お揃いー恋人は似てくるのだ、とは何処で聞いたのだったか。
寝室に柔らかな光が差し込む。
丹恒は目を薄ら開け、その凛々しく美しい顔(かんばせ)を左へ向ける。
隣の布団には、胸を上下させながら幸せそうに眠っている景元の横顔が見えた。いつもより幼く見える姿に微笑みながら、丹恒は起き上がり、景元のあちこちに向いている寝癖を右手でそっと撫でた。
丹恒の温い手のひらの感触に気づいたのか、景元はゆっくりと瞼を上げた。
「…おはよう」
「…おはよう、丹恒」
寝起きのためか普段より声が掠れており、丹恒は柄にもなく心臓が少し飛び跳ねた。
景元はまだ眠たそうな目を擦りながら、ゆっくりと体を起こした。
「景元、寝癖がすごいことになっている」
丹恒は景元の頭を優しく撫でながら、髪を整える。
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