これからの世界 空というのものを初めて見た時の感情を今でも覚えている。遠くまで広がる、それでいて世界が連続していることがわかる雲の動き、太陽の輝き、星の煌めき。同一のものはなく、日々移り変わり続ける自然、そしてその中に生きる生物たちの営み。かんじょうな部屋は確かな平穏だけの日々だったけど、外の世界は何もかもが新鮮だった。毎日が、毎秒が驚きの連続だった。
その驚きと共に、たくさんの人たちと出会えた。分かり合えた。分かり合えなかった。喜びも楽しさも、そして悲しみも苦しみも数えきれないほどにあった。それでも、やはり知らなくて良かったことなんて一つもなかった。
だから僕は、
「アラジン! 早く行こうぜ」
「アラジンさん! 出発しましょう!」
早く、と呼びかけると期待いっぱいの表情の二人がなんだが嬉しくて、思わずつられて笑みがこぼれる。それから、その姿に大きく手を振って答えた。
「うん! 今行く!」
これからも、僕は知らない新しい世界に出会っていく。出会っていくことを恐れないし、怖がらない。
わからないことは怖いことではないと、出会ったみんなが教えてくれたから。
だから僕がその歩みを止めることはないだろう。