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    kara

    絵と文章となんか色々

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    kara

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    ラハ光♀
    漆黒のあと、暁月の前。に書いたやつ。

    光は自機のジルがベースだけど、いつも書いてるのとは特に繋がりがない

    酒飲んで酔っ払いになってる話たまたまサンクレッドに付き合って出掛けていた。それで、彼のリンクパールが鳴ったのが日が沈んだ頃だった。

    「今からか? ああいや、大丈夫だが、連れがいても良いか? わかった。イシュガルドだな。ああ、また後で」
    「……ジルの声だったと思うけど」
    「聞きたいことがあるらしい。が、これはあれだな。飲みの誘いだ。連れがいても良いそうだが、来るか」
    「行く」

    それから、イシュガルドの酒場、忘れられた騎士亭という場所に来た。入ってすぐ地下へ向かうようになっていて、降りていくと、一人で席を陣取る彼女がいた。今日は大剣を持っているようで、割と重装備、第一世界でよく見た姿だった。机の上には三人分のグラスと、ボトルが数本。マジか、一人でもう数本空けたのか。

    「いいか、ひとつだけ言っておくが」
    「ああ」
    「あいつは、相当酔って馬鹿になっていてもいつも通りに見えるし、正常に受け答え出来ているように見えて実は全く駄目になっている、という酔い方をする。そしておそらく、もう出来上がっている」
    「……それは……参ったな」
    「ああ、これは相当、参った」

    そう言いつつ楽しげだから、オレもそこまで心配せずについて行った。ジルは、オレたちを見つけると、まるでいつものように軽く手を振って微笑んだ。多少血色が良くなってることが、薄暗い酒場でも分かるけれど、それくらいだ。

    「突然ごめん。時間は大丈夫? この後予定があるなら早めに用事だけ済ませるけど」
    「俺もこいつも朝まで空いてる」
    「そっか、なら良かった。なに飲む? それはワインだけど、他のが良ければ頼んでこようか」
    「同じので大丈夫だ。お前は?」
    「オレもこれで」
    「じゃあ、私の奢りなのでお好きなだけどうぞ」

    ここまでのやり取りに違和感は全くない。本当に酔っているのか、彼女は。それぞれグラスにワインを注ぎ、乾杯をした。それから多少の軽い近況報告。

    「そろそろ本題に入るか。サンクレッド、最初に第一世界に行って、一番長くいた君に聞きたいことがある」
    「なんだ」
    「君のことだから、向こうについてから徹底的に情報収集をしたと思う。特に、信頼できるかどうかも分からない水晶公のこととか」
    「そうだな。それで、なにが知りたい?」

    何やら物々しい会話が始まって、ワインを飲みつつ聞いていようと思った矢先だった。変な飲み込み方をして噎せた。なに、なんで本人の前でそんなことを聞くんだ、オレここにいて大丈夫なのか。サンクレッドと言えば、彼女のテンションに合わせて冷静に努めているものの、声の端々が堪えきれずに震えている。

    「噂でもいいし、最近でなくてもいいのだけど、むしろ数十年前の話でもなんでも、彼があの世界に現れてから今までに、恋人か、想い人がいたかどうかが知りたい」

    これ絶対オレが聞いていい話ではないだろう。
    なんでそんな、星見の間で話していた時と同じような真面目なテンションで話せるのか。いや、素面のこいつだったらむしろ出来ないだろうからやっぱりこれは酔っ払いだ。

    「そうだな……、俺が調べた範囲ではそういった話は無かった。誰かを待っているようだというのはよく聞いたが、それは英雄のことだっただろ」
    「そうか。なるほど、うん。ありがとう」
    「だが、俺一人の話だけでいいのか? 折角だし、こいつにも聞いておいたらどうだ」
    「さ、サンクレッド」

    できるだけ存在感を消して、いない振りをしたい気持ちが強かったのだが、そうも言ってられなくなる。サンクレッドの言葉に、ジルの視線がこちらを向くが、それだけだ。

    「確かにそうだ、君は何か知っているか?」
    「ええと、あー、向こうについてから、今まで、100年近くあったけれど、全くそんなことを考える余裕はなくて、だから、そういった相手はいなかった、と断言出来る」
    「なるほど。うん、ありがとう」

    なんなんだこれ、自惚れてもいいんだろうか。
    軽く項垂れるオレの背中を労わるように叩くサンクレッドは、既に笑いを堪えることもしていない。彼女はと言えば、至って真面目な顔で、そのしっぽも耳も、いつも通りあまり揺れず、感情の起伏が表に出ることがない。逆に多分、オレの耳は動揺で元気に動いている気がする。ああ、ほら、彼女の視線がオレの頭上に向いた。

    「そうだ、あとひとつだけ。サンシーカーって、やっぱりハーレムを作るのか?」
    「それは、どうなんだ、サンシーカー」
    「ええと、ヌンになる男は確かに作るけど、けどな、オレは作るつもりはないし、一途なんだよ」

    ジルは、それを聞いてしばらく何かを考えていたが、やがて、その耳が力なく下がった。何か気に触ることでも言ったかと、軽く焦り始めたとき、彼女の顔が真っ赤になった。

    「ラハ」
    「あ、ああ」
    「この、役目をまっとうするまで、もう少し、待ってて」

    それで、ばたんとテーブルに突っ伏して、動かなくなった。膝から力が抜けてずるずると床に落ちる前に、サンクレッドが腕を掴んで支える。オレは落ちそうになったボトルを慌てて受け止めた。

    「寝たな」
    「えっ」
    「さて、撤収するぞ。こいつの荷物とこいつ自身、どっちがいい」
    「……荷物を持つよ」

    どう考えたって、彼の方がオレより安定感がある。オレは小柄な方だし、彼女はミコッテの女性にしては背が高い。サンクレッドは懐から金を出して、それからジルを背負った。オレは彼女の荷物と、大剣を。
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