おしがまラスト なんとか体育館裏で教師としての矜持と引き換えに尊厳を保った眞鍋は、ヨロヨロと体育の授業を終えた。
(……なんとか、乗り切った……もう、二度と味わいたくない……)
膀胱は空っぽ、心はズタボロ。それでも、難は去ってはくれない。
「はい。先生のぶん!」
「あっ、ああ、ありがとな」
ありがたい(今日に限っては迷惑)な事に、この学校ではスポーツドリンクが支給されている。
生徒たちがおいしそうにスポーツドリンクを飲む中、眞鍋の手元にも冷えたスポーツドリンクが配られる。
逃げ場はない。教師として、ここで「水分はいりません」などと言えば、むしろ怪しまれる。
(飲みたくない……でも、教師として子どもに見せるわけには……! )
6333