ライチルになったはずのチルライ(多分ボツ) ライオスと恋人になってひと月ほど月日が経った。ここしばらくで学んだことが幾つかある。
一つはライオスが思っていたよりも鈍感だということだ。例えば二人きりになりたい時、何となくこちらからそういう雰囲気を出すのだがこれが察知されたことは今のところ一度も無い。二人きりになりたい時はそう口にしないと伝わることがない。数日前なんか何を勘違いしたのか、手洗いを我慢していると勘違いされたばかりだ。思わずお前との時間が欲しいんだよ! とデカい声で叫んでしまい、その日は一日中マルシルの視線が痛かった。
二つ目は、ライオスは恋愛経験が少ないということ。色恋より魔物に目を輝かせる奴だと知ってはいたがまさかここまでとは思わなかった。あのシュローを親友扱いしていたぐらいだ、どうやら今までまともな友人は居なかったらしい。話に聞く限り、過去に恋人の影は見出せなかったからつまりそういうことなんだろう。
1044