お返し2月、ピンクからアクアブルーに塗り替わったデパートへ向かう
綾子の反応を盗み観ながらぐるりと一周し、
目的の地下スィーツコーナーに降りる。
またぐるりと一周し適度な値段の箱を手に取った。
んーそれより、向うのお店の方にしない。
え?いいじゃん、カワイイし値段も手ごろだし
ダメ!鳴瓢家のセンスが問われるの!
ていうか、今買わなくてもよくない?まだホワイトディまで日にちがあるのに
その頃には、いいのが売り切れちゃうのよ
ふーん、そんなもんなのかぁ
後ろを歩きながら、あのバックは明日買いにこようと決めた
綾子に連れられフロアーの一角一段高くなった店舗に足を踏み入れる
お値段が可愛くないんですが・・・。小声でささやく
大丈夫
薄いクッキー(ラングドシャ)が2種類入った小ぶりな紙製の箱を指さす。お値段はちゃんと可愛い
えー、こんな少ないのでいいの
ここのは美味しいから
課(みんな)に貰ったのはどうする、お金預かっているけど
課で貰ったのは、女の子でお金だしたやつだったよね、数が必要だし重なっちゃうからさっきのお店でいいかな
じゃあ、えーと7個か
5個、あと2個はこっち
ぱっと見は同じ大きさだが多分缶入りの箱を手渡された、お値段はちょっと可愛くない
なんで違うの?
どうしても、あとこれはお渡しするときに『私(妻)が選んだ』って言ってね
なんで?
教えません!
あ、ちゃんと個別の袋も付けてもらってね。
-----------
ああ、そういうことだったのか
それなりに人の顔色は読めるつもりだったが、あの頃まったく眼中になかったからな
仏間に丁寧に重ねられた箱を眺めて気が付いた