不意打ち「……うわっ」
突然、円城寺さんの飛び上がるような叫び声が聞こえた。
なんなんだ。どうせアイツのせいだろうとはすぐに察しが付いたが……意味がわからないことに変わりはない。だってアイツも円城寺さんも、さっきまでそこで寝てただろ。
読んでた本から目を上げて、声の方を振り向く。窓際んところ、鳥か小動物の巣穴のように座布団が積み上げられてて、さっきまでそこにソイツが埋まってた。そんでその隣に円城寺さんが追いやられ、座布団一枚を枕にして昼寝してた。
今は座布団の山は崩れてるし、円城寺さんは目を丸くして起き上がってる。で、その傍らにしゃがんだソイツは不機嫌そうに口を尖らせて円城寺さんの顔を覗き込んでいる。
「びっくりした! 漣、いったいどうしたんだ?」
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