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    みみっQ

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    みみっQ

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    レオくん推しのモブオタと体が入れ替わった瀬名泉のお話の続き。いずレオです
    これで書くのやめるかもなので供養であげます。

    change chase!6 どうしようかな。なんて考える間もなく「レオくん」なんてナルの声が続いて振り返るしかなくなってしまった。
    「なんでお前らが一緒にいるんだ?」
     振り返ってみると案の定ナルと瀬長が立っていた。瀬長は最初に会った時よりもスッキリした気もする。
    「レオくんを探してたら、偶然会ってね。一緒に探してくれてたのよ」
    「知り合いだったのか?」
    「知り合いなのはレオくんでしょ?アタシがレオくんを呼んでいたから声をかけてくれたのよ」
     ナルはため息混じりにそう言うと「少し早いけどESに帰る?」と続けた。
    「えっ?なんで?」
    「なんでってここに来てからずっと上の空じゃない。さっきポテチを食べた泉ちゃんを見て泣いてたんでしょ?」
    「おれが情緒不安定みたいに言うなよっ」
     がるるっと威嚇したみたけど、ナルにはあまり効果がなかったみたいだ。
    「もう、そんなにカリカリしないでよ」
     そんな事を言ったかと思うと、ナルは「飲み物買ってくるわね」となぜかその場を後にした。本当になぜ、今このタイミングで飲み物を買う必要があるのか。ちょっと分からない。
     必然的に瀬長と二人きりにされて少し気まずいし。
    「えっと……探してくれてありがとう」
    「ポテチ、どれだけ食べてたの?」
    「は?」
     返事にもなっていないし、これまたよく分からない質問をしてきた瀬長に首を傾げる。
    「だから。[瀬名泉]はポテトチップスをどれくらい食べてたの?」
     イライラと腕組みした手を人差し指をトントンと叩く彼は気が気じゃないようだ。
    「顔も浮腫んでるし、肌も荒れてた。チョ〜あり得ないんだけどっ」
     リカバリーがなんとかとかブツブツ呟く瀬長を見ていると口が勝手に「セナ?」と動いてしまった。
    「なに?」
    「えっ」
     普通に返事が返ってきたけど瀬長はこちらを見ようともしない。
    「…………セナなの?」
    「だから何?今考え事してるから黙って…………って」
    「やっぱりそうなのか⁉︎お前がセナ!瀬名泉!」
     ヤバいという表情をしている瀬長を前にして急に確信が持てた。
    「セナだ!お前がおれのセナ!絶対間違いない!」
     わっと抱きつくおれをセナが慌てて受け止めてくれる。感触はいつもと違うけど、背中を撫でる優しい手つきはセナそのものだった。
    「こんな非現実的な事あり得ないって思ってたけど、そうだった!セナは世界から消えたりしていなかった!良かった!」
    「まぁ……見た目はかなり変わっちゃったから消えた方がマシだったけどね」
    「そんな事言うなよ!お前が居なくておれがどれだけ心細かったんだと思うんだ⁉︎」
    「それはごめんねぇ」
     さして悪びれもせずにセナはそう言うと「離れて」と続けた。
    「なんで?セナはおれに会えなくて寂しくなかったのか?」
    「ほとんど毎日会ってたでしょ?」
    「瀬長としてだろ〜?」
     スキンシップがとりたくて両手を広げてみたけど、セナはぷいと顔を背けてしまった。
    「なんで嫌がるんだよ?」
    「この体だからに決まってるでしょ!」
    「意味分かんないっ!」
     おれがぎゅっと拳に力を入れてそう言うと、セナはなぜか睨みつけてきた。
    「うるさいなぁ!俺が嫌なの!この体ともあと数日でお別れみたいだし?元に戻ったら今まで通りになるんだから我慢してよね」
    「なんでっ!セナは目の前にいるのに」
    「俺の体じゃないからでしょ」
     さも当然とばかりに彼はそう言うけど、おれの気持ちを少しは汲んでくれても良いんじゃないだろうか。落ち込んだおれを見ないようにするためか知らないけど、セナはじっとその辺の木を見つめている。
    「セナ!こっち見ろよ!」
    「分かって。本当はこの体であんたに会いたくなかったんだよ。だって今の俺は綺麗じゃないでしょ?」
     何でもないことのように紡がれた彼の言葉に息を呑む。美意識の高いセナが美意識の低い人の体に入っちゃったんだから、それは耐えられなくて当たり前だ。だけどそんな理由で頼ってもらえなかったとしたらそれは悲しい。
    「そんな事が理由で話してくれなかったのか?」
    「俺にとっては大事なことなんだけど」
    「おれたち付き合ってるのに」
    「だから言いたくなかったんだってば」
     質問の返事には到底納得できない。だけどセナとは噛み合わないことが多いから、仕方がないのかもしれない。そう頭で思っても胸が痛い。
    「頼ってよ。それともおれはそんなに頼りないのか?」
    「あんたにだって分かるでしょ?他の誰に嫌われても良いけどあんたには嫌われたくない。幻滅されたくないんだよ」
     セナの声が震えている。不安で仕方ないはずなのに、どうしてこんな時に一人になりたがるんだろう。いや、気持ちは分かるけど。おれはそれが良くないことだと身をもって理解している。
     それにセナはセナの体が変わったらおれの気持ちがなくなるみたいに言うけどみくびってもらったら困る。
    「おれ、お前の外見だけが好きなわけじゃない。お前だから好きなのに」
    「…………この話は終わり。あと数日くらいで戻るらしいから」
     スッとセナは手を前に出してそう呟いた。
    「すぐに戻る方法はないの?」
     セナの口ぶり的に何が起きてるのか調べはついているみたいなので質問してみる。彼はじっと考え込んでから「ない」と断言した。
    「嘘だ!その反応何かあるだろ!」
    「ちょっと!やめてよ!」
     真相を吐かせようと「うがーっ」と掴みかかるおれの腕をセナが掴んで抵抗する。
     
    「あらあら、もうバレちゃったの?」

     しばらく揉めていたらジュースを三本持ったナルが戻ってきた。
    「ナルは知ってたのか⁉︎」
    「凛月ちゃんも知ってるわよ〜。司ちゃんは知らないと思うけど」
     ナルから告げられた真実に眩暈がする。コイビトなのに、おれよりも先に他のメンバーが気づくなんてショックが大きい。普通こう言うのってコイビトがいち早く気がついて助けてあげるもんじゃないの?それなのに――
    「おれ……セナのことあんまり分かってなかったのかも」
    「人を全部理解するなんて無理な話なんだから安心しなよ。俺もそんな浅い人間じゃないつもりだし」
     心無い酷い励ましをセナがしてきたけど、それさえもとどめの刃のように感じた。
     
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    sayutaba18

    DOODLE初めてのお友達から初めての恋人になる瞬間。
    いつもはレオからセナ好き好き~って抱きつくのに、いざ付き合ったら瀬名からこられてあわあわしちゃうレオの図。
    はじめてのともだち 初めての友達、はじめてのともだち、ハジメテノトモダチ。
     友達だろ? と口にしたのはいつだったか。はっきりとこいつは友達だと思えたのはいつだったか。
     おれが何しててもちょっとぉ! の一言で済ませて、決して捨てることはしない、瀬名泉という男。
     どこで何をしてても、おれを探しに来ては、ほら行くよ、と手を引いてくれる、おれの唯一の友達。
     いつ会いに行ってもひとりぼっちで、ひとりで頑張ってて、そのくせ誰にも心を開かない。それが面白くて、気づいたら好きになってた。知ってるか? あんなに冷たい目をしているのに、おれの前だと笑うんだぞ? お陰で音楽が溢れて仕方がないから曲にするしかないよな! って何曲も作ってたらまたセナが笑った。あんた変わってるねって。そんなおれと一緒にいるおまえも結構変わり者だと思うけどな? あ、おれたち変わり者同士だから、一緒にいてこんなに楽しいのか? 今日はどんな初めてをおれにくれるの、セナは? 毎日楽しくて仕方がないんだけど。
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