感じる冷たい感触、それと機械音。
     馴染みがあるはずなのに最近は覚えのない音と温度に、憂太は目を見開いて跳び起きた。
    「……悟?」
     試しに呼んでみても、返事がない。布団を触っても、自分が眠っていた場所以外は冷たくて、かなり長い時間悟がここに居なかったであろうことが分かる。
     昨夜は確かに彼の体温を感じながら眠ったはず。悟と暮らすようになってから三週間。彼の腕の中で目を覚まさなかったことなど一度もない。
    「悟!」
     もう一度名前を呼んで、ベッドを飛び降りた。転がるように寝室を飛び出して、リビングを見る。
     ドアを開けた先の空気も冷たくて、嫌な記憶が一瞬で全身を支配して脚が震えた。冷たい空気、誰も答える人のいない、一人ぼっちの家。
    「悟、どこ……?」
     もう一度呼びかけて、リビングを見渡した。
     いつも用意されている温かいコーヒーの香りも、朝食も、なにもない。なにより、悟の姿が見えない。声が聞こえない。
    「なんで……」
     いったいなにがあったのか。なにも分からずにリビングのテーブルまで足を進めて、そこにあったメモに気づいた。
     そのメモを震える手で持ち上げて、もう一度「なんで」と繰り返し呟く。

    『二、三日で帰る。ちゃんと食べて、寝るんだよ 悟』


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    ne_kotuki

    DONE生まれた時から親戚付き合いがあってはちゃめちゃ可愛いがられていた設定の現パロ。人気俳優×普通のDK。

    以下注意。
    ・捏造しかありません。
    ・乙パパ視点。
    ・ママと妹ちゃんとパパの同僚という名のもぶがめちゃ出歯ります、しゃべります。
    ・五乙と言いながら五さんも乙くんも直接的には出てきません。サトノレおにーさんとちびゆたくんのエピのが多いかも。
    ・意図的に過去作と二重写しにしているところがあります。
    とんとん拍子も困りものもう少し、猶予期間を下さい。


    ◆◆


    「横暴すぎるだろくそ姉貴ぃ……」

    待ちに待った昼休み。
    わくわくと胸を踊らせながら、弁当箱の蓋を開いた。玉子焼きにウインナー、ハンバーグにぴりっとアクセントのあるきんぴらごぼう。そして、彩りにプチトマトとレタス。これぞお弁当!なおかずが、ところ狭しとぎゅうぎゅうに詰められていた。
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    「ゆーちゃんの『初』手作りお弁当。いただきま……」
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