Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    huhaitya

    @huhaitya

    水父小説またはセリフネタを
    やりたい放題投稿してます
    キャラ崩壊多数
    基本ネタ呟きなどですが
    よろしくお願いします!

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 15

    huhaitya

    ☆quiet follow

    水父子
    2024年の夏企画に参加させて貰ったCP薄め家族ほのぼの系短編集2本立てです。
    時系列バラバラで鬼太郎が小さかったり本編の姿だったりします。

    パスはWebオンリーサークル説明欄をご確認下さい。

    #ほのぼの
    heartwarming
    #水父子家族

    【夏のほのぼの水父子短編集】【五月晴れ】

    いやぁよく晴れている!と大声出して言いたくなる程の五月晴れである。
    農家などの大事な雨以外は降らなくてもいいよなぁとなる雨があがり青空が顔を出す。
    晴れはいい。
    やはり雨よりはそりゃあいい。
    洗濯物だってカラッと乾かせるからな。

    しかし雨を望む者だっている訳だが…


    「……」
    「……いい天気だな…」
    「あめーー!!」


    この愛息子は晴れたらご立腹である。
    雨が続く季節に入ると言う事で、鬼太郎は新しくレインコートを昨日買ったばかりだった。
    そう、昨日である。
    今日はそのレインコートを着て雨の中外へ遊ぶ気満々だったのだ。
    それがまさかの五月晴れ。
    おかげで丸い頬がパンパンになる程ふくれっ面を晒して不満で仕方ない息子の出来上がり。
    可愛いです。


    「また雨が降ったら着ような」
    「やーー!!」


    そーだよなぁー
    人は予定通り行かないと嫌だよなー
    でも晴れちまったからレインコートを着ても意味ないんだよなー

    頑なに着たレインコートを脱ごうとしない鬼太郎は意地でもその格好で外に出る気で玄関先けら離れないでいる。
    長靴だって新しくしてピカピカだから、それも楽しみにしていたからな。


    「おぉ、鬼太郎そっちにおったか」
    「頑なに動こうとしないからな…助けろよ実父」
    「うむうむ。鬼太郎ーその新しい格好で遊びたいかー?」
    「……あそびたい」
    「そうかそうか」


    そうかそうかじゃねぇんだよ。
    外はカラッといい天気なんだよ。


    「それでは庭に行こうぞ!」


    完全雨の日コーデの鬼太郎と共に庭に行けば、なるほどなとなる。
    普段庭の草木に撒くようのホースを使い、レインコートに身を包んだ鬼太郎の真上に雨を降らす。
    サラサラと降り注ぐ雨に愛息子は甲高い喜びの声を出して喜び駆けた。
    新しいレインコートを着て新しい長靴を履いて新しい傘を差して。
    よく晴れた五月晴れにここだだけに降り注ぐ雨。

    「こうゆう雨ならいいな…」
    「みじゅ!!」
    「わぁ!!鬼太郎!!ホース振り回すな!!俺はいいんだって!!」
    「水木もお揃いすぶ濡れがいいんじゃよなー」
    「なー!!」
    「あ?あーあーレインコートの意味…」

    レインコートに身を包んでおきながら上も下もずぶ濡れな息子。
    そしてその父親も何故かずぶ濡れになっている。
    お前はホース持ってた側だろうが何故濡れている。
    そして俺ももれなくずぶ濡れにされてしまった訳だ。
    あぁ、もう何でもいい。


    「ほれホース貸せ鬼太郎」
    「…げっ!!」
    「お前らももっと濡れちまえ!!」
    「もうこれは雨では無いぞー!!」
    「きゃー!!」


    水を最大にしてホースを摘んで雨を表現するなんてせず、ダイレクトに水を親子にぶち当てる。
    特にゲゲ郎に強めにぶち当てる。

    いい天気な今日は洗濯物だってカラッと乾かせるな。
    何せ今日は雨など降らぬいい天気なのだから。


    【夏野菜】

    今日は父さんも水木も帰りが遅い日。
    お腹が空いたら先に好きに食べていいと、お金と菓子パンもある。
    普通にパンで済ませてもいいけど、帰ってきた二人はどうするんだろうか。
    今日はちょっと遠くの怪異の依頼が入ったらしいから、疲れて帰ってくるんじゃないのだろうか。

    冷蔵庫を開けてみる。
    あ、お肉がある。
    鶏肉だ。
    何か作る予定だったかな…?
    でも今日は作れないだろうし……また後で買い足せばいいか。
    野菜室には、人参、玉ねぎ、ジャガイモ。
    その他にパプリカ、茄子、ズッキーニ、トマト。
    凄い夏野菜が多い。
    貰い物だろうか。
    トマトが柔らかいから早く使った方がいいんだろうか。

    この野菜を見て、戸棚を確認する。
    やっぱりあった。
    カレールウ。
    やっぱり父さんカレーを作ろうとしてたんだ。
    今回の仕事は結構いきなり入った物だったから、それどこではなかったみたいだけれど。
    カレーか…カレーくらいなら、父さんの手伝いで作った事がある。
    茄子やズッキーニを調理した事はないけれど。
    きっと炒めて煮込めば同じだろう。


    今日は一から一人でカレー作りだ。


    殆ど手伝いだったけれど、何回か作っているのできっと大丈夫。
    便利な今は市販のカレールウの箱にご丁寧に作り方も書いてある。
    まずは野菜をよく洗って、それぞれ皮がある物は剥いていく。
    確か茄子はこのまま皮のままがいいハズ。
    流石にこの野菜全て使おうとすると量が多いな…トマトはサラダとして添えよう。

    確か野菜はなるべく同じ大きさの方が均等に火が通りやすいと言っていた。
    最後煮込むから気にしなくて良さそうだけれども…一応最初教えられた通りにやろう。
    お肉もなるべく一口大にして…これモモ肉だ…皮ついてる…え?皮って取った方がいいんだっけ…?
    まぁいいや、そのままで。

    確か先にお肉を焼く。
    鍋にちゃんと油を垂らして、火加減に気をつける。
    そこはよく言われてるから大丈夫。
    これどれくらい焼くんだっけ…色がついた辺りでいいかな…この後煮込むし。
    一口大の野菜も入れて焼く。
    量が多くて混ぜにくい。
    もう1つ大きい鍋あったかな…あった。
    こっちにしよう。
    しっかり火を通して、箱に書いてある分量の水を入れる。
    こっからはとりあえずひたすらに煮込む。
    あ!ご飯炊いてない!

    米を研いでセットしてる間に結構煮えて具が柔らかくなってきた。
    一応灰汁も取っておく。
    灰汁どれ位取るものなのかな…
    取りすぎると水分が無くなりそう。
    確かこの後1度火を止めて、カレールウを入れるんだっけ。
    なんで火を止めるんだろう…また付けるのに。
    焦げ付き防止?
    カレールウが全て溶けきったのを確認してまた火をつける。
    今度は弱火。
    何だか水分の割に具が多い気がする。
    やっぱり野菜多かったかな。
    煮てれば減るかな…
    トロトロになってきたらよし。
    ご飯もそろそろ炊ける頃。
    父さん達は何時に帰ってくるだろうか。
    美味しいと言ってくれるだろうか。


    思ってたよりも手間取ってしまった。
    いや妖怪系は相棒の力で難なく終わったのだが
    、依頼してきた人間か難ありだった。
    あまりにあっさり終わらせた依頼に依頼料を値切り出し、しまいにゃここに移住しろときたもんだ。
    あぁ、腹立たしい。
    こちとら家に家族残してんだ、早く帰らせとと言う気持ちを押さえ込んで笑顔で受け流して帰宅を決めた。
    そも、隣の相棒がそろそろ限界だ。
    人間嫌いが再発しそうな形相になってきていた。
    やめろやめろ、ホラーでしかねぇぞ。
    そんなゲゲ郎を落ち着かせてさっさか帰路に着いたわけだ。

    何はともあれ、やっと帰宅できる。
    飯なんて食ってる暇など無かったが、早く帰って我々の愛息子を愛でるか。
    街並みに近づくにつれて夕食の残り香が鼻をくすぐる。
    焼き魚…ミートソース…カレー…あぁ、カレーか、いいなぁ…
    明日はカレーにしようか。
    自宅に近づくにつれてカレーに匂いが強くなる。
    ご近所さんがカレーを作っていたのか?


    「「ただいま」」
    「おかえりなさい、父さん達」


    小走りで俺達を鬼太郎が出迎える。
    それだけで疲れが吹き飛ぶってもんだ。


    「遅くなってすまんの」
    「飯はちゃんと食ったか?」
    「その事なんですが…父さん達は夕飯は食べてきましたか?」
    「いやぁバタバタしててなぁ。晩酌だけで済ませようかと 」

    「それなんですが…」


    なんと鬼太郎が俺達の為にカレーを作ってくれたらしい。
    しかしも一人で!
    あの鬼太郎が…俺達に…!
    もうゲゲ郎なんて泣きすぎて足元ビッシャビシャだ…きっと俺もそうだろう。
    いつまでも感動を噛み締めたいが飯を食わずに待っていてくれた息子に悪い。
    暖かいうちにいただこう。


    あんなに小さかった倅が一人で料理が出来るまで成長してくれた。
    オマエよ…倅は大きくなったぞ…
    感情に浸っていると横の相棒に早くしろとせっついて来る。
    そうじゃそうじゃ、早く息子お手製を食さねば。

    家に入ると嗅ぎなれたカレーの香り。
    外から漂ってたカレーの香り家であったか。


    「すみません…材料結構使っちゃって」
    「よいよい、その為の食材じゃ」
    「それにしても、エラく作ったな」
    「色んな野菜を入れてたらだんだん増えていっちゃって…」
    「具沢山じゃな。食いごたえがある」
    「おぉ、こんくらいペロリだ」

    ホッした鬼太郎がイソイソと俺達にカレーを盛ってくれる。
    そこまでしてくれるのか…
    ゲゲ郎…それ以上泣くとカレーに涙入るぞ。
    俺もか。
    鬼太郎にはゲゲ郎が盛ってやって、三人揃って手を合わせる。
    頂きます。


    「……一応父さんから教えて貰った通りにしましたし、箱にも作り方が書いてあってので大丈夫だと思うんですけど…味はどうでしょうか」
    「うん、めちゃくちゃ美味い!」
    「こんな美味いカレーは初めてじゃ!」
    「大袈裟ですよ…」
    「大袈裟ではないぞ。ワシ達には特別なカレーじゃ。確かに何杯でも食える」
    「今度また作ってくれるか?」
    「……父さんと作ってる時は楽しかったんですが、一人で作ってるのはなんだか楽しくなかったので…次は三人で作りたいです」


    気恥ずかしそうに申し出る鬼太郎にまた愛しさが込み上げる。
    初めてで不格好になっている野菜も、野菜が多くなって少し水っぽいカレーも、少し柔らかい白米も、それでも一生懸命作ってくれた姿を想像して全てが全て愛おしい。


    「じゃあ来週は三人で作るか、カレー」
    「今日食べておいて来週すぐカレーですか?」
    「カレーは何日続いても美味いものじゃぞ」
    「次は三人で買い物からやろう。何を入れるかを考えながらの料理も楽しいぞ」
    「じゃあ僕、野菜を揚げて添えてあるカレーが食べたいです」
    「おぉいいのぅ。さて次のかれーの辛さはどうしようか」
    「次はもっと辛いのがいいな」
    「じゃあ辛いと噂のジャワに挑みます?」
    「お、いいな。スゲェ辛いらしいぞ」
    「僕ら幽霊族なら余裕です」
    「言うじゃねーか。おいゲゲ郎!次はジャワの辛口だぞ!」
    「…では牛乳も用意しようかの」
    「それは辛さ対策の話しか!?舐めやがって
    !」
    「僕も水すら飲みませんよ!」


    鍋になみなみ作られた夏野菜たっぷりカレーをあっという間に消費して、食事をしながら次の食事の話をする。
    なんとも幸せな空間じゃ。


    「次はトウモロコシと枝豆も入れようかの」
    「お、いいな!そのままかじるのもくれ!キンキンのビールが進むんだ」
    「夏ですね」


    縁側に吊り下げた風鈴がリンと鳴く。
    夏の暑さを夏野菜とカレーのスパイスで今年も元気に乗り切ろう。
    大切な日々を噛み締めて今日もワシらは元気に生きていくぞ、オマエよ。


    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😭👏👏👏☺💕💕💕💕👏☺👏👏💖👏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works

    AKtyan5560

    DONE某殺人鬼の子孫のパロなんですが本編を知らなくても読めます。
    水木の家系には殺人鬼がいた。史上最悪の一人に数えられるその人物は水木を呪い人を殺せと囁く。村へ行く中で水木の中に湧き上がる殺人衝動が限界になり、ゲゲ郎へと話してしまう。ゲゲ郎はその殺人の真似事の行為を受け止めると言と水木に言った。
    ※水木の先祖に殺人鬼がいる
    ※水木に呪いがある
    ※水木が望んでない殺人衝があり
    ※父の首を水が絞める
    のろいあいむかしむかしある国で、四百人を殺した快楽殺人鬼がいた。その殺人鬼は二本の鎖を使い、長い鎖で吊し上げ動けなくし、もう一本の鎖で喉元をゆるりと絞めながら段々と強くしていき、最後には息が止まり死ぬ程の苦しみ藻掻く様を楽しんでいた。男は後の未来で映画にもなる程の最悪の殺人鬼の一人に数えられ、現代に語り継がれている。
    時は昭和三十一年血液銀行に勤める男がいた。
    男は兵隊上がりで祖国に帰ると国に絶望し、成り上がろうと野心を持ち今迄やって来た。そしてそれは彼の中に眠る"ある衝動"も強めて行った。
    世の中にはある能力を受け継いだ殺人鬼の子孫達が存在する。世間の人達は知らず、醜聞と言う組織に管理されたその子孫達にはある共通点があり、過去に名のある殺人鬼が居た事だ。
    4891