Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    69asuna18

    ジョチェ🛹

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 33

    69asuna18

    ☆quiet follow

    ソウスズワンドロお題
    【秋の夜長の過ごし方】
    1時間じゃ致すとこまで書けないので、また機会があれば。

    夜は長いので「ねぇ、もう暗くなったから本読むのやめにしない?」

    つまらなそうに囁いて、襟のあわせをツツッと細い指で撫でられるほど、近くに寄ってきた鈴蘭からふわりと酒の香りを感じて、ソウゲンは苦笑しながら本に栞を挟んだ。

    「では、何をして過ごすのです?」

    赤く染まった頬を指先で撫でると、鈴蘭は不服そうに唇を尖らせその場にころんと横になって、ソウゲンの膝の上に頭を乗せ、腰にギュッと絡みついた。何を考えているのか暫く眺めていると、膝の上で1人百面相をしている。きっと閨に誘う言葉でも考えているのだろうと、ソウゲンは嬉しそうに黙ってそれを眺めていた。笑い声が漏れてしまわないように、口元を押さえていたのに、あまりに困っているその可愛らしい表情に思わず、ふふと声が漏れてしまった。

    「あ〜、笑ったでしょ…もう……わかってるくせに」
    「……さて、なんの事でしょう」

    頑なに知らないふりを続けるソウゲンに、鈴蘭はしびれを切らして。やっと口を開いたかと思ったら、かぷっと、脚の根元にある熱の塊に優しく歯を立てた。

    「…ッ…鈴蘭殿…意地悪して申し訳ないのです」
    「本当に思ってるの?」
    「えぇ。……ほら、夜はもう冷えますから、するなら布団へ入りましょう?」

    顔を上げた鈴蘭の額に口付けて。

    「夜は長いですから。…先に寝たりしないでくださいね」

    低い声で囁くと、着物の襟の隙間から肌まで真っ赤に染まっているのが見えた。借りてきた猫のように静かになってしまった恋人をどうやって暴こうかと考えながら。布団へ導くその足取りは少しだけ早くなっていく。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💚💜💚💜💚💜👏👏👏👏💚💜☺💚💜💚💜💚💜💚
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    69asuna18

    MENU新刊『甘い香りに包まれて』

    前回のイベントでのコピー本『花の香りのする方へ』とその続きをまとめたものになります。
    (加筆修正有り)
    コピー本で出したものの、途中までをサンプルとしてアップします😊
    甘い香りに包まれて生を受けた世には、バース性と呼ばれる新たな性別が誕生していた。男女の性別とは別の第二の性。男と女とは別にα、β、Ωと三つの性別が存在し、全ての人間は六種類に分けられる。αはエリートが多く、βは一番多い所謂普通。そしてΩには発情期なるものが存在し、その体質が故に世間から冷遇されている。その為、性別による差別が目立ち、第二性がΩである人は悩みが尽きない。
    生まれ変わる前と違う事象が起きている事に、興味があった踪玄はバース性の研究に勤しんだ。しかし、調べれば調べるほど、その新たに備わった性別が、人間そのものに嫌悪を抱かせる。
    薬を飲み、体調を管理すれば、Ωであっても社会的に問題なく過ごせるはずなのに、理解が進んでない事もあり、定職につくのも難しく給料も少ない事の方が多い。働ける時に働きたいと思う人も多く、病院に定期的に通う人も少なくない。…出来るのは理解のある人間に囲まれていて、給料が安定している者だけ。そのせいで、発情期に倒れたり、身体に合わない安い薬を飲んで体調を崩す者も少なくない。
    13532

    recommended works