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    kurayoshi_9

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    kurayoshi_9

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    #ファンアート #あいるさん大感謝祭 お姉ちゃんとお兄様方の小話6。バーでお兄様方と飲んだ話。

    『ソウル・キス』を飲み干した歌姫マ「どうだ、朧サン。いい店だろ?」
    バ「俺の店なんだから当たり前だろ?」
    「…お招きいただき、ありがとうございます」
     維さんが出張で家にいない、とあいるちゃんに零したら、あれよあれよとバーテンダーのお兄様のお店に連れていかれた。…うん、まだ頭が追いついてないなこれは。というか追いつかないな。いきなり来ていきなり高そうな車に乗せられて止まったと思ったらここだもの。無理だよ。追いつかないよ。
    「…しかもお客さんがあいるちゃんとお兄様方とあいるちゃんの維さんしかいない…!右みても左みてもあいるちゃんのお兄様…!」
    バ「前見てもそうだね」
    マ「wwwホント朧サン俺たちのこと好きだなww」
    警「よく『推し』というが誰のことを一番推しているんだ?俺か?」
    マ「はぁ?ふざけんな俺だろ」
    「マフィアのお兄様も警察のお兄様もバーテンダーのお兄様もみんなイチオシなので選べないです…!!」
     ここから一人選べ?は?無理です。みんな違ってみんないいんです…!オンリーワンなんです…!!
    バ「お前らあんまり朧サンを困らせるなよ…。はい朧サン」
    「ありがとうございます…。…これは?」
    バ「『ジン・アット・イット』…朧サンはカクテル言葉って知ってるかな?」
    「『ジン・アット・イット』のカクテル言葉は『陽気にいこうぜ』でしたっけ?」
    バ「正解。兄弟だらけで落ち着かないかもしれないけど、まぁ楽しくして行ってくれ。お代はいらないからさ」
    「わぁ…イケメン……」
     思わずため息の様な声が出てしまった。…いや、一番は維さんなんですけどね?
    マ「バーテンダーの兄弟ばっかじゃなくて俺らともオハナシしようぜ?朧サン」
    警「とりあえず乾杯するか。兄弟も」
    バ「俺もいいの?…じゃあ貰おうかな」
    マ「おーいお前ら!!乾杯するぞ!!…はい朧サンよろしく」
    「何で僕!?ちょ、ちょっと待って…!」
     突然挨拶を振られて、僕はその場で立ち尽くした。ひぇぇ…視線が、視線が刺さる…!おい医者兄様笑ってんじゃねーですよ!!
    「お姉さん頑張ってー!」
    「あいるちゃん…!…………………では、手短に乾杯の音頭を」
     コホン、と一つ咳払いをして、腹を括る。…何に乾杯するか?そんなの一つしかないでしょ。
    「…………あいるちゃんの可愛さに乾杯!!!!」
    『かんぱーい!!!!』
    「えっ?」
    猫「朧サンわかってんじゃーん」
    忍者「確かに」
    ゲ「俺らを推しって言うだけあるわww」
    「えっ、えっ?」
    維(あ)「あいる、何を困惑しているんだ?」
    「逆に何でみんな困惑しないの!?」
     ああ…頭の上にはてなマークがたくさん出てるあいるちゃんも可愛い…。
     僕は元いた席に座り直して、グラスのお酒を一気にあおる。…はぁ、緊張した。
    「…お兄様、『エバ・グリーン』をお願いします」
    バ「お疲れ様。ちょっと待ってね」
    警「『エバ・グリーン』のカクテル言葉は何だ?」
    「『晴れやかな心で』です…」
    マ「一仕事終えて晴れやかって?ww」
    「笑い事じゃないですよ…!!本当に緊張したんですから…!」
    マ「でもできたじゃんwwさすが朧サンw」
     …マフィア兄様も愉快犯でしたか。要注意ですね。


    マ「でさぁ…俺めちゃくちゃ頑張ってワザと負けたんだぜ?あー…思い出しただけでイライラする…」
    バ「イライラするのは勝手だけど店で銃乱射はするなよ?」
    「それどこの雌豚ですか?ちょっと屠殺してきます」
    警「朧サン目が据わってる。落ち着け」
     他愛もない会話をしていると、突然楽器の音が聞こえてきた。目を向けると、ステージで音楽家のお兄様がチューニングをしていた。
    バ「お、始まるか」
    警「朧サンよかったな。超有名音楽家の演奏聞けて」
    マ「アイツのコンサートめちゃくちゃ人気だからなー」
    「光栄すぎて震えそうなんですが…!」
     マジかよ…チケット一回しか取れたことないのに、こんなに簡単に生演奏聴けるとか…。
     音楽家兄様はチューニングを終えて演奏を始めた。…あ、この曲知ってる。前に仕事で歌ったやつだ。
    「…この曲好きなんですよね…」
    マ「朧サンこの曲知ってるのか」
    警「せっかくだ。ステージで歌ってきたらどうだ?」
    「警察兄様何恐ろしいことおっしゃってるんですか?」
    マ「それいいな!行ってこいよ!」
    バ「頑張れー」
    「バーテンダー兄様まで何を、ちょっと、待って…!」
     僕はあれよあれよとステージまで連れていかれ、マイクを持たされる。音楽家兄様は一瞬目を見開いたが、すぐにニヤッと笑った。
    音「お客さん贅沢ですねぇ。…今夜は特別だぜ?」
    「ちょっと待ってくださいまだ歌うとは…!」
    音「歌始まるぜ?ほら前向いて歌いな?」
    「鬼ですかあなた!」
    音「鬼の兄弟はアッチ。俺は音楽家だぜ?…ほら。頑張って“客”を楽しませろよ?」
     ど、どいつもこいつも…!…っええい…こうなったらやってやろうじゃないですか…!
    「…Catch Me If You Can. Oh darling you are so charming」
    (捕まえてごらん。おや愛しい人、あなたはとても魅力的だね)
    マ「おお、カッコいい…」
    警「上手いな、朧サン」
    「Catch Me If You Can.But this is no in vain, in vain」
    (捕まえてごらん。でもそれは全て無駄。無駄なんだ)
     お兄様方と、あいるちゃんの維さんと、あいるちゃんの視線が僕に刺さる。正直めちゃくちゃ恥ずかしい。
     でも、ここで怯んだら音楽家兄様の演奏に負けて恥ずかしい歌を聴かせることになる。…恥の上塗りじゃんそんなの。そんな目に遭うくらいなら、いっそ堂々と歌ってやる…!
    「Truth may be dangerous to know don't you see.Baby I know that you wanna.Catch Me If You Can」
    (本当のことは知らない方がいい。愛しい人、僕、あなたがそうしたいって知っている。捕まえてごらん)
    「お姉さんかっこいい…!」
    維(あ)(…これが聴けない彼女の私、可哀想だな。…録音して送ってやるか…)
    「I'm not afraid of anything.Nothing's left in my hand」
    (僕は何も怖くない。この手から何も消えてない)
    シェフ「兄弟の演奏に怯まないとかやるじゃん」
    ゲ「これ動画アップしたら怒られるかなー」
    「Baby I know that you wanna…Catch Me If You Can」
    (愛しい人、僕、あなたがそうしたいって知ってるよ。…捕まえてごらん)
     ……う、歌いきった…めちゃくちゃ疲労感すごい、ってわぁ…すごい拍手…。
    ショコラティエ「朧サンやるー」
    人魚「…人間のくせに、悪くなかった」
    鬼「素直ちゃうなぁ」
    狼(頷く)
    海賊「朧サン、アンコール!!」
    考古学「アンコールアンコール!!」
    「か、勘弁してくださ「よっしゃ朧サン、次何にする?」…マジで?」
     音楽家兄様はイキイキと次の曲の準備をしていた。…何でそんなに乗り気なんですか?
    「お姉さん!もっと歌ってー!」
    「あいるちゃんまで…。………次、何にしましょうか」
    音「あいるに甘いなwwwまぁ俺らもだが」
     一曲歌うのも二曲歌うのもおんなじですよ…!!

    「つ、疲れた…」
    バ「お疲れ様。はい水」
    「ありがとうございます…」
     結局あの後、めちゃくちゃ歌った。お陰で喉が渇いて仕方がない。……水、美味しい…。
    マ「いやーいいモン聴けたわ!」
    警「見事だった」
    「そう言っていただけると歌った甲斐があります…」
    バ「いや本当に良かったよ。…はいコレ」
    「?『バレンシア』……カクテル言葉は『お気に入り』、ですか?」
    バ「そ。…どうやら兄弟みんな、朧サンを気に入ったみたいだからさ」
    「……………僕を?なぜ?」
    マ「なぜってww面白いし?」
    警「度胸あるし」
    バ「礼儀正しいし」
    マ・警・バ「「「あいるに優しいし」」」
    「は、はぁ……」
    音「これからもあいる共々仲良くしようぜ?朧サン。…ってことで16回目のアンコールといこう。休憩できたろ?」
    「音楽家兄様!?ちょ、ちょっと待って、もうちょっと…」
    音「“客”は待ってくれねぇぞ?ホラホラ立った立った!!」


     翌日、僕の声はカッスカスになった。そして、
    (ムスー)
    「つなぐ、さん、…きげ、ん…なおし、て、よぉ…」
    「……出張先のホテルで君の歌ってるところが送られてきた私の気持ちなんて、君にはわからないだろう…。…………私も生で見たかった…!!」
    「こ、んど、うたう、からぁ…」
    (ムスー)
    「つな、ぐ、さぁん…!」
     維さんのご機嫌取りに翻弄されることになった。


    『ソウル・キス』のカクテル言葉『どうにでもなれ』
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