夜ふかしは厨房にて。 深夜。明かりが落とされた真っ暗なラウンジのソファに、ぐったりと身を預ける地獄のプリンセスこと、チャーリー・モーニングスターの姿があった。壁には色とりどりのペンで書かれたいくつものメモ紙がピンで留められ、その傍にあるテーブルの上にはホテルの運営に関する書類が乱雑に置かれており、床にも数枚書類が散らばっていた。そんな無数にある紙たちを横目に、疲労を溜め込んだような顔をしたチャーリーがゆっくりと深い溜息を吐き出した。
今後のホテルの運営について。どうすれば罪人達がこのホテルに興味を持ってくれるのか。もっと良い宣伝方法は無いのか。探せばきっと、自分に出来ることが沢山ある筈なのに。ぐるぐると思考を巡らせてみたものの良い案は一向に浮かんできてはくれず、かれこれ数時間は経過している状況である。数時間前までやる気に満ち溢れていた姿は何処へやら、今じゃすっかり消え失せていた。
10311