月光月明かり、少女はさまよう
虚空を観る翡翠の瞳
青くけぶる白磁の肌
絹の黒髪が夜空に滑る
夢か現か
血の気の失せた皮膚の白
いや、少女と彼女は違う
不安
生きているのか
そっと彼女を引き寄せ、実在を確かめる
皮膚の冷たさ
外気に晒されたものか、体温を失ったものか
畏れ
頬を両手で包む
茨に眠るおとぎ話
唇に重ねる
目覚めの呪文
翡翠の瞳に己の欲が写る
「失礼!いえ、失礼をしました。」
慌て、その場を去る
月光
月に吠える狼
己の欲に従う彼ら(殺人鬼)と自分に何の違いがあるのか
彼らと自分に何の違いがあるのか
ー終ー