【狂聡】送り狼に噛み付く若狂児×大学生の聡実くん
※同年代設定なので何でも許せる方向けです
「ありがとうございましたー」
時刻は23時半。夜の街の灯りがポツポツと少しずつ鎮まり始めて、「24時間営業」と書かれた派手な色の看板がオアシスのようにくっきりと浮かぶ。夜勤の森田さんが来るのは24時。残り30分、シフト交代前にやるべきことは全て終えたし、あとは時間が過ぎていくのを待つだけの消化試合だ。最後にトイレの清掃チェックだけ行ってくるか、と思っていたら、カランカラーンと勢いよく入り口のドアが開いた。酔っ払い御一行のご来店だ。
「あーあ」
一瞬、心の中のため息が声になって出てしまったのかと思ったけれど、声の主は成田さんだった。
「これまた面倒くさそうな団体さんやねぇ……」
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