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    Rahen_0323

    @Rahen_0323

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    Rahen_0323

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    スグリ対策考えてたカキツバタif、最終話です。全て幻覚。
    怪我の描写とか色々好き勝手してるのでなんでも許せる方向け。1〜8話と過去作の「お前を殺す夢を見た」を先に読むことを推奨します。
    一応今回で終わりです。お付き合いいただきありがとうございました。書きたいシーンがまだあったりするので補完話も書く……かも……?って感じですね。既に大分満足してるので分かりませんが書きたい気持ちだけはあります。

    地獄の沙汰もバトル次第 9(終)検査が「異常無し」ということで終わり、僅かに負った擦り傷の処置をされた後。
    エリアゼロは一応パルデアにあったので、僕はオレンジアカデミーの先生や保護者であるママを呼ばれてそれはもう心配されてしまった。大穴に入ったのはアカデミー理事長でもあるオモダカさんの許可の上とはいえ、クラベル校長やジニア先生はとても怒っていて。校長なんて「私の方から理事長に抗議します!」とまで言っていた。
    ママもぎゅうぎゅうと僕を抱き締めて凄く叱ってきた。「冒険するのはいいけど、そういう場所に行くならせめて事前に伝えて」と。以前無断で侵入したのもより不安を加速させてしまったのだろう。それについては何度目か深く反省した。
    「とにかく、手当ては済んだのでしょう。理事長への報告などもブライア先生からされると聞きました。今日のところはアカデミーなりご実家なり、落ち着ける場所でお休みを……」
    「あ、待ってください。それはいいんですけど、先に友達と話したくて……」
    「スグリさんとゼイユさんと、カキツバタさんと言いましたっけえ」
    一通りお説教が終わると帰されそうになったので、慌てて首を横に振った。
    ツバっさんの怪我とかスグリとか、心配事は多い。せめて皆に会ってから帰りたかった。
    そう伝えたら「分かりました」と先生達は頷き、ママも「待ってるから、終わったら連絡してね」と送り出してくれる。僕は念入りに感謝を伝えて院内を歩き出した。

    スグリとゼイユは大きな怪我は無かったと思うけど……それはそうと心配だし、ツバっさんは明らかに大怪我をしてた。あんなことの後だ、三人共大丈夫かな……

    テラパゴス暴走の一因であるブライア先生はきっとさぞ絞られていることだろう。自業自得と言えるので、そこは擁護しないことにした。

    とにかく皆を探さなければ。そう当ても無くフラフラ探してたら、間も無くスグリとゼイユの姿を見つけた。

    「スグリ!ゼイユ!」
    「!! ハルト……!!」
    スグリが嬉しそうにするのでつい駆け寄ってしまうと、僕ら二人は揃ってゼイユにゲンコツされた。
    「アンタ達!ここ病院!大声出さない、走らない!」
    「「ご、ごめんなさい………」」
    「でも、ねーちゃんも十分声デカい……わぎゃ!!」
    スグリは余計なことを言っておかわりを貰う。可哀想に。
    ……姉弟は泣き腫らしたように目元が赤く、僕同様少しだけ治療の跡があったけど……顔色は大分改善され、完全にではなくとも大分元通りになったようだった。
    「二人共、怪我とかは」
    「ご覧の通り」
    「俺達は掠り傷で済んだべ。ハルトも大丈夫そうだな」
    色々起きたけど無事で良かったとホッとしていると、スグリの顔が暗くなっていく。
    僕とゼイユはその理由が分からないほど鈍感ではなかった。
    「………………」
    「カキツバタについては、今ブライア先生が様子を見に行ってくれてるわ。一応あの人も元気だし」
    「そっか……ツバっさん、エリアゼロ出た段階では意識あったけど……あんまり傷が深くないといいね」
    「うん…………」
    テラパゴスのテラスタル、それによる暴走。アレはそうしろと促したブライア先生が一番悪いと思う。強さに執着し過ぎて従ったスグリもスグリではあるが、彼だけに非があるわけじゃない。
    ただ、幾らパニックになってたからってあの状況でマスターボールを過信して飛び出したのは、彼の落ち度な気もする。ちゃんと省みてるみたいだから責めはしないけど、彼はずっとどうかしてた。
    「スグリ」
    「うん……」
    「ちゃんとツバっさんに謝ろうね。今回のことだけじゃなくて、沢山迷惑掛けてきたんでしょ」
    「リーグ部にもちゃんと言うこと言うのよ?」
    「分かってる……勿論、ちゃんと謝るよ」
    ゼイユと一緒にそれだけ念押しして、それからは静かに三人でブライア先生を待った。





    「ゼイユくん、スグリくん。……ああ、ハルトくんも来たんだね!」
    「先生!」
    そのうちあの人は、多分色々言われただろうに笑顔で現れた。途端に座っていたスグリが血相を変えて立ち上がる。
    「ブライア先生、カキツバタは……!!」
    「心配なのは分かるが落ち着きたまえ。大丈夫だからね」
    彼女はその勢いに目を丸くしながらそっと窘め、落ち着かせる。
    だけどツバっさんのことは僕とゼイユも気にしていたから、結局三人で先生の前に集ってしまった。
    「安心してくれ。命に別状は無いとのことだよ。内臓も傷付いていなかったし、後遺症も残らないと思われると」
    「傷自体も見た目ほど酷くはなかったらしい」、と伝えられて、一気に身体から力が抜けた。スグリなんてフラついてしまったので、慌てて支えて椅子に戻してやる。
    「ただ出血量が多く……輸血は必要だったみたいでね。傷が開くといけないので、暫くは絶対安静だ」
    「そっか。……そっか」
    輸血……それにこの言い方からして入院することになるのだろう。
    治るレベルだったのには安心したけど、なんだかんだ僕も責任を感じていた。彼と一緒にスグリ達を止めるべきだったのに傍観して、守られて……咄嗟に動けなかった。後悔してもし切れない。
    「君達はこれから学園に帰るのかい?」
    「えっと、そうですね。あたしとスグリはとりあえず……」
    「僕は先生達とママに心配されてるので……パルデアに残ります」
    「そうか。……それならカキツバタくんにも会って行くのはどうかな?彼も君達を気にしていたからね」
    「えっいいの!?」
    「あまり刺激しないのならね」
    本人に会ってもいいと告げられたので、僕達は迷わず頷いた。本当に大丈夫なのか、直で見なければ不安な部分もあったのだ。面会が許されるならお言葉に甘えよう。

    話したいことを頭の中で整理しながら、ブライア先生の案内のもとツバっさんの居る病室へと向かった。















    絶対安静を言いつけられ暇になって寝ていたオイラは、ふとノックの音で意識を取り戻した。
    さっきブライア先生やら医者やらが来てたが今度は誰だ、そう扉に視線を向ける。あまり大声を出すと怒られるので、とりあえずギリギリ届きそうな声量で「どーぞー」と言った。
    出入り口が開いて三つの影が入ってくる。
    「あたしが来てやったわよフワ男」
    「どうもツバっさん!調子はどうですか?」
    「えと……元気……?」
    共にエリアゼロ探索をした後輩達だった。
    ノリがまるで変わっていないゼイユとハルトは堂々と、反対にすっかりしおらしくなっていたスグリはおずおず近づいてくる。
    「まーぼちぼちかねぃ。動くなって言われて暇なくらいだ」
    「大した怪我じゃねーのに」とへらへらして見せると、三人共何処か安堵したように息を吐く。
    目の前で負傷した所為で怖がらせてしまったのだろう。謝ろうかと口を開きかけたが、スグリが気にしそうなので止めた。
    「お前さんらはどっか怪我してねーか?」
    「大丈夫。軽く擦りむいたりした程度だよ」
    「あたしを舐めないでちょうだい」
    「へっへー、そっか。ならいいんだ」
    「よっ、良くないっ!!」
    「うおっ?」
    普通に仲間の無事を喜んだら、突然スグリが叫んだ。
    驚いているとすかさずゼイユが「静かに!」と頭を引っ叩く。その一撃で冷静さを取り戻した少年は、しかし本当に気落ちした様子で項垂れた。
    「あの、違うんだ……カキツバタ、俺、謝りたくて」
    「え?」
    「ごめん……俺の所為で、怪我……それにずっと、迷惑さ掛けて……ホントに、ごめんなさい」
    「あー」
    しまったな、謝らせちまった。スグリだけでなくオイラにだって非はあるのに。
    謝罪を聞いたり受け入れたりするのはちょっと苦手でやりづらくて、横になったままどうしたもんか考える。「もういいよ」と返せばそれで終わるかもしれないが……今回の件はオイラだけの問題じゃないわけで。しかし「許さない」なんてつもりもあまり無くて。
    どう答えるのがスグリの為か思案した末に、結局いつも通り躱すことにした。
    「オイラよりもキョーダイ……ハルトとか、お前のねーちゃんとかに謝れよ」
    「あたしはもう散々頭下げられたわ」
    「僕も、お互い様というか……そもそも僕が噓吐いたのが悪かったんだし」
    「スグは今アンタに謝ってんのよ、ア・ン・タ・に!他の皆がどうとかは別!」
    「……それとも、ツバっさんは許せないの?それならそうと言っちゃいなよ。ツバっさんなんにも悪くないんだから、どうしようが僕もゼイユも口出さないしスグリのことも庇わないよ」
    「それもそれでどーなのよ」
    だが他の二人の所為で逃げ道を封じられて、困ってしまう。
    許せるか、許せないかと訊かれたら……なんとも言えないというか。確かに怒っちゃいたし事実散々だったし、暴言や暴挙の数々を一切まるで気にしてないとは言い難いけれど………オイラの意思よりもリーグ部の皆の意思の方が大事じゃねえの?と思ってしまうとこもある。なにせ主な被害者はアイツらだろう。
    怪我だって。オイラも色々見誤ってた所為だし、オイラが勝手にスグリを庇っただけだ。別にありがとうもごめんなさいも告げられる道理は無いだろ。ハルトとかだったらともかく、オイラだぞ?今更そんななあ………
    「アンタなんか面倒くさいこと考えてるでしょ」
    「考えてない考えてない」
    まあ、うん、なんだ。
    「目が覚めたならなによりよ」
    「…………うん。カキツバタのお陰だべ」
    「ははは」
    「……………………」
    「……………………」
    「「……………………」」
    「ちょっと!シケた空気にするんじゃないわよ!」
    「まだまだ時間掛かりそうだね……一番衝突してたなら仕方ないけど」
    だってなあ、無理に仲良くしなくたっていいじゃん。スグリはそう簡単には切り替えられないだろ。
    内心思いながら曖昧に笑った。

    「あ、そうだ。ハルト」
    「えっ、はい。なんですか?」
    気まずくなりながらもなんだかんだ会話して、そのうち三人が帰ろうという時にオイラはふと思い出した。
    ゼイユにポーチを持ってくるよう頼み、受け取ると中から一つのボールを取り出す。
    「これやるよ。テラパゴスを捕まえるのに使っちまってただろぃ?」
    「え?あっ……」
    渡したのは、そう。マスターボールだ。
    手中に収まった紫色にキョーダイは何故か青褪める。
    「ちょ、ええ!?いやいや受け取れませんよ!!スグリといいなんでそんな軽いノリでマスターボール出すの!?」
    「いやあ、だってオイラも山程持ってるし使わねえし……」
    「えと、ブルベリーグのチャンピオンには記念品として渡されんだけど。俺達しょっちゅう交代してたから、なんだかんだ結構貰っちまって。要らねって言っても押し付けられんだ」
    「ウチの教師って頭固いわよね〜」
    「軽い!!怖い!!貰えませんよこんなの!!」
    「まーまーいいだろぃいいだろぃ。どうせオイラ使わねーもん、礼だと思って持ってけ持ってけ」
    「カキツバタの部屋で埃さ被るくらいならハルトが使った方がいいべな」
    「でもぉ……!!」
    「あ、もっと必要?俺のも要る?」
    「感覚おかしくなるって!!」
    結局キョーダイは受け取って、それから三人は去っていった。

    「またね」「早く元気になってね」と言って。

    「…………あの子達が共にエリアゼロへ足を運んだ学友かい?」
    もう一眠り、と思っていたところ、よく知った声が降ってくる。
    「ジジイ……」
    そっと目を開けると祖父が立っていた。ハルト達と入れ違いに来たのだろうか。
    イッシュとパルデアってそこそこ距離あるのに、まあご苦労なことだ。目を細めながら答える。
    「そんなとこ。オイラの後輩にゃあ勿体ねえヤツらよ」
    「そうか」
    ここに来てこんな発言をするってことは、事のあらましは聞いてしまったのだろう。なんだか目を合わせづらかった。
    「怪我の調子はどうだ?」
    「どうもなにも、治療されたばっかで薬も効いてるから分かんねえよ。……ジジイこそ来んの早過ぎねえか?」
    「サザンドラを飛ばしてきた故」
    「…………そうかい」
    細かい部分は気にしないことにした。このジジイが常軌を逸してるのは今更な話だ。
    「アイリスも心配していたよ。全く、無茶をして……」
    「無茶しねえと死人が出そうだったもので」
    「それもそうだね………いや、すまない。叱るべきところではなかった」
    正直な男だ。怒られたくらいで懲りるタイプじゃねえって知ってるクセに。
    笑ってるとツキリと傷が痛み、思わず顔を顰めながらシーツを握り締める。
    「大丈夫かい?」
    「っおー、まあ、一瞬痛かった、だけ、っ」
    なんだよその顔。……なんでアンタがオイラの手を握るんだ?
    「…………ブルーベリー学園及びパルデアリーグには抗議の連絡を入れるつもりだ。……きみの後輩達のご家族とも話をする。いいね?」
    「お好きに、どーぞ」
    そこまでしなくてもと呆れるが、それで当主様の気が済むならいいさ。逆らわず反発せず、頷く。
    切れた頬にそっと手を添えられた。……今日のジジイは少し変だな。
    「すまなかったな……きみに突き放されても、きみの話を聞くべきだった……」
    「はぁ、っ、はっ、ふ、」
    「よく頑張ったね。今日はもうゆっくりお休み。私がついてるからな」
    マジでなに?急に現れて急に甘いじゃん……いつもは説教ばっかなのに……怖……
    慄きながらも瞼は勝手に落ちていく。痛みは最早薄れていた。

    ────ああ、つかれた。やっとおわったんだ。

    そう実感しながら、ゆっくり瞳を閉ざした。今日は久しぶりにゆっくり眠れる気がした。















    オイラが入院してる間にも色々起きたらしい。

    先ずジジイは宣言通りあちこちと話をして、アイリスも加わりブルーベリー学園とパルデアリーグにお叱りを入れたとか。本気だったんだなあと驚きつつも、まあマトモな感性を持つ二人らしいとも思った。
    それから、スグリとゼイユの祖父母ともコンタクトを取った。スグリが本気で反省し二度と同じような真似をしないのであれば、法に訴えるだとかそういったことはしないと約束したようだが。容赦無く絞ったとのことでまー引いた。一度学園にも呼ばれた二人の保護者は怪我までする事態になるとは想像もしなかったのだろう。ジジイにもアイリスにもオイラにも頭を下げていた。問題の素行と暴走の責任は自分達が負う、どうか孫達には温情を、なんて泣き出すのだからなんかこっちまで申し訳なかった。まだスグリと上手くいっていないのは黙ってることにした。
    あと、ハルトも友人達や先生達にガッツリみっちり激怒されもみくちゃにされたとか。エリアゼロ経験者であり今回は許可が下りていたとはいえ、相談もせず他の仲間とあんな場所に潜ったのは流石に許せなかったのだろう。最後に会った時はげっそりしていた。

    途中でオイラは、ある程度傷が塞がったのを見てイッシュの病院に転院した。別に何処でも同じだろ、そう言ったがジジイ達は近くに居た方が助かるとのことなので、まあ受け入れた。オイラ的には本当に何処でも同じなので。

    なんだかんだ授業や仕事やチャンピオン戦から解放されてゆっくり休めた。こんなに寝て過ごす日々はいつぶりだろうかって気分で。
    ただ学園の皆は逆に大忙しみたいだ。時折連絡は来たが、誰かが直接訪問することは無かった。オイラに時間を割く方が分からないので見舞いについては気にしていないけれど、その多忙の原因が自分な自覚はあったので……うん、ちょっと悪いなとは思った。

    何日か経ち、退院も間近になった頃、ゼイユからも電話が来た。改めて感謝と謝罪を伝えたいと告げられて困ったものだ。

    「じーちゃんばーちゃんが『ちゃんと謝りなさい!』って煩くって。それにまあ一応アンタも頑張ってたし?一番スグと向き合ってくれてたし?だからその、……ありがとう。大変な思いさせて、ごめんなさい」

    素直な彼女に困惑してつい黙ってると、「なんとか言いなさいよ!!」とキレられた。謝りたいのか怒りたいのか。でもゼイユらしくて笑えた。すると「なに笑ってんの!!」なんてまた怒鳴られてウケたものだ。

    どうやら彼女とスグリは今休学中らしい。スグリはハルトと仲直りして、自分でリーグから除名したとも聞いた。きっと完全に元通りになることは無いが、なにはともあれ二人もハルトもちゃんと休めているようで安心した。


    そして。オイラもやがて、まだまだ完治ではないが退院を許された。


    「そんじゃ、行ってくるわ」
    「…………本当にあの学園に戻るのかい」
    「当たり前だろぃ。辞める理由なんて無いし?皆に散々迷惑掛けたんだ。今更逃げたりしないさ」
    「……………………」
    「それに『進級して卒業する』ってアイリスと約束しちまったからなー。タロも、アイツらも待ってくれてるんだ……そこそこ頑張るさ」
    やっと病院の外に出られて直ぐに、オイラはあの学園に帰るとジジイに言った。どうにも彼は納得していない様子だけれど、無理に引き留めてくることも無かった。
    祖父はエリアゼロでの一件以降ずっと自分への接し方がおかしいが、頭でも打ったのだろうか。それともとうとうボケた?
    ……どっちも違う気がした。頭をぶつけたくらいでこの人がどうこうなるとは思えないし、この脳筋ジジイは生涯健常そうだ。
    「…………無理だけはしないように。まだ通院も必要なのだから、ちゃんと定期的に本土へ来なさい」
    「わーってるよお」
    「私にも連絡してくれると、嬉しい」
    「……へいへい」
    急に抱き寄せられ、頭を撫でられる。マジでどうしちまったんだよ。悪い気はしないし嫌ではないが。
    「もう行かねえと」
    「……そうだね」
    とはいえそろそろ行かないと乗る予定のバスが出てしまう。腕をぺちぺち叩いて放してもらった。
    「姉貴によろしくな。んじゃ」
    「ああ。気を付けて行きなさい」

    こうして、やっとの思いで学園へと歩を進めた。

    その日の天気は、まるで"にほんばれ"が使われたような快晴だった。……学園に戻って落ち着いたらポケモン達を目一杯甘やかしてやらないとなあ。


    この後到着する平和になった母校にて、散々お説教をされ泣かれて心配されて歓迎されることになるとは、まだ知らない。
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