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    こたつ

    @kotatu_gohan

    だいたい落書き。
    基本的に脱字します。

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    こたつ

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    一線超えられないもだもだチルライ(冒頭だけ)

    夜中に書いた落書き(続きを書けたらいいね) 好きだと言われて頷いた。間違った判断だとは気づいていた。それでもそのまま間違っていていいかと思えたのは、自分もどうしようもなく目の前の男に惹かれていたからだった。
    「チル、疲れたかな?」
     低くなった目線にため息が出る。チルチャックは「いいや」とだけ低い声で返した。いや、確かに惚れているとは言ったけども。男だろうと何だろうともういいかと思った自分もいたけれども! こんなに今までと変わらないと思わなかったというのがチルチャックの本音だった。二人の関係はパーティーに知らぬ者は居なかったし、マルシルなんかは二人きりにさせようとさえしてきたというのに、先日晴れて恋人となった男は自分から指一本すらチルチャックに触れようとしないのだった。
     好きだって言ったのはそっちだろ!? と言いたくもなったが、流石にそれを口にするほどチルチャックは若くなかった。つまり、そういうことを口にするのは余裕がないと思われそうでプライドが許さなかったのである。
     今日も恋人のライオスは劣情など一つも宿していないような真っ直ぐな目でチルチャックを見つめていた。彼が鈍いのは今に始まった事ではない。頭ではわかっているものの、苛立ちが湧いてしまうのも無理はない。もう少し恋人らしい会話をしたいとか、唇を合わせてみたいだとか、更にはお互いの肌に触れたいとか思っているのは自分だけなのか? と叫び出しそうになる。お前も男じゃねえのかよ! そう頭の中で悪態ついて、チルチャックはまたため息を吐いた。先日の夜、呼吸が混ざり合う距離で長いキスを重ねて潤んだ目でもっととねだったのはどこの誰だったのかと言いたくなってやめた。そんなことを口にしようものなら、マルシルに白い目で見られることはわかっていたし、何よりマナー違反なことも理解していた。
     正直なところ、恋人になってもうひと月ほどになる。そろそろいいのではとこちらは思っているというのに。当の本人は昨夜だって体重を預け切って、まるで恋人に組み敷かれることなど夢にも思っていない真っ直ぐな目で彼を見つめていた。チルチャックは決して軽い気持ちでライオスの恋人になったわけではないが、さすがにここまで信用されすぎると逆に不安になるというものだ。今お前が身体を預け切っているのはお前が息を上げるようなことをしている男だというのをどうもわかっていないようだったのである。少し強引な手段に出るか否か。方法は無いでもなかったが、二人の身長差を埋めるにはライオスの協力が不可避であり、何よりチルチャックは彼の合意が無いと事に及ぶ事はしないと決めていた。そうだ、同性と恋人になるという時点で決めていたのに。そうチルチャックは思い返す。手を繋いだり抱きしめたりとそういった一つ一つを大事にしようと決めたくせにな。何も身体を重ねる事だけが愛じゃない。そう思って彼を選んだはずだった。はずだったのだが。
     そうは言っても、普段の真っ直ぐさからは微塵も感じられないほどの熱を孕んだ温度を思い出す。薄い水膜を張った瞳、繰り返される浅い呼吸、キス一つで首まで真っ赤になる白い肌。時折喉から迫り上がる声をもっと聞いてみたくて。背中に駆ける感覚がどうにも目の前の男をもっと味わい尽くしたいと思ってしまったのだった。そうして彼は結局のところ努力を始める事にした。
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