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    こたつ

    @kotatu_gohan

    だいたい落書き。
    基本的に脱字します。

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    こたつ

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    ライチルのつもりで書いてたらチルライになったの落書き。ボツ。

    ライチルになったはずのチルライ(多分ボツ) ライオスと恋人になってひと月ほど月日が経った。ここしばらくで学んだことが幾つかある。
     一つはライオスが思っていたよりも鈍感だということだ。例えば二人きりになりたい時、何となくこちらからそういう雰囲気を出すのだがこれが察知されたことは今のところ一度も無い。二人きりになりたい時はそう口にしないと伝わることがない。数日前なんか何を勘違いしたのか、手洗いを我慢していると勘違いされたばかりだ。思わずお前との時間が欲しいんだよ! とデカい声で叫んでしまい、その日は一日中マルシルの視線が痛かった。
     二つ目は、ライオスは恋愛経験が少ないということ。色恋より魔物に目を輝かせる奴だと知ってはいたがまさかここまでとは思わなかった。あのシュローを親友扱いしていたぐらいだ、どうやら今までまともな友人は居なかったらしい。話に聞く限り、過去に恋人の影は見出せなかったからつまりそういうことなんだろう。
     三つ目は案外リーダーとしての立場を重んじるということだ。誰かが疲れていれば不寝番を率先して交代するし、俺たちの関係を知っているパーティの前でも昼間は指一本触れてこない。惚れたと言ってきたのは向こうのはずだが、そう思わせないくらいにライオスはパーティとしての場を大事にしているようだった。まあこれに関してはこちらも大変有り難かったのだがーー何せ仕事の邪魔はされたくないーーそれ故こっちが二人の時間を取るために策を練る羽目になっている。

     果たして俺はこんな面倒な奴が本当に欲しかったのか? たまに冷静な自分が顔を出し問いかける。察しが悪く、キス一つで茹で上がったように真っ赤になり、恋人らしい事ができそうな夜は不寝番に自ら手を挙げる。やっぱりあの時頷いたのは情に絆されたんじゃないのかと自分に聞いてみたくもなるというものだ。以前の自分であれば間違いなく不毛だという一言で片付けていただろう。けれど、たまに取れる二人きりの時間、数回の短いキスでどろりと蕩ける瞳、必死に縋るように袖口を掴む様子を知ってしまったら、同じことは言えなかった。そろそろ前に進んでもバチは当たらんだろう、と思いはじめたのは数日前の夜だ。真っ白い皮膚が朱色に染まっていき、目の前ではくはくと息を吐く男の様を見ていたらもっとと思ってしまった自分に気がついた。生理的に滲んだ涙を浮かべながら、熱っぽく呼ばれる自分の名前にぞくぞくといい知れぬ感覚が背筋を駆けていくのがわかり、この男の全てが欲しいと思ってしまった。それが数日前のこと。
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