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    トモナイ

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    トモナイ

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    サウナでのクロミフ
    ふざけてるよ

    サウナ社員旅行をしようと社長が急に言い出したのは、つい先日のことである。
    たまには上司らしいことを言うと思った社員一同だったが、いざ訪れたのはスーパー銭湯だった。
    そんなこんなで今日はスーパー銭湯を貸切にし、社員一同が揃って風呂に浸かりリラックスしていた。

    「うわ」

    皆がそれぞれに盛り上がっていた一方。
    サウナにて二人分の嫌悪にまみれた声が重なった。

    「チッ。おさいじゃんせ、クローバー副社長殿」
    「舌打ちしてんじゃねェ」
    「灼熱地獄に落ちる途中で迷子になったか?」
    「まだ死んでねェが?」

    例のごとく仲の悪いミフネとクローバー。
    少し距離を置いてクローバーがミフネの横に座る。
    泣く子も黙るレベルの険悪な空気がサウナ内に漂うものだから、他の者はそそくさと出ていった。

    「お前」
    「ミフネじゃボケが」
    「いつまで居る気だ。とっとと出ていけ」
    「貴様が出ていけ、このゴースト野郎」
    「……俺ァサウナの室温を上げたいんだ。がっつりとなァ。お前が耐えかねるだろうと思って忠告してやってんだよォ」

    今でこそ室温はかなり暑い。
    これ以上……がっつり上げる、とは考えにくい。
    単にミフネが邪魔だから退出させようとしているのだ。
    そう思った。

    「構わんよ、上げろ上げろ。おまえさんが倒れるのを見届けたるわ」
    「……上等だ」

    斯くして室温がぐんと上げられたのだった。
    そこからはもう灼熱地獄と言っていい。
    暑い。熱い。まるで体を火であぶられている心地だ。
    もう出たい。だがこいつにだけは負けたくない、とミフネは舌打ちしつつクローバーを見遣る。

    「お前、香水何かつけてるか」
    「……はあ?」

    この状況で、唐突にそんなことを訊ねられた。

    「香水?そんなものつけとらん」
    「嘘つくな絶対付けてるだろうが」
    「つけとらんと言っとろうが」
    「じゃあ何でそんないい匂いしやがる」
    「はあ?」

    なにか気持ち悪い事を言い始めた。
    何だこいつ。セクハラのつもりか?
    見事に鳥肌を立たせてくれるものだ。くたばれ。

    「充満してるじゃねェか、いい匂いがよォ。移させろ」
    「はっ?」

    あっ、こいつ暑さでキャパオーバーしよった。
    にじり寄ってくるクローバーにミフネは察した、瞬間、クローバーが飛びかかってくる。
    ぎょっとする間にミフネはクローバーによって取り押さえられ、体の匂いを嗅がれまくった。

    「ぎゃーーーー気色悪い!!離せ!!」
    「匂い、移るまで待っとけ。もうカビ臭いのは嫌だ」
    「ありのままでいろ!!おまえさんの心のエルサが応援しとるよ!」
    「無理だ。今にも劣等感という立派な寺社仏閣が建ちそうだからなァ」
    「ちょ、誰ぞ!!誰ぞおらんか!?助けてくれェエエエ!!」

    その後、ちょうどサウナに暖を取りに来た遠山静によってミフネはなんとか救助された。
    クローバーはといえば記憶が欠如しており、あの日のことを何も覚えておらず。
    何故ミフネが自分に吐瀉物を見るような目を向け避けるのか、永久に分からないでいるのだった。
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