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    69asuna18

    ジョチェ🛹

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    69asuna18

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    お題サイト『確かに恋だった』様

    【キューピットは語る】
    1.いい加減くっつけ
    2.見てるこっちがハラハラ
    3.我ながら完璧な舞台設定
    4.照れ屋もここまでくると病気
    5.ようやくこの日が
    おまけの6.惚気は他でやってくれ
    (わたし/俺のおかげってこと忘れてない?)
    全部書けたらpixivにあげるつもり

    #ジョーチェリ
    giocelli

    3.我ながら完璧な舞台設定「なんで俺達まで」
    暦は大きなため息をついていた。
    「暦は気にならないの?」
    唇を尖らせて、ミヤは問い詰めた。すると暦はう〜んと唸りながら、気にはなるけどその内仲直りするんじゃねぇの。と頭を掻いた。
    「でも、俺達の時も気にしててくれてたよ」
    今まで話さずに様子を見守っていたランガもポツリと紡ぐ。二人でじっと暦を見ると、吹っ切れたのか、自棄になったのか。
    「あー!もう、仕方ねぇな!」
    そう言って、彼はミヤの立てた作戦に応じたのだ。と言うのも、例のあの一件から仕事のせいなのか喧嘩のせいなのか、チェリーはSには現れず。ジョーのお店に集まる話をしても、悪いけれどまた今度と断られる。ジョーに聞いても「連絡とれねぇ」っていうだけで。会いに行ったの?と聞いてもだんまり。もう、無理矢理にでも会わせるしかない。そうでもしないと進展しないと思ったミヤは、二人で会わせるべく作戦を立てた。作戦と言ってもチェリーには、一緒に出かけようと行って出てきてもらって、ジョーにはあらましを話して二人で時間を取ってちゃんと話してもらう。二人で会えば、ジョーがなんとかしてくれる…という、あくまで呼び出すだけであとは本人たち任せなのだが。人が多いところで話をすれば、少しは冷静に話してくれるだろうなんて、少し安易すぎるだろうか。そう思いながら、ミヤはチェリーへ一緒に出かけてほしいと連絡し、暦はジョーに、作戦を伝えた。

    「よっ!」
    いつもと変わらないジョーの挨拶に、約束の時間に現れたチェリーは顔を歪めた。
    「なんでゴリラが水族館にいるんだ。動物園と間違えたか?」
    「ミヤと約束してたんだろ?…俺はミヤの変わり」
    「変わり…?」
    「そう、一緒に水族館みて回るのは俺」
    そのやり取りを遠くから見ていたミヤたちは、とりあえず二人がちゃんと会って話をした事にほっとした。けれど、チェリーはあからさまに嫌そうな顔をして。「帰る」と踵を返す。しかし、虎次郎も今日は少し強引だ。
    「そんな事言うなよ。…皆、心配してるんだ、俺達の事」
    チェリーの手首を優しく掴んで引き止める。喧嘩にならないかソワソワとしている子供達には分からないだろうが、その手の力はいつになく強くて絶対振り払えそうになくて、だけど見つめる瞳はひどく優しい。
    「…みんな?」
    「子どもたち。…早く仲直りしてってさ」
    睨みつけていた顔はゆっくりと優しさを取り戻していく。月みたいな優しい色の瞳に影がおちて、薫の脳裏にはあの日の言い争いと、寂しそうなミヤの顔が鮮明に浮かんできた。
    「……俺も、キツイ言い方して悪かったよ…」
    「…いや、……その、俺こそ」
    ジョーから謝れば、チェリーは素直にそれに続く。なかなか見る事の出来ないその神妙な雰囲気に、ミヤはホッと胸を撫で下ろした。とりあえず作戦は成功したようだ。
    「なぁ、ミヤもういいだろ?仲直りできたみたいだし」
    そう言い出したのは暦だった。流石に一日中物陰に隠れて二人を見守るのは勘弁だ。と、いうより怪しいものを見る目でチラチラと見られているのが耐えられず、そう口を開いた。
    「…気にはなるけど…」
    あんまりじっと見ていたら何も進展はなさそうだ。そう思ってミヤは暦の提案にのり、二人を残してランガと3人その場を離れた。
    3人が離れていったのを察した虎次郎は、俯いて気まずそうにする薫の顔を覗きこんだ。
    「せっかくだし、気分転換に中入っていかね?チケットも貰ったし」
    ポケットから、チケットを取り出し薫に見せる。すると、頬をほんのりと染めた薫は小さく頷いた。中へ入ると、虎次郎は掬うように薫の手を握った。
    「おま、な、…なんで…」
    「修学旅行生が多いからさ。…俺が逸れないように持っててい?」
    ニッと笑って、掴んだ手を絡める。悪いわけない。こんな事、もう二度と無いかもしれない。
    「ゴリラは案内も見れないのか」
    「方向音痴なのかな」
    はははと笑う彼の、なんと愛しい事か。
    「仕方ないな」
    仕方ないのは、自分の方なのに。そう言って握った手はびっくりする程熱くて、手汗をかいてしまわないか、そんな事で、頭がいっぱいになっていった。
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